３月度その５ 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フレデリックFRDの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-16Eとの波形3日間を比較する！
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フレデリックFRDの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-16Eとの波形3日間を比較する！
世界各地の北方磁場強度の観測を続けます、今回はフレデリックFRDです
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a：電離圏とfoF2とは [電離層（Ionosphere）について解説] さんより：
図b： [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
Y軸は磁気赤道上空と思われます（但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空）
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
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１．世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図１：世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図２：各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯（図bより）
２．フレデリックFRD３年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年3月2日から2022年2月28日の3年（365x3日）です
図３：
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図４：
3月より、ピーク数定義をより詳細にして凡例に挙げています
凡例にあります「● ピーク数=1+2」は、FRDの場合：
最大ピークはシアンでそのピーク数は１、第２ピークはマジェンダ、第３ピークもマジェンダである
を意味しています（合計でピーク数は３）
ピークの定義は、平均値を少なくとも２h連続して超えるパターン、としています
これで、月末に世界まとめマップにアップ致します
最大ピークのシアンLT10.8時台の中央値LT11.3時におけるfoF2値マップです
図５：第１ピーク・シアン3月5日16:30UTにおけるfoF2値マップ
第２ピークのマジェンダLT14.8時台の中央値LT15.3時におけるfoF2値マップです
図６：第２ピーク・マジェンダ3月5日20:30UTにおけるfoF2値マップ
第３ピークのマジェンダLT5.8時台の中央値LT6.3時におけるfoF2値マップです
図７：第３ピーク・マジェンダ3月5日11:30UTにおけるfoF2値マップ
３．フレデリックFRDとGOES16Eの波形3日間とFFT結果です
フレデリックFRDがオレンジ、G16Eがシアンです、平穏時3日間の波形です
図８：2月28日00時00分〜2日23時59分（UT）両観測点の波形
完全に逆相になっていますが、FRDは台形波形です
図８の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図９：
ほとんどのエネルギーが周期24hに集中しています
一方、図８の波形よりオタワOTTのパワーFFTスペクトルを取ると、
図１０：
凡例「● レシオ12h/24h=1.5286」の意味は：
第１ピークがシアンのFRDにおいて、12h/24hの成分比は1.5286
であって、OTTでは0.9114でしたから、12hと24hの比率が逆転しています
まとめ：
１．
考察の対象を図４のカウントグラフに絞っています
前回OTTの図４と今回FRDの図４を比べてみますと、相似形ですが：
第１ピーク・シアンについては、
西経77.4°_FRD10.8LT時台 ⬅ 西経75.6°_OTT11.0LT時台
と、FRDの方が西にあるにもかかわらず（太陽は遅れて昇るにもかかわらず）少し早目にピークを迎えます
第２ピークと第３ピークのピーク間隔について、
FRD_14.8-5.8=9.0h ⬅ OTT_16.0-5.0=11.0h
と、FRDではピーク間隔が狭まっています
２．
オタワOTTやフレデリックFRDのように第１ピークがシアン最小値の場合は、第２・３ピークはマジェンダ最大値で全体でピーク数３となる、となります
３．
FFT解析では、フレデリックFRDでは12h成分>24h成分で、オタワOTTと逆になりました
前回OTTの図１０と今回FRDの図１０を比べてみますと：
FRD_12h/24h=1.5286 ⬅ OTT_12h/24h=0.9114
と、FRDでは12h成分が24h成分を上回り、24h成分が弱まりました
FRDでは第２・３ピーク間隔がOTTの11.0hから9.0hと短くなっており、その原因は24h成分が弱まり12h成分が強まった所にある、と考えられます
ただし、ピーク間隔は３年間の測定統計結果であり、FFT解析結果の12h/24h比はたった３日間の測定結果であり、両者結果をどこまで比較してよいのか分かりません
４．
foF2値マップはひとまず挙げて行きます
以下の図１１は柿岡KAKで得られたUT2月28日〜3月2日を含むfoF2・TEC・K-indexグラフです
図１１：柿岡KAKのfoF2・TEC・K-indexグラフ：UT2月28日〜3月5日
本文の図６よりfoF2値はよりシャープに立ち下がるように見えます（図６では台形になるように見える）
さらに、TEC値の方がシャープに立ち下がるので、本来ならTEC値マップが欲しい所ですが、TEC値マップは10分単位で更新され、とても取りきれません
FRDの磁力線高度2,150kmを考えると、TEC値マップが欲しいのではありますが、、、
観測位置がKAKですので、あくまでも参考です、図１１はKAKの所で詳しく分析します
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です！
