北方磁場強度が、高緯度 < 中緯度 < 低緯度、である事はほとんど自明でした
地球磁気双極子の取扱いから、自然と出て来るのでした
東京大学地震研究所さん「地球電磁気学(Geo-electromagnetism)」https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/induction/geomagnetism/geomagnetism-1.pdf
講義1_配布資料 9/29/2020 によりご説明致します
図1:ページ11より
地球磁場を棒磁石(双極子)で現すモデルが紹介され、
図2:ページ12より
双極子で現した場合、北方磁場強度Xは、θを双極子の方向を基準とした余緯度とし、磁気モーメントをm、地球半径をaとすると、
-X = μ0 m sinθ / 4π a^3 ・・・(1)
となる、とあります
Xは既に各観測点で測定されていますから、(1)式にXを代入し各観測点の磁気緯度を用いて、各観測点における地球双極子_磁気モーメント m の値が逆算できます
図3:(1)式より逆算した各観測点の磁気モーメント
尚、Xは現在マイナスなのですが見やすくするためプラスで表示しています
図4:前回報告した各観測点の北方磁場強度Xです
考察:
1.地球を棒磁石でモデル化した時、各観測点の北方成分 X は式(1)となる
ここで sinθ が現れるので、高緯度で小、低緯度で大、となる
θ は(90度 - 各観測点の緯度)です
極の場合、緯度は90度であるから、θ はゼロ度 ➡ sinθ = 0
赤道の場合、緯度は0度であるから、θは90度 ➡ sinθ = 1
となり、高緯度 < 中緯度 < 低緯度、となります
結局、北方成分だけを見ているとこうなる、でした!
前回報告した図4の北方磁場強度は、磁場強度としては部分(北方成分のみ)です
2.図3の各観測点における計算された磁気モーメントも、磁気モーメントの北方成分となり部分であって全体ではありません
磁気モーメント北方成分も、高緯度 < 中緯度 < 低緯度、となっています
但し、サンファンSJGだけは少しハズれて、低緯度にしてはかなり小さな磁気モーメントです
SJGはブラジル磁気異常(ブラジルは異様に磁場が弱い)の真北にあるので影響を受けている可能性があります
3.図3の計算結果(地球双極子磁気モーメント)が正しいかどうか、確認を取りたかったのですが回りに計算結果が見当たりませんでした
磁気モーメントの計算は初めてでしたので、あまり自信がありません、今後もネットで調べます
4.今回の結果は、北方成分Xのみならず鉛直成分Zを観測しないと磁場強度にならない、という当たり前の事です
しかし今まで北方成分Xのみで来たので、ここで鉛直成分Zを加えるのは、、、
加えて東方成分Yも、となるのではないか、、、
少し考えてみます・・・
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です m(_ _)m