7月度その18:GOES衛星の北方向Xと鉛直方向Zを調べる!
さて、いよいよGOES衛星のZ成分を調べよう、という事です
まず、X成分から調べます
観測日は、2024年7月24/25/26日の3日間です
図1:G16/G18のX成分波形
平均値0nTの値を左上に示します
見慣れたLT12時頃に最大値を示す波形です
図2:G16パワースペクトルX成分
図3:G18パワースペクトルX成分
図4:G16/G18のZ成分波形
何とLT12時頃に最小値、LT0時頃に最大値を示し、X成分とは位相が真逆です
図5:G16パワースペクトルZ成分
図6:G18パワースペクトルZ成分
考察:
1.驚きました、位相が逆転しています(図1と図4)
XとZの世界とはこうも違うものなのですか!
2.原因を追う必要があります
が、磁場の凍結しか考え付きません
LT12時頃に太陽風が磁力線を鉛直方向Zに圧縮する
その結果、北方向Xの磁束密度が増し北方向X磁場強度は増加する
一方、鉛直方向Zの長さは短くなるので鉛直方向Zの磁場強度は減衰する
LT0時頃には太陽風圧力が最も弱くなる(磁場の凍結が解除される)
鉛直方向Zは伸長し鉛直方向Zの磁場強度は最大となる
北方向Xについては磁力線密度が薄まり北方向Xの磁場強度は減衰する
現時点ではこの程度しか考えられない
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座います
感謝です m(_ _)m
7月度その17:Z方向も調べておこう!
USGS観測点について、鉛直Z方向も調べておこう、です
東京大学研究所さん「地球電磁気学(Geo-electromagnetism)」
https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/induction/geomagnetism/geomagnetism-1.pdf
講義1_配布資料 9/29/2020 によりご説明致します
図1:ページ12より
双極子で現した場合、鉛直磁場強度Zと北方磁場強度Xは、θを双極子の方向を基準とした余緯度とし、磁気モーメントをm、地球半径をaとすると、
鉛直成分Zについて:
-Z = 2 μ0 m cosθ / 4π a^3 ・・・(1)
北方成分Xについて:
-X = μ0 m sinθ / 4π a^3 ・・・(2)
となる、とあります
θは、
90度 マイナス 各観測点磁気緯度
です
今回は式(1)の観測評価ですので、
極にて θ = 90度マイナス90度 = 0度 ➡ cos0度 = 1 で最大
赤道にて θ = 90度マイナス0度 = 90度 ➡ cos90度 = 0 で最小
となり鉛直Z成分磁場強度は、高緯度 > 中緯度 > 低緯度、が予想されます
分からないのが波形です、北方向X成分観測では、
LT12時頃に最小値を観測 ➡ 高緯度、中緯度
LT12時頃に最大値を観測 ➡ 低緯度
でした、果してこれがどうなるのか?です
図2:BRW鉛直方向Z波形
かなり乱れています
図3:BRW鉛直方向Zパワースペクトル
12h成分が極めて強い特徴、24h成分はほとんどゼロ!
図4:CMO鉛直方向Z波形
図6:BOU鉛直方向Z波形
図7:BOU鉛直方向Zパワースペクトル
12h成分がそれなりに強い特徴
図8:BSL鉛直方向Z波形
図9:BSL鉛直方向Zパワースペクトル
12h成分がそれなりに強い特徴
図10:SJG鉛直方向Z波形
何と低緯度SJGでLT12時頃に最小値を観測!
図11:SJG鉛直方向Zパワースペクトル
図12:GUA鉛直方向Z波形
何と低緯度GUAでもLT12時頃に最小値を観測!
図13:GUA鉛直方向Zパワースペクトル
図14:磁力線高度 vs 鉛直方向Z平均磁場強度
鉛直Z磁場強度は、高緯度 > 中緯度 > 低緯度 となります(これは予想された結果です)
図15:磁気緯度 vs 鉛直方向Z磁気モーメント
SJG磁気モーメントが異様に弱い(これはXでも同じ)
考察:
1.今回、最大の収穫は、
鉛直Z磁場強度は、低緯度でもLT12時頃に最小値を付ける波形となる
です(図10と12)
これは北方向X磁場強度の場合、LT12時頃に最大値を付けているのです
そして最大値を付ける原因を光解離した酸素イオンとオゾン共鳴による常磁性磁気モーメントとしたのですが、これは見直さないとならないでしょう
X成分はLT12時頃に最大値、Z成分はLT12時頃に最小値 ⬅ 何故こんな事に???
2.Z磁場強度はX磁場強度と比べ全体的に12h成分が強く出ます
特に高緯度バローBRWでは12h成分が主体となり(図3)24h成分はほとんどゼロです
これに対しX磁場居度観測でバローBRWは24h成分が主体で12h成分は極めて弱い
何故こんな事が起きるのでしょう?片や12h振動主体で片や24h振動主体とは!
3.これはZ観測を続けていく必要があります
USGSの6観測点は当然ですが、果してGOES衛星ではどうなるのか?興味が湧きます
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です m(_ _)m
7月度その16:北方磁場強度が、高緯度 < 中緯度 < 低緯度である事はほとんど自明、でした!
