なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

5月度その15:太陽磁極の逆転を追う ➡ MHDシミュレータ ➡ リーマン解の基本量をgif化!

太陽磁極の逆転を追う ➡ MHDシミュレータ ➡ リーマン解の基本量をgif化!

 

 という訳で、OpenMHDの一次元例題「リーマン問題」のシミュレーションを実行し、基本量をプロットアウトしてgif化してみる。

OpenMHD開発元・神戸大学・銭谷先生の説明書 [http://th.nao.ac.jp/MEMBER/zenitani/files/MHDintro_2015.pdf] によれば、セルの基本量とは:

密度ρ(ローと読む)、速度v、全圧力p(これはピー)、磁束B、の4個となっている。

ここで全圧力pがスカラーとなっていてベクトルでは?と思うが、これは疑問のままとして先へ進む。

 

 全圧力pに関するリーマン問題・シミュレーション結果がデフォルトとなっており、昨日示したシミュレーション結果3点のgifは、以下の通り:

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膨張波と接触不連続が後方に、衝撃波が前方に伝搬するのが分かる。

 

 それでは密度ρについてのシミュレーション結果3点をgif化すると:

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衝撃波が2段発生し、前方に向かって伝搬している。

 

 次は速度で、これはベクトル。

・ x成分のシミュレーション結果Vx3点をgif化すると:

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・ y成分のシミュレーション結果Vy3点をgif化すると:

f:id:yoshihide-sugiura:20190522191826g:plain

Y成分の理解には少し時間がかかりそうです。

・ z成分のシミュレーション結果Vz3点をgif化すると:

f:id:yoshihide-sugiura:20190522192724g:plain

変化はない。

 

 最後が磁束Bで、これもベクトル。

・ x成分のシミュレーション結果Bx3点をgif化すると:

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変化なし。

・ y成分のシミュレーション結果By3点をgif化すると:

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Y成分においては、膨張波がX方向後方へ、衝撃波がX方向前方へ伝搬するのが分かる。 この理解には少し時間がかかりそう。

・ z成分のシミュレーション結果Bz3点をgif化すると:

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変化はない。

 速度vについてはVz成分がゼロ、磁束BについてはBy成分のみで他はゼロ、という結果でした。 結果の考察には多少時間がかかります。

 しかし、面白いですね、最も基本の一次元リーマン問題でこれだけ面白いのですから、天体問題でMHDシミュレーションをやると美しいシミュレーション結果にのめり込んで論文が書けなくなる、という話は本当だろうと思います。



 

 

最後までお読み頂きまして、誠にありがとう御座いました。

 

5月度その14:太陽磁極の逆転を追う ➡ MHDシミュレータの基本 ➡ HLLD法リーマン解を理解する!

太陽磁極の逆転を追う ➡ MHDシミュレータの基本 ➡ HLLD法リーマン解を理解する!

 

 という訳で、松本先生の教科書によれば:

 磁気流体力学(MHD)では、流体に働く力として圧力勾配の他にローレンツ力を考える。

事になり、MHDの結果は数値流速Fにて示される事になるのだが、その為にはMHDシミュレータによるセル境界での動作解析が本質で、このセル境界での一次元・近似リーマン解であるHLLD法が説明されている。 OpenMHDでは実際にHLLD法を使っている。 ここでセル境界での数値流速とは:

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セルを区間 xi-1/2 ≦ x ≦ xi+1/2 と定義し、セルの境界で数値流束 fi+1/2 を定義する。

さて、UL,URは左右のセルの保存量UでありGivenであるとして:

HLLDの近似リーマン解では、セルの左右の状態ULとURが与えられたとき、4個の中間状態のUL*,UL**,UR*,UR**を求めることになる。

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表4.1の内容は幾つかの不連続面が現れる事を示しており、教科書では:

