なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

12月度その36:SOHOとGOESシリーズ ➡ SOHOからG16へ、陽子流束の伝搬遅延を観察する、@2023年12月25,26,27日UT_3日間!!!

新たな太陽観測衛星として、ラグランジュL1ポイントにある有名なSOHOを選んでX線量と陽子流束(各14日間)を観測、G16は6日間のX線・陽子・電子各流束を観測しています

両者の間に横たわる磁気圏内におけるプロトン伝搬遅延を見てゆこう、の考えです

今回、UT2023年12月25日から27日にかけて、SOHOで検出された陽子流束ピークがG16にどれくらいの遅延で伝搬するのだろうか?を観察しようとしています

現時点、UT12月25,26日の観測では、SOHOからG16へのプロトン伝搬について、大きな遅延は確認できない、が結論です

ですが、それを本日UT12月27日の観測で、より確実に確認しよう、という事です

 

 

お付き合い頂ければ幸いです m(_ _)m

 

 

 

SOHO (探査機) - Wikipedia とは:

SOHO(Solar and Heliospheric Observatory、太陽・太陽圏観測機)とは、欧州宇宙期間 (ESA) と、アメリカ航空宇宙局 (NASA) によって開発された、太陽観測機(observatory)である

であって、打ち上げは1995年と古く、

ACE衛星 (ACE; Advanced Composition Explorer) と共にSOHOは地球から150万km(0.01天文単位)離れた、太陽-地球系のラグランジュL1近傍に位置している。 

GOES衛星が35,786kmだからGOESの約42倍、月が約38万Kmだから月より約4倍離れた距離にある

質量610kgのSOHOはラグランジュ点L1の周りのハロー軌道に位置している。この軌道はL1を焦点とする楕円軌道であり、太陽と地球を結ぶ線と垂直なL1を通る面上にある。この軌道を6ヶ月周期で周回している。また、L1軌道自体は地球と共に、太陽の周りを12ヶ月周期で周回している。このような軌道に位置するSOHOは、常に地球とは良好な通信環境を保っている。なお、L1上に位置してしまうと、太陽と地球を結ぶ線上であるため、太陽からの放射による通信障害を受けてしまう。 

なるほど〜、流石NASA! 単にL1から観測すれば良い、というものではなかった!

 

 

以下、SOHOサイト SOHO/CELIAS/SEM からの抜粋です

SOHOでは波長0.1-50nmまでのX線を観測しています

図1:12月14日から27日(14日間): 波長:01.-50nm SOHO_X線量 青色(下)

ch2は、波長 0.1-50nm に対応し、

ch4は、波長 30.4+-0.4nm に対応する、これはヘリウム304ラインと呼ばれる輝線だそうだ

Y軸単位はカウント/秒であり、単位面積当りの流量を規定する流束とは異なるので、X線量としている

 

 

以下、SOHOサイト Two-Hour Averaged Proton Intensity より、

図2:12月14日から12月27日(14日間):2時間平均_SOHO観測プロトン

 

G16との比較データは、主として赤マークの13 - 26 MeVになります

 

 

以下、G16観測データです(Log_Scale)

図3:G16 X線流束 波長0.1-0.8nm  12月22日から27日(Log_Scale)色をマジェンタに替えました

SOHOのX線波長は0.1-50nm、G16は0.1-0.8nmであり、SOHOの方が圧倒的に広い

従って1対1の比較対応は出来ない、あくまでも参考である

 

 

図4:G16 陽子流束 12月22日から27日(Log_Scale)

この図4とSOHOのプロトン図2の比較となる

図2では赤マークの 13 - 26 Mev を比較対象とし、図4は >=1Mev であって、両者1対1ではない事に留意しよう!

1.SOHOからG16への伝搬遅延の観測どころの話しではなく、波形形状が変わってしまっている!

2.そして何と、図4にてG16プロトンはUT27日に最高値を付けている!