北方磁場強度が、高緯度 < 中緯度 < 低緯度、である事はほとんど自明でした
地球磁気双極子の取扱いから、自然と出て来るのでした
東京大学地震研究所さん「地球電磁気学(Geo-electromagnetism)」https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/induction/geomagnetism/geomagnetism-1.pdf
講義1_配布資料 9/29/2020 によりご説明致します
図1:ページ11より
地球磁場を棒磁石(双極子)で現すモデルが紹介され、
図2:ページ12より
双極子で現した場合、北方磁場強度Xは、θを双極子の方向を基準とした余緯度とし、磁気モーメントをm、地球半径をaとすると、
-X = μ0 m sinθ / 4π a^3 ・・・(1)
となる、とあります
Xは既に各観測点で測定されていますから、(1)式にXを代入し各観測点の磁気緯度を用いて、各観測点における地球双極子_磁気モーメント m の値が逆算できます
図3:(1)式より逆算した各観測点の磁気モーメント
尚、Xは現在マイナスなのですが見やすくするためプラスで表示しています
図4:前回報告した各観測点の北方磁場強度Xです
考察:
1.地球を棒磁石でモデル化した時、各観測点の北方成分 X は式(1)となる
ここで sinθ が現れるので、高緯度で小、低緯度で大、となる
θ は(90度 - 各観測点の緯度)です
極の場合、緯度は90度であるから、θ はゼロ度 ➡ sinθ = 0
赤道の場合、緯度は0度であるから、θは90度 ➡ sinθ = 1
となり、高緯度 < 中緯度 < 低緯度、となります
結局、北方成分だけを見ているとこうなる、でした!
前回報告した図4の北方磁場強度は、磁場強度としては部分(北方成分のみ)です
2.図3の各観測点における計算された磁気モーメントも、磁気モーメントの北方成分となり部分であって全体ではありません
磁気モーメント北方成分も、高緯度 < 中緯度 < 低緯度、となっています
但し、サンファンSJGだけは少しハズれて、低緯度にしてはかなり小さな磁気モーメントです
SJGはブラジル磁気異常(ブラジルは異様に磁場が弱い)の真北にあるので影響を受けている可能性があります
3.図3の計算結果(地球双極子磁気モーメント)が正しいかどうか、確認を取りたかったのですが回りに計算結果が見当たりませんでした
磁気モーメントの計算は初めてでしたので、あまり自信がありません、今後もネットで調べます
4.今回の結果は、北方成分Xのみならず鉛直成分Zを観測しないと磁場強度にならない、という当たり前の事です
しかし今まで北方成分Xのみで来たので、ここで鉛直成分Zを加えるのは、、、
加えて東方成分Yも、となるのではないか、、、
少し考えてみます・・・
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です m(_ _)m
7月度その15:高緯度 < 中緯度 < 低緯度である北方磁場強度!
北方磁場強度ですが、高緯度 < 中緯度 < 低緯度、になっています
USGS観測結果から分かりますので、7月18/19/20日観測結果をグラフにしてみました
図1:BRWの平均値をグラフ下部に示します
ここで平均値とは変動成分を示す上図Y軸0nTに対応する磁場強度です
従来この平均値は示しておりませんでしたが、今回表示するようプログラム修正しました
図2:CMOの平均値をグラフ下部に示します
図3:BOUの平均値をグラフ下部に示します
図4:BSLの平均値をグラフ下部に示します
図5:SJGの平均値をグラフ下部に示します
図6:GUAの平均値をグラフ下部に示します
そこでX軸を各観測点の平均値、Y軸を各観測点の磁気赤道上_磁力線高度としたマップを作成しますと、
図7:各観測点の磁力線高度 vs 磁場強度マップ
となります
高緯度 < 中緯度 < 低緯度のグラフになっています、実に綺麗な直線グラフです、GUAが少しハズれていますが、、、
参考の為、バンアレン内帯の幅と電離圏上限(これは熱圏上限と一致する)を、Y軸対応kmで示してあります
考察:
1.ここでは北方磁場強度のみを論じています
磁場強度について、高緯度 < 中緯度 < 低緯度、は自明なのでしょうか?
Y軸は磁力線高度を示していますが磁気緯度(の関数)と考えて下さい
X軸は平均磁場強度ですが各観測着地点における単位面積当りの磁束密度であって、磁力線高度における単位面積当りの磁束密度ではありません
従って、私にはとても自明とは思えないのですが、単に私が知らないだけという可能性も大いに有り得ます!
この件はまだネット上を調べておりませんので、これから調べます
2.調べて原因なり理由が判明すれば、それでオシマイ!
判明しなければ「何故だろう?」を考察する運びとなります!
3.尚、今回追加修正したグラフは、次回より常時提示致します
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です m(_ _)m
7月度その14:USGS低緯度サンファンとグアムの観測です!