MHDのリーマンファンには衝撃波と接触不連続面と膨張波が合計7個現れる。簡単のために、膨張波が発生せずに衝撃波と接触不連続面だけが現れる場合を考えると、7個の不連続面(衝撃波・接触不連続面)が現れる。密度や速度などの状態量は不連続面の間は一定である。

としている。

(接触不連続面)

状態UL**とUR**に挟まれた不連続面を接触不連続面とする。接触不連続面では、流体力学と同様に密度は不連続であるが圧力とx方向の速度は連続である。

(アルフヴェン波)

状態UL*とUL**に挟まれた不連続面と、UR*とUR**に挟まれた不連続面は、アルフヴェン波による不連続面である。アルフヴェン波は横波なので、この不連続面では密度、圧力、x方向の速度は連続である。接線方向の速度(v,w)と接線方向の磁場(By,Bz)は不連続である。

(磁気音波)

状態ULとUL*に挟まれた不連続面と、URとUR*に挟まれた不連続面は、磁気音波による衝撃波である。縦波による衝撃波なので、速度、密度、磁場がすべて不連続である。

ここで、4個の中間常態UL*,UL**,UR*,UR**(ULとURはGiven)を求めるのにジャンプ条件を設定している。

こうして有限体積法では、数値流束Fをもとめるのにセル境界における近似リーマン解を用い、その境界がどの中間状態に含まれるかは、波の速度によって決まる、としている。

この数値流速Fが、圧力勾配とローレンツ力により決定されるMHDにおける流速となる。 尚、MHDでは保存量U数値流速F、の他に基本量V(教科書では、基本量は状態量と称しているように思われます)が出てくる。

 

 ここでOpenMHDの一次元リーマン問題・ソースを見てみると、セル境界における数値流速Fを決定付けるのに基本量Vを入力として使用しています。 即ち、セル境界のFは、左右のセルのVLとVRから中間解を経て決定されており、そういう方法もあるのでしょう。

教科書の概要説明では:

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リーマン問題の解(上図)とリーマンファン(下図)。Rは膨張波、Cは接触不連続、Sは衝撃波を示す。

であり、縦軸はUですから保存量になっているのですが。

この一次元リーマン問題を走行させて時間軸で初期解0.00、中間解0.10、最終解0.20をプロットすると、最初は X=0 で緊張状態にあったセル境界が順次、膨張波・接触不連続・衝撃波、と広がってゆくのが分かります。

OpenMHDのシミュレーション結果では、縦軸がTotal Pressure(全圧力:これは基本量)で:

・以下、t = 0.00の解(初期値)

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・以下、t = 0.10の解

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・以下、t = 0.20の解

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 ・以下、gif化すれば:

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膨張波と接触不連続が後方に、衝撃波が前方に伝搬するのがよく分かります。

この縦軸はTotal Pressureですが、他にもありそうなので、次回は調べて他の値(基本量だと思います)をグラフ化したいと考えております。

色々な基本量が示せれば、私としては大いに理解が進みます。

また、この問題は一次元リーマン解に関するものですが、この一次元なるものに関しても、私の理解がまだ完全ではないように思っています。 というのも、ソースを見ているとY軸方向にセルを一列並行して(直交せずに)配置しているように見えるのです。 袖、なのでしょうか?分かりません。

この辺り、もう少し時間を掛けて調べる必要がありそうです。

 

 

最後までお読み頂きまして、誠にありがとう御座いました。

 

5月度その13:太陽磁極の逆転を追う ➡ MHDシミュレータの基本 ➡ 境界条件を知る!

太陽磁極の逆転を追う ➡ MHDシミュレータの基本 ➡ 境界条件を知る!