3.図2赤マークにてSOHOではUT27日は減少のみ、であるのに

4.G16が、UT26日のLT00G16時とUT27日のLT00G16時前後にマキシマル高値を付けている動きを解析する必要があろう

5.一体、LT00G16時にマキシマル高値を付ける動きはいつまで続くのか?UT28日も観測してみよう!

注:マキシマル Maximal:日本語で訳を見ると「最大の」と出てくるが、最大とはMaximumであって、Maximalとは近傍に対しより大である、の意味である

凸が2ヶ所あった時、どちらもMaximalであるが、Maximumはどちらか一方である

Maximalは、部分域内最大と捉えてよい、日本語には無い比較表現だと思う

 

 

図5−1:G16 電子流束 12月22日から27日(Log_Scale)

27日UT午後に少し上がり始めています

 

図5−2:G16 電子流束 12月22日から27日(Liner_Scale)

電子流束はLiner_Scaleの方が見やすいので、こちらも載せます

電子の動きにつきましては、別途、勉強会記事をアップ致します

 

 

まとめ

1.もう1日、UT28日も観測を続けます!

2.しかし、SOHOとG16で陽子流束の波形が全く異なる(27日)

伝搬遅延がどうのこうの、という事ではなく、波形変形が起きている!

3.波形伝搬の見地からは、UT22日12時頃に図2SOHOで観測されたプロトン・ピークがある

図4では、UT23日12時過ぎ頃にプロトン・ピークを観測している

これがピーク対応するとすれば、SOHOとG16の距離を約110万kmとして、地球磁気圏におけるプロトン伝搬速度は、約4.6万km/時間 となる

これはかなり遅い!

しかし、今後、観測を続けるが時速4.6万kmという数字はかなり出てくるのでは、と思う

磁気圏におけるプロトン伝搬速度は、プロトンの流束(即ちエネルギー)に依存しているのであろうか、エネルギーが小さい程、伝搬遅延は大となる?

 

 

 

コメントバック_その1

リオ同志(id:ballooon)!

コメントありがとう御座います、感謝です

 

>G16は2日続けて上昇してますね!

はい、です

12月26,27日の伝搬と12月22,23日の伝搬は、分けて考えないと駄目そうです

12月26,27日は、パターンそのものが崩れ去っている(維持されていない)

12月22,23日は、パターンは維持されている

の違いです

原因は、分かりません、今の所

私は陽子流束のエネルギーに依存しているのでは、と感じています

エネルギーから見ると:

26,27日 >> 22,23日 です

この辺りもLog_Scaleならではの解析です

 

>柿岡のK-indexはどうですか?

分かります、気になるのが、、、

現在UT28日までは、これです!

図6:

UT24日12時過ぎに "Active" 状態です

柿岡K-indexまで手を広げると分からなくなるかな、と思っていますが、参考情報として挙げるのは有り、かもしれません

 

 

以上でした

コメバック_その1終わり

 

 

 

コメントバック_その2

リオ同志(id:ballooon)!

重ねてのコメントありがとう御座います、感謝なのです

 

>磁気嵐というわけではないんですね?

K-index=4は、磁気嵐直前(=5から磁気嵐)です

ですが、

>そうですか・・プロトンが上昇するイコール磁気嵐ではないということでOKですか?

図4でUT23日プロトン・シャワーで、図6でUT24日にK-index=4を起こしていると見ていいでしょう、ですが、

図4のUT26,27日のプロトン・シャワーでは図6に何ら磁気嵐を起こしていません!

これは何故か?

それとも、これから磁気嵐が来るのか?

明日は、柿岡K-indexも併記する必要があります

遅延の意味では:

SOHO ➡ G16 ➡ 柿岡K-index の順になりますね!

リオ同志、貴重なご指摘、誠にありがとう御座いました!m(_ _)m

 

 

以上です

コメバック_その2終わり

 

 

 

 

以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました

感謝です