7月18/19/20日の観測はこれにて終了です
図3:SJGパワースペクトル
図6:GUAパワースペクトル
まとめ:
1.何と言っても低緯度観測点の特徴はLT12時頃に最大値を観測する事であり、これは高中緯度観測点と180度(真逆という事)ズレています
低緯度でLT12時頃に最大値を観測する原因として、太陽光により分離生成される酸素イオンの磁気モーメントとやはり太陽光により生成されるオゾン共鳴による磁気モーメント、があると考えています
2.LT12時頃に最大値を観測するのはGOES衛星も同様で、原因は異なりGOES衛星の場合は太陽風プラズマによる磁力線圧縮(磁場の凍結)である、と考えています
高度約3万5千kmのGOES衛星と磁力線高度約20km(GUAの場合)程度の低緯度観測点が同じLT12時頃に最大値を示し、間にくる高中緯度観測点がLT12時頃に最小値を示す現象は大変興味深い所です
3.今後の考察点については:
a:高中緯度がLT12時頃に最小値を示す原因として太陽風プラズマによるジャイロ運動を考えていますが、ドリフト運動による効果を考える必要があるか?
あるとして、ジャイロ運動とドリフト運動の関係を明確にする ⬅ ジャイロ運動とリングカレントの関係を明確にする
b:GOES衛星の場合、LT12時頃に最大値を付ける現象は磁場の凍結による磁力線圧縮で説明できるが、その時観測される電子線束や陽子線束の波形はとても磁場凍結を起こすような波形に見えない
LT12時頃に磁場凍結を起こすならLT12時頃に電子線束も陽子線束も最大値を観測するような波形であるべき所が、全くそのようになっていない ⬅ この問題の解決
にまずは絞られる所です
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です m(_ _)m
7月度その13:7月18/19/20日USGS中緯度ボルダーとベイセントルイスの観測です!
USGS中緯度ボルダーBOUとベイセントルイスBSLの観測です
この波形(図1と2)ですと、それなりに12h成分が出ますが、24hが主体である事には変わりありません
この波形(図4と5)ですと12hと3day成分が出てきています
まとめ:
1.今回の静穏な日(7月18/19/20日)では高緯度・中緯度ともに24h成分が最も強く出ています
ベイセントルイスBSLは中緯度と低緯度の境の中緯度側に位置し、波形が乱れやすい特徴のある観測点ですが、それでも24h成分が最も強く出ています
2.波形そのものですが、高緯度・中緯度ともにLT0時頃に最大値を示し、LT12時頃に最小値を示しています、各観測点の磁力線高度を示しますと、
図7:各観測点の磁力線高度(オレンジ_磁気赤道上、緑_地軸赤道上)
太陽が真上に来た時に最小値を示すという事は、太陽風プラズマ荷電粒子のジャイロ運動による背景磁場減衰効果であろう、と現在は考えています
バンアレン内帯の荷電粒子のジャイロ運動ですが、これはLT12時頃に限らず常に影響を与えている(常に減磁作用している)と考えられ、高緯度の磁場強度が中緯度より低い理由には成り得ますがLT12時頃の最小値原因にはならないでしょう
3.GOES衛星のレベルでは、LT12時頃に最大値を観測します
高度約3万5千kmのGOESと高緯度・中緯度の波形が180度逆転している(GOES:LT12時頃に最大値、高中緯度:LT12時頃に最小値)点については今後より深く考察してゆく必要があります
4.現時点のモデル(考察結果)では:
a:GOES衛星LT12時頃の最大値は、磁場の凍結が原因
b:高中緯度でLT12時頃の最小値は、荷電粒子ジャイロ運動が原因
としています、これは逆に言えば:
a:GOES衛星高度ではジャイロ運動は無視できる
b:高中緯度磁力線高度では磁場の凍結は発生しない
となりますが、果して本当でしょうか?という事です
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です m(_ _)m
7月度その12:7月18/19/20日USGS高緯度バローとフェアバンクスの地磁気波形&パワースペクトルを取る!
続いて静穏な7月18/19/20日USGS高緯度のバローBRWとフェアバンクスCMO観測に入ります
図1:まず柿岡K-Index (7月18/19/20日含む)を再度、です
図2:バローBRW 北方磁場強度 変化分
図3:バローBRW 北方磁場強度 絶対値
図4:バローBRWパワースペクトル
バロー波形に大きな乱れはなく、24h成分が非常に強く出ています
図5:フェアバンクスCMO 北方磁場強度 変化分
図6:フェアバンクスCMO 北方磁場強度 絶対値
フェアバンクスCMO波形にも大きな乱れはなく24h成分が非常に強く出ます
まとめ:
1.USGS高緯度に関しては、7月1/2/3日と7月18/19/20日のパワースペクトル結果に大きな違いはありませんでした
静穏であればパワースペクトルは同じになる、と見てよいでしょう
2.参考までに7月1/2/3日のパワースペクトルを載せておきます
図8:バローBRWパワースペクトル(7月1/2/3日)
図9:フェアバンクスCMOパワースペクトル(7月1/2/3日)
24h成分以外の成分も少し立っています、波形が少し違うからです(以下、図10)
図10:フェアバンクスCMO波形(7月1/2/3日)
見た目で波形は違うように思えますがフーリエ解析すれば似ている(同型の範囲内)という事でしょう
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座います
感謝です m(_ _)m