 

 という訳で、従来より数値解析とは、初期値の設定を行い、境界条件の設定を繰り返し行なって解を得る、と漠然と思っていたのですが、松本先生の教科書を見ると:

波動方程式のような放物型方程式は、時間発展型の初期値問題になる。すなわち、定められた初期条件と境界条件のもとづいて、波動方程式から時間発展をする解が求められる。

とあります。 なるほど。

そして境界条件の種類として以下の4種類を挙げています:

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いろいろな境界条件。黒丸は境界条件の値を白丸はコピーされる値を示す。

 

 ここでOpenMHDのソースを眺めてみると、
 上記(b)の対象境界で、かつ袖の長さは1に設定しているように見えます。

 

 さて、次はいよいよ圧力勾配の解読、です。

 

 

最後までお読み頂きまして、誠にありがとう御座いました。

 

5月度その12:太陽磁極の逆転を追う ➡ MHDシミュレータの基本を学ぶ ➡ 並行してダイナモ機構を学ぶ!

太陽磁極の逆転を追う ➡ MHDシミュレータの基本を学ぶ ➡ 並行してダイナモ機構を学ぶ!

 

 という訳で、MHDシミュレータの基本を学ばないと先へ進めない、まず用語が分からない、ですから。

そこで、法政大学 人間環境学部 松本倫明(マツモト トモアキ)先生の執筆中の教科書の原稿を知る。 ここで多くを学ぶ。 松本先生には本ブログで紹介しても構わない、との了解を得ましたので、ここに載せさせて頂きます。

 それはpdfで [http://redmagic.i.hosei.ac.jp/~matsu/konan15/book.pdf] 、まえがきには:

まえがき

余計な詳細な情報を提供しない。読めばコードが書ける実践的なものにする。星の数ほどあるスキームの中から代表的なスキームを選んで解説する。したがって、スキームの一般論には深入りしないようにした。

とありますが、早速「スキーム」です。 今までの私の分野でスキームを多用する事はなく、私は経済用語を連想してしまう。 読んでゆくと:

・ スキーム: 数値解法

と出てくる、なるほど。⬅ スキームというと手順のイメージが私にはあるので、数値解法手順でいいのかな? 2019_05_21

・ CFL(Courant-Friedrichs-Lewy)数またはクーラン(Courant)数

これは同じ事ですか。

・ リーマン問題は衝撃波管問題(shock tube problem)とも呼ばれる

分かりました。

・ リーマン解とリーマンファン

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なるほど、分かりやすいです。
・ TVD (totalvariation diminishing)条件と呼ばれる振動を回避する条件(発生しない条件)

そういう事ですか。

・ EGLM (extended generalized Lagrange multiplier)形式......磁場の発散に関して

 ラグランジェ、でしたか。

・ 磁気流体力学(MHD)では、流体に働く力として圧力勾配の他にローレンツ力を考える

そういう事ですね。

まだまだ勉強中ですが、リズム感のある文体で、非常に読みやすいです。

私は、用語の意味が分からないと先へ進めないタチでして、松本先生の教科書はとても役立っております。

 

 そうして、国立天文台 桜井隆 さんの「知ってほしい太陽物理と知りたい恒星物理」です。 資料はpdfで [http://www2.nao.ac.jp/~takedayi/ss_phys/presentation/sakurai.pdf] 日付がないので何時の資料か正確には分かりませんが、最近のものです。

かなり長い資料ですが、極磁場反転とダイナモ機構をピックアップさせて頂きますと:

・ 「磁場の極域への拡散と極磁場の反転」として:

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黒点はNとSのペアで出現し、赤道に対し多少傾いており、赤道に近い磁極が先に出現し、後続の赤道から遠い方に出現した磁場が、極磁場を反転させているように見える、という事です。

 

・ 定性的なダイナモ機構の理解としてBabcock modelの説明があり:

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・ そして、ダイナモ理論:最近の考え方 として:

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が示されており、二つあるというのは面白く、この辺りのモデルも深く勉強してゆかねばなりません。

 

 

最後までお読み頂きまして、誠にありがとう御座いました。

 

5月度その11:太陽黒点数の推移を追う ➡ 4月の太陽黒点数について、三鷹さんの見解が出る!【追記】4月にはサイクル24の活発な活動黒点12738が観測される!

