６月度その７ 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ クールーKOUの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較する！
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ クールーKOUの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較する！
世界各地の北方磁場強度測定、続いてクールーKOUです
foF2値マップは磁力線高度2,000km以下かつ高度100km以上の地点についてのみ示します、KOU29.5kmは該当しません
本来ならサンファンSJGの順番ですが、SJG３日間波形が異常データのため取得できませんでしたのでスキップします、が、24時間統計グラフとコメントだけアップしておきます
図０：サンファンSJG24時間_最大値最長値_統計グラフ
マジェンダが成長するシアンを食って最大値を示しています、その理由はマジェンダピークの時間帯にもシアンが僅かながら存在する事から分かります
これは最大値と最小値を付ける原因は別に存在し、競合している事を示しています
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a：成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b：電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより：
密度X軸はLogスケールである事に注意！
Y軸は磁気赤道上空と思われます（但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空）
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
Wikiには「内帯には数百keVの電子と100MeV以上の陽子が存在」とあります
ここから本文です
１．世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図１：世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図２：各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
陽子ベルト・電子ベルトの幅500kmは私の推測で変更の可能性大です
２．クールーKOU３年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年6月2日から2022年5月31日の3年（365x3日）です
図３
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図４：
凡例にあります「● ピーク数=1+1」は：
第１ピークはマジェンダでピークは１ヶ所のみ、第２ピークのシアンも１ヶ所のみ（合計でピーク数は2）⬅ 低緯度の特徴です
ピーク定義は、平均値を少なくとも２h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
ゼロカウント時間帯（位置と数）は多いですが、シアン・マジェンダともに先月と同じでした
マジェンダピーク時間帯には３時間ものシアンゼロ時間を観測し、シアンピーク時間帯には７時間ものマジェンダゼロを観測している事は、原因は一つ太陽光であり昼と夜である事を示しています
要するに、昼間の太陽光が共鳴による磁気モーメントを有するオゾン分子を発生させ夜間はオゾン生成が止まるから、と考えています
上図によれば、LT8.5時台〜LT13.5時台にオゾン分子は生成され、ブリューワー・ドブソン循環によりほとんどすべてが中高緯度へ移動し、LT15.5時台から夜間を経てLT6.5時台にオゾン分子は全く存在しない状態となる、となります
３．クールーKOUとG16Eの波形3日間とFFT結果です
クールーKOUがオレンジ、G16Eはシアンです
図５：
同相です、KOU信号は極めて大きくY軸を約４倍スケールアップしています
図５の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図６：
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図５よりクールーKOUのパワーFFTスペクトルを取ると、
図７：
極めて強い24h成分がトップです、強度比は 24h>>12h>72h>>8h です
凡例に出している72h/24hと12h/24hと8h/24hデータは、世界まとめマップでグラフ化します（8h成分はIndex=10です）
中間のまとめ：
１．赤道地帯でLT8.5時台〜LT13.5時台に発生したオゾン分子は直ちに中高緯度へ移動し、LT15.5時台から夜間を経てLT6.5時台にはほとんど存在しない、が図４からの帰結です
２．これは極めて高速にオゾン分子が中高緯度に吸い出されている状況であり、これだけ高速ですとフレデリックFRDがLT14.8時台にマジェンダピークを付ける原因がその日に発生したフレッシュ・オゾン分子による常磁性・磁気モーメント効果である、とする説明の信憑性が少し高まります
３．と申しますのも、FRDは北緯38.2°に位置し赤道からの距離は約4,250kmもあり、FRD直下の赤道上で発生したオゾン分子がコリオリ力を無視して直上したとする場合、LT8.5時台〜LT13.5時台の中心値LT11.0時台からLT14.8時台に到着する為には時速1,118kmで移動する必要があります
KOUの北緯5.2°を考慮して（38.3°-5.2°）に対する距離ですと3642kmとなり時速958kmとなります
従って中間を取れば、時速約1,000kmでオゾン分子は移動循環しているのか？出来るのか？となります
４．時速1,000kmであれば何とかなるかな？という所です、温度と気圧に依存すると思いますので、調べます
コメントバック：
Rio同志(id:ballooon)！
コメントありがとう御座います、感謝です
＞時速だとわからない
ジェット旅客機の巡航速度が時速800kmですので、かなり早いです
そんなに早く中高緯度に移動するものかどうか、これから検証が必要です
＞秒速に直すと278mですか・・
そうです、そうなります
音速が時速1224km・秒速340mですから音速より少し遅い程度になりますが、音速は波の伝搬速度で、ここはオゾン分子の移動速度ですから中身が違うので音速の事は書きませんでしたが、風速であれば同志の仰る通りで比較できます
＞せっかく作ったオゾン分子も全部中緯度に行ってしまうのですか
そうです
＞赤道付近にオゾン層がないわけじゃないですよね？
LT15.5時台から夜間を経てLT6.5時台にはほとんど存在しない、が図４の帰結です
従って、存在しない時間の方が長いなります、図４が示す所では
＞中緯度にどんどんたまるオゾン分子はどこにいくのでしょうか？
分解して酸素になり、対流圏（要するに地表）へ戻るのだと思います
以上です
コメバック終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です！
