1月度その13 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNBの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間をFFT解析し比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNBの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間をFFT解析し比較する!
世界各地の北方磁場強度の観測です
グアムGUAも1/3-6日データが公開はされていたのですが、すべて99999.0の異常データが格納されていたので、スキップしました
これでクールーKOUとホノルルHONとグアムGUAの低緯度観測点3ヶ所がスキップ!
低緯度ではサンファンのみ、という結果の月となりました
で、今回はキャンベラCNB、南緯35.2°の観測点です
キャンベラはオーストラリアの首都、
です
お付き合い頂ければ幸いです
まず、地磁気一般と電離圏一般です
地表の磁場強度マップ2020年は:
図a:ESAより地球全体を示せば、
図b:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
図c:電離圏S4シンチレーションマップはオーストラリア政府 [SWS - Section Information - About Ionospheric Scintillation] より
図d: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.キャンベラCNBとGOES-17Wの磁力線パターンと緯度経度を確認
以下は、地軸が磁気双極子であるとした最も簡単な磁力線パターンです
図1:
キャンベラ磁力線は電離圏を通過しバンアレン内帯端に接します
2.続いてキャンベラCNB3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフです
観測期間は、2019年1月2日から2021年12月31日の3年(365x3日)です
図2:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
北方磁場Xは、減少です
ちなみにこのまま減少が続くと約900年でゼロになり、マイナスに転ずるのでそれは南方強度が正という事ですから、エクスカーションか磁極逆転が地表面にまで現れた、となります
このグラフに現れたデータのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図3:
最も集中するピークは、最小値側ですが、最大値側と拮抗しています
3.GOES-17WとキャンベラCNBの波形3日間FFT解析比較です
G17がグリーン、キャンベラがマジェンダです、比較的平穏(と思っている)3日間の波形解析です
図4:1月3日5時15分〜6日5時14分(UT)両観測点の波形
Y軸高さは300nT、キャンベラでも初日真夜中に乱れを観測していますが、これはLT12時アジャストで半分異常が削除されます
図4の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、
図5:
ほとんどのエネルギーがIdx4周期24hに集中しています
一方、図4の波形よりキャンベラのパワーFFTを取ると、
図6:
であって、何と最大エネルギーはIdx2でありこれは周期72hに相当します
3日に1回の振動という事は、初日夜間のプラズマシート爆発が効いています
でもそれは無視して、あくまでのIdx4周期24hとIdx7周期12hに着目して図6の位相円グラフを取ると、
図7:
キャンベラにおいて位相差は約81°です
元に戻り、図4の両波形をLT12時でマッチさせると(時差は294分)、
図8:
となり、
図7の両波形にFFTを掛けてG17は周期24h成分(グリーン)のみ、キャンベラは周期24h(オレンジ)と周期24h+12h成分(マジェンダ)の波形を取り出し復元すると、FFT解析後の復元波形はバイアス成分が除去され振動成分のみとなって、
図9:
24h成分同士(グリーン vs オレンジ)は同相です
G17とキャンベラの24h成分の位相円グラフを取りますと、
図10:
となります
図8のLT12マッチ後の24h基本波の位相差は:
G17-CNB=--5.4°
となって、基本波は同相です
ですが、図7を見て頂ければ分かるようにキャンベラではIx4もIx7も最強エネルギーではなく、この状態でIx4/7の解析がどの程度意味あるのか?分かりません
まとめ:
1.周期24h基本波の位相差によってのみでは同相逆相の程度が指標化できないケースが現れています
キャンベラではIx2周期72h成分が非常に強く、これがプラズマシート爆発によるものであれば、プラズマシート爆発のない平穏な3日間のFFTを取ればIx4か7が強く出る可能性があります
結局、1月3日〜6日は平穏な72hを含んてはいなかった、という事です
2.即ち、平穏な3日間とはFFT解析でIx2周期72h成分が最も強くなるデータではない、という事です
3日にたった1回のイベントがあるから72h成分が強く出る訳で、あくまでも24h成分(もしくは12h成分)が最も強いデータが平穏な3日間である、となります
3ヶ月位は測定を続けないと分からないだろう、と思っています
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!