12月度その35:SOHOとGOESシリーズ ➡ SOHOからG16へ、陽子流束の伝搬遅延を観察する、@2023年12月25,26日UT!!!
新たな太陽観測衛星として、ラグランジュL1ポイントにある有名なSOHOを選んでX線量と陽子流束(各14日間)を観測、G16は6日間のX線・陽子・電子各流束を観測しています
両者の間に横たわる磁気圏内におけるプロトン伝搬遅延を見てゆこう、の考えです
今回、UT2023年12月25日から26日にかけて、SOHOで検出された陽子流束ピークがG16にどれくらいの遅延で伝搬するのだろうか?を観察しています
お付き合い頂ければ幸いです m(_ _)m
SOHO(Solar and Heliospheric Observatory、太陽・太陽圏観測機)とは、欧州宇宙期間 (ESA) と、アメリカ航空宇宙局 (NASA) によって開発された、太陽観測機(observatory)である
であって、打ち上げは1995年と古く、
ACE衛星 (ACE; Advanced Composition Explorer) と共にSOHOは地球から150万km(0.01天文単位)離れた、太陽-地球系のラグランジュL1近傍に位置している。
GOES衛星が35,786kmだからGOESの約42倍、月が約38万Kmだから月より約4倍離れた距離にある
質量610kgのSOHOはラグランジュ点L1の周りのハロー軌道に位置している。この軌道はL1を焦点とする楕円軌道であり、太陽と地球を結ぶ線と垂直なL1を通る面上にある。この軌道を6ヶ月周期で周回している。また、L1軌道自体は地球と共に、太陽の周りを12ヶ月周期で周回している。このような軌道に位置するSOHOは、常に地球とは良好な通信環境を保っている。なお、L1上に位置してしまうと、太陽と地球を結ぶ線上であるため、太陽からの放射による通信障害を受けてしまう。
なるほど〜、流石NASA! 単にL1から観測すれば良い、というものではなかった!
以下、SOHOサイト SOHO/CELIAS/SEM からの抜粋です
SOHOでは波長0.1-50nmまでのX線を観測しています
図1:12月13日から26日(14日間): 波長:01.-50nm SOHO_X線量
ch2(下)は、波長 0.1-50nm に対応し、
ch4(上)は、波長 30.4+-0.4nm に対応する、これはヘリウム304ラインと呼ばれる輝線だそうだ
Y軸単位はカウント/秒であり、単位面積当りの流量を規定する流束とは異なるので、X線量としている
以下、Two-Hour Averaged Proton Intensity より、
図2:12月13日から12月26日(14日間):2時間平均_SOHO観測プロトン
以下、G16観測データです(Log_Scale)
図3:G16 X線流束 波長0.1-0.8nm 12月21日から26日(Log_Scale)
SOHOのX線波長は0.1-50nm、G16は0.1-0.8nmであり、SOHOの方が圧倒的に広い
従って1対1の比較対応は出来ない、あくまでも参考である
図4:G16 陽子流束 12月21日から26日(Log_Scale)
この図4とSOHOのプロトン図2の比較となる
図2では赤マークの 13 - 26 Mev を対象とし、図4は >=1Mev であって、両者1対1ではない事に留意しよう!
1.図2の26日赤マークピークは、26日が始まってお昼前の間である
2.図4の26日ピークは、やはり26日が始まってお昼前の間であり、両者だいたい同時刻と見ていいだろう(ピーク伝搬を見れば、1日とか半日とか大きな遅延はない!)
3.図4の26日ピークはLT00G16時である!
この時、G16は地球に隠蔽されており、太陽陽子流束最大を観測するとは、不思議である
4.図2で赤マークは26日ピークを付けて減少に転じている
図4では26日にピークを付けて、その後振動している
この辺りは、もう一日27日を観測してみないと分からないだろう
図5−1:G16 電子流束 12月21日から26日(Log_Scale)
電子流束は12月24日以降、静まっている
図5−2:G16 電子流束 12月21日から26日(Liner_Scale)
電子流束はLiner_Scaleの方が見やすいので、こちらも載せます
24日以降、収まって居る様子がよく分かります
まとめ
1.1日単位でSOHOとG16のプロトン波形を追ってゆく事は、始めての試みです
2.明日、27日UTも続けないといけない状況です
3.やってみましょう!
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>やはりG16も上昇しましたね☆
はい、です
>少し遅れてるようにも見えます。
まぁ、そこは数値を出している訳ではないので、、、
半日とか一日の遅延レベル程度しか、確実には言えませんね
何回か観測して、どの程度なのかを知る、という事でしょう、今は
>青の26-51MeVだと比較には違いすぎるんですね?
そうですね、増々遠くなります
明日になればUT27日の結果が上がりますから、もう少し確定的な事が言えますよ!
私は、図4で、何故LT00G16時にプロトンピークを観測するのか?に着眼しています
このような事象が頻繁に発生するのか?否か?ですね
そして、何故電子では起きないのだろうか?です、これは図5−1,5−2です
現在、電子流束、LT00G16時には必ず凹の字になります
但し、これはSOHOは関係なく、G16観測についてのみです
以上でした
コメバック終わり
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です