なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

2月度その18 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 世界まとめマップを作成する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 世界まとめマップを作成する!

 

世界まとめマップです、ここで、低中高_緯度について明確にしておきます

緯度0°〜90°に関し3等分して:

0°〜30°  :低緯度

30°〜60°:中緯度

60°〜90°:高緯度

であって、これに従う事に致します

日本では北端の地である稚内が北緯45.5°ですので、北緯45°以上であれば高緯度というイメージがあるのですが、北緯45°は中緯度中の中緯度です

30°と60°をどう扱うか、どちらに属するのか、という問題ですが、緯度はフローティングで扱い(必ず)どちらかに属しますので、問題となる事はありません

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより

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図b: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空を示す)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界の各観測点と磁気赤道などの世界マップです

図1:

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南北回帰線、23.5°Sと23.5°N、を薄いグレー・ドットラインで示しています

 

2.北方_平均磁場強度と差分平均のマップです

図2:緯度サイドビュー

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北方変動成分は、明らかに高緯度の方が変動幅大です

しかし北方強度成分に関して言えば、概して低緯度の方が磁場強度大です

 

しかしながら全磁力Fで見れば、低緯度の方が磁場強度は弱いのです

NOAAさん [World Magnetic Model - Maps of Magnetic Elements] より

図3:全磁力Fの世界マップ

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数字が細かく見えないので拡大しますと、

図4:部分拡大

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であり、ブラジルが最も磁場強度が弱く、カナダ北部とバイカル湖北部が強いのです

図3に戻って見て頂ければ、マレー半島に鞍部がある事が分かります

簡単に言えば、磁気赤道帯が弱く高緯度が強いのです

 

それでは、北方磁場強度に関連して3年間平均(直線近似)で増加か減少か傾斜角度をグラフ化すると、

図5:

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となり、全観測点14の内、減少6ヶ所 vs 増加8ヶ所で特徴的な傾向は見られませんでした(全磁力Fとは独立な動きをしているように見えます)

全磁力Fのみならず、双極子モデルにもとずく京都大学さん [地磁気双極子モーメントの永年変化] によれば、地磁気そのものはここ約200年間で減少している訳で、その中にあって北方磁場強度で見た時、観測点数(6 vs 8)の比率で増加傾向である、というのは不思議に思えます

 

3.最大値カウント数と最小値カウント数のレシオマップです

図6:緯度サイドビュー

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強度ピークが最大値側に出るのが低緯度、最小値側に出るのが中緯度の特徴で、高緯度フェアバンクス・カレッジCMOは例外的な動作をしています

図6は本ブログが追う最大の謎を示しています、即ち最大強度ピークが、何故:

低緯度で最大値側、中緯度で最小値側に出るのだろうか?

という事です

ここで低緯度の特徴ですが、実際には南北回帰線内の特徴であろう、と考えています

図6では北緯23.5°と南緯23.5°を薄いグレー・ドットラインで示していますが、強度ピークが「最大値側に出る」原因は太陽光のエネルギーと強度そのものだ、という事です

 

4.ピーク強度観測時刻LTの世界マップです

図7:緯度サイドビュー

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この図も面白いのですが、従来はLT10〜11時ベルトに集中している感があったのですが、ベイセントルイスBSLとツーソンTUCが加わりこれらはベルトから外れて、LT10-11時ベルトの集中は弱まっています、しかし、

LT10〜11時台に最大ピークが集中する傾向が強い、は言えます

ここで、ベイセントルイスBSLからビクトリアVICまで綺麗なカーブを形成していますので、これを2次近似曲線に乗せてみますと:

図8:

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となります

 

5.ピーク数のカウント

最大値、最小値、ともにシングルピークを出す場合(この場合、ピーク数は2)と、片方が1で相手が2(この場合はピーク数3)、どちらも2(この場合、ピーク数は4)、と色々あります

ピークの定義を「平均線を越えたもの」として、見た目で数えると以下のグラフが得られます

図9:

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見た目で数えていますので、確実なのはピーク数2であり、ピーク数4辺りになりますと曖昧な所が出て来ます

ですがここで、ピーク数が2の場合は原因はひとつである、ピーク数が3以上の場合は原因がふたつある、と考えています

 

 

まとめ:

1.図6の低緯度vs中緯度(マジェンダvsシアン)に考察対象を絞ります

高緯度フェアバンクス・カレッジCMOは、一旦考察の対象から外します

2.図9において、原因がひとつであればピーク数は2、原因がふたつあればピーク数は3または4、になると考えています

3.図7において、何故LT10〜LT11時台に最大ピークが来る確率が高いのか?も重要です

4.上記項目3を追うために各観測ではfoF2世界マップを導入していますが、電離圏F2層ではバンアレン帯が入らない為、来月から全電子数TEC世界マップも導入します

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!