太陽黒点数の推移を追う ➡ 4月の太陽黒点数について、三鷹さんの見解が出る!【追記】4月にはサイクル24の活発な活動黒点12738が観測される!

 

まず、この4月までの48ヶ月黒点数推移を再度示しますと:

2015年5月〜2019年4月迄・48ヶ月間の太陽黒点数推移

三鷹太陽地上観測さん測定の月平均黒点数・48ヶ月(4年分)を表示(©国立天文台)。

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2019年04月は平均9.58個で、北半球は9.58、南半球では0でした。

2019年03月は平均7.30個で、北半球は6.83、南半球では0.48でした。

2019年02月は平均0.00個で、北半球は0、     南半球では0でした。

2019年01月は平均7.68個で、北半球は7.68、南半球では0でした。

 

* 三鷹さんの見解が5月13日に公開され、「現在も黒点相対数の減少は続いており、今サイクルと次のサイクルの境界となる極小期はまだ定まっていません」

との事でした。

三鷹さんとしては、まだ本格的な上昇に入ったとは言えない、という事だと思います。

 

【追記】

三鷹さんの詳細な説明に4月に観測された活発な活動をする北半球のサイクル24の黒点NOAA12738 の動画が貼ってありましたので、文章含めアップ致します。

4月に出現した活動領域はNOAA 12737, 12738と12739の3群で、すべて現在の太陽活動第24周期に属する活動領域でした。その中でもNOAA 12738は特に活発でした。この領域は4月9日に東リムに現れ4月19日に西のリムに消えるまで多くのBクラスフレアを起こしました。

太陽面を移動するNOAA 12738の様子:

https://solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/activity/fig1_201904.gif

クレジット:国立天文台

宇宙の徒然を楽しく語る「りお(id:ballooon)さん」から指摘された、ハザードラボさんのニュースに出ていた5月6日に出現の黒点位置も同じような位置でしたので、

[太陽に新たな黒点出現「Mクラスまであと一歩」C9.9フレア発生!(動画) | ハザードラボ]

これもまだサイクル24だと思います。

 

 

以上です

 

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 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia

5月度その10:太陽磁極の逆転を追う ➡ OpenMHDソースを解読 ➡ 並行して逆転モデルを追う!

太陽磁極の逆転を追う ➡ OpenMHDソースを解読 ➡ 並行して逆転モデルを追う!

 

 という訳で、OpenMHDに内蔵されている流体サンプルは、一次元が3個、二次元が3個の計6個で、そのうち磁気流体の例題は二次元の「磁気リコネクション」のみです。 ⬅ この項、間違い、他にもありました 2019_05_21

という訳で、磁気リコネクションのソース解読に入りました、数週間かかると思います。

 並行して、太陽磁極逆転のモデルも探した所、結構いろいろ在りましたが、中でもコロラド・ボルダーにある High Alititude Observatory HAOさんの [The Sun as a Dynamo | High Altitude Observatory] 記事が面白いので、この辺りから学んでゆこうと考えています。

 Animated image

このgifは、子午面還流という赤道から極へ至り再び赤道に戻る物質の還流が、ポロダイル磁場(緯度方向)を生成し、やがて消滅し、その後逆転する動作を示しています。

その間、経度方向にはトロダイル磁場が差動回転の結果、生成されて、黒点ペアを生成し、、、という複雑な動作となります。

まだ充分には理解されていない領域だそうです。

 OpenMHDの磁気リコネクションのソースがそのまま太陽磁極逆転に使える訳ではありませんで、修正が必要となり、何をどう修正すればいいのか?を学ぶのが最大の課題です。

 尚、太陽の対流層はべナール対流との事です(Wiki [太陽 - Wikipedia] )。

0.7太陽半径から1太陽半径まで、厚さにして20万キロメートルの層では、べナール現象でエネルギーが外層へ伝わる。ここでは微量イオンが原因となって不透明度が増し、輻射によるエネルギー輸送よりも効率が高い対流による熱伝導を行う。

という事は、対流層は「散逸構造」であり、11年で磁極を逆転させる太陽の活動そのものが、壮大なプリコジンの「散逸構造」である、と言えるのではないでしょうか。

 

 

最後までお読み頂きまして、誠にありがとう御座いました。

 

5月度その9:太陽磁極の逆転を追う ➡ まずはOpenMHDを動かす!

