世界各観測点における北方磁場強度シリーズにおいて、柿岡KAKにて3日に1度出現する不規則な振動(24h振動ではなく)の原因(モデル)を推察します
お付き合い頂ければ幸いです
1.問題点
そもそも何が問題か?と言うと:
図1:KAKにおける不規則振動、オレンジがKAK波形
⬆ で示すLT18時頃のオレンジダウンシュートは、LT10.8時頃に出現すべきであった
それであれば1日1回の24h振動に至ったのである
それが何故LT10.8時に出現せずLT18時頃に出現したのであろうか?という疑問である
2.確認
電離圏F2層は昼間出現し夜間には消滅する
果して3月9日UTのF2層がKAK上空で不規則にLT18時台に出現したのであろうか?
F2層分布ワールドマップはオーストラリア政府から公開されており、[SWS - Global HF - Ionospheric Map] これは7日間のアーカイブなのでもはや3月9日には届かないが、直近7日間をスキャンしてみると、常にLT10.8時頃KAKにて正確にF2層が発生している
代表的な例を示すと:
図2:UT01:30時は、KAK LT10:30時である
F2層の最大周波数(グレー14MHz)がKAKに至る前にKAK磁場強度最小を示すのである、これが24h振動の基本で常にこうなる
即ち、F2層の発生に関して3日に1度の不規則運動は見当たらないのである
3.推察される振動モデル
電離圏プラズマバブルは平穏安定時においても赤道付近でLT18時台に発生する、とする
但し、平穏安定時なので小さなバブルであって、南北に伝搬する事はない
この安定時の小さなプラズマバブルは夜間に消滅する事なく、成長する、とする
この成長する動作を2日間続けると、3日目のLT10.8時には(F2層は通常通り発生しても)成長したバブルのため電子密度が希薄になり磁場強度減少効果は弱められ、もはやダウンシュートしない(図1の一番左側の黒線)
こうして3日目の夕方LT18時台を迎え、図1で言えば9日のLT18時台に新たにバブルが発生した際に臨界値を超えたバブル群がクラッシュし、一気に空間が圧縮されて磁場強度減少のダウンシュートを示し(図1の⬆)、バブルは完全消滅する
これを繰り返す振動モデルである
これは平穏時3日に1度の動作モデルなので、頻度は少なくKAKのLT18.3時台(UT9時台)に小さなシアン第2ピークを形成する
図3:
これは潮汐振動とは言えないだろう、強いて言えば「電離圏プラズマバブルの成長とクラッシュに至る3日間の振動(もしくは36h振動)モデル」といった所か
上の説明は、LT18時頃のプラズマバブル発生時刻を基準にして説明した
即ち、第1日目は成長しパス、第2日目も成長しパス、第3日目でクラッシュして破壊、その意味で3日間振動と称した訳である
しかし波形の観点から言えば、シアンはダウンシュートが主体なので、図1の下のマジェンタライン(16h+24h=40h)がボトム・ピークtoピークであり、これは72h/36h/24hのスペクトル群では36hラインに代表されるので36h振動と称した訳である
複雑である、少し
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です