1月度その14 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ シャンポンCLFの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間をFFT解析し比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ シャンポンCLFの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間をFFT解析し比較する!
世界各地の北方磁場強度の観測です
今回はシャンポンCLF、北緯48.0°の観測点で、今月の地上観測点はこれにて終了です
シャンポンのあるフランス中部ロワレ県にはシュリー・シュル・ロワール城が
あります
お付き合い頂ければ幸いです
まず、地磁気一般と電離圏一般です
地表の磁場強度マップ2020年は:
図a:ESAより地球全体を示せば、
図b:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
図c:電離圏S4シンチレーションマップはオーストラリア政府 [SWS - Section Information - About Ionospheric Scintillation] より
図d: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
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1.シャンポンCLFとGOES-16Eの磁力線パターンと緯度経度を確認
以下は、地軸が磁気双極子であるとした最も簡単な磁力線パターンです
図1:
シャンポン磁力線は電離圏を通過しバンアレン内帯を飛行します
2.シャンポンCLF3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフです
観測期間は、2019年1月2日から2021年12月31日の3年(365x3日)です
図2:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
北方磁場Xは、微増です
このグラフに現れたデータのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図3:
最も集中するピークは、最小値側です
3.GOES-16EとシャンポンCLFの波形3日間FFT解析比較です
G16がグリーン、シャンポンがマジェンダです、比較的平穏(と思っている)3日間の波形解析です
図4:1月3日5時15分〜6日5時14分(UT)両観測点の波形
Y軸高さは300nT、シャンポンでも初日真夜中に乱れを観測しています
図4の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図5:
ほとんどのエネルギーがIdx4周期24hに集中しています
一方、図4の波形よりシャンポンのパワーFFTを取ると、
図6:
やはろ、最大エネルギーはIdx2で周期72hに相当します
3日に1回の振動という事は、初日夜間のプラズマシート爆発が効いています
でもそれは無視して、あくまでのIdx4周期24hとIdx7周期12hに着目して図6の位相円グラフを取ると、
図7:
シャンポンにおいて位相差は約5°です
元に戻り、図4の両波形をLT12時でマッチさせると(時差は309分)、
図8:
となり、
図7の両波形にFFTを掛けてG17は周期24h成分(グリーン)のみ、シャンポンは周期24h(オレンジ)と周期24h+12h成分(マジェンダ)の波形を取り出し復元すると、FFT解析後の復元波形はバイアス成分が除去され振動成分のみとなって、
図9:
24h成分同士(グリーン vs オレンジ)の位相は中間です
G17とシャンポンの24h成分の位相円グラフを取りますと、
図10:
となります、図8の24h基本波の位相差は:
G17-CLF=-105.4°
です
まとめ:
1.地上観測点において:
基本波24hの波形 vs 最大値または最小値観測時刻
この両者に相関はあるのか?を追う必要があるのに気付きました(場合によっては地上観測点の12hの波形も加えます)
2.それは図6地上観測点FFT結果の波形グラフ化です
気付くのに1ヶ月かかりました(LT12時マッチの必要はなかった)という事です
もしくは同相か逆相かは問題ではなかった、という事です
ですがGOESの24h波形を出しておく事はたいへん参考になる(面白い)ので、図4に相当する復元波形を出すか、と考えています
3.それで「1」に述べる「相関」が見れなければ波形グラフや位相そのものが意味がなかった、という事になります
最小値・最大値観測時刻は約1000日の観測統計結果であり、24h波形は3日間観測であり、磁気嵐やプラズマシート爆発を避けた充分に平均的な3日間を選択する必要があります
数カ月は測定を続けて試行錯誤する必要があるでしょう!
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!