太陽磁極の逆転を追う ➡ まずはOpenMHDを動かす!

 

 という訳で、磁気流体力学の勉強は並行して進めるとして、ダウンロードした神戸大学都市安全研究センターSeiji Zenitani先生公開の [OpenMHD コード] を動かしてみます。

・ 動作環境は、Linux/Ubuntu18.04、gfortran7.4.0(7.4.0はgccのバージョン、gfortranのバージョンは出て来ない)、python3のバージョンは3.6.7、メモリ8Gbyte

・ シングルとパラレルと二種類のコンパイルが用意されているが、シングルを選択。 理由は、私のノートPCでパラレル走行させてもあまり早くならないのと、何と言ってもメモリ8Gbyeでどこまで走るのか?が一番気になっているので、遅くなってもメモリを最大に有効利用できるシングルを選択。

・ OpenMHDは一次元、二次元の取扱いで、内蔵されている例題を走行させた結果の幾つかを示す。

・ 途中、コンパイルMakefileとプロットのpython3で多少けつまずいたが、以下の結果が得られた。

 

 一次元例題:リーマン・ソルバの結果、処理時間数秒

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そもそも OpenMHD は、セル境界でリーマン問題を考慮するリーマンソルバーを採用しているわけですから、リーマン問題はコードの精度に直結する最重要テスト問題です。

という事だそうで、無事、同じ結果が得られました。


 二次元例題:Kelvin-Helmholtz不安定の結果、処理時間約10分

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これも同じ結果が得られました。

Wiki [ケルビン・ヘルムホルツ不安定性 - Wikipedia] によれば:

密度や移動速度が異なる流体が接触している海面では、密度と渦度が不均一になり重力波を発生させる。界面でのこの波動が撹乱として成長すると、流体の運動が不安定化する。

海面は界面の誤りでしょう。 波雲の例として、以下が挙げられています。

しかし、ここでも重力波という言葉を使うのですね、知りませんでした。

 

 二次元例題:磁気リコネクションの結果、処理時間約30分

上記二例題は流体そのものでしたが、これは磁気流体の問題です。

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宇宙空間プラズマ中で磁場が反転する電流層では、 磁力線が激しくつなぎ変わる「磁気リコネクション」が起きます。 理想 MHD 近似では磁気リコネクションは起きませんが、 オームの法則に電気抵抗を取り入れた抵抗性 MHD 近似では 磁気リコネクションを取り扱うことができます。 リコネクション点からは高速のプラズマジェットが吹き出して、 周囲のプラズマにぶつかっていきます。

だそうで、この辺りは研究の最先端のようです。 

Wiki [磁気リコネクション - Wikipedia] によれば:

磁気リコネクションは高い伝導性を持つプラズマ中で磁場のトポロジーが再配置され、磁場のエネルギーが運動エネルギーや熱エネルギーに変換される物理過程である。 磁気リコネクションが起こる時間スケールは磁気拡散の時間とアルヴェーン波の伝搬時間の間である。

だそうで、イメージとして以下が挙げられています。

要するに、宇宙ジェットの構造と言えます、面白いです。

 

 OpenMHDは二次元までしか扱えませんが、私の目標は、

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二次元ですので、まぁ何とかなるのでは?と思っております。

 

 

 

最後までお読み頂きまして、誠にありがとう御座いました。