なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

2月度その5 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ベイセントルイスBSLの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較!⬅追加あり!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ベイセントルイスBSLの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較!⬅追加あり!

 

追加:2022/2/9 07:20

IGRFという国際地磁気モデリングの学会があって、

[IAGA V-MOD Geomagnetic Field Modeling: International Geomagnetic Reference Field IGRF-13]

そこに世界各地点の磁場強度(D,I,F,H,X,Y,Z)を算出するプログラムが公開されていたので、ダウンロードし磁気赤道の位置を数値解析的に求め、世界まとめマップに追加記入しました

追加終わり

 

 

世界各地の北方磁場強度の観測を続けています、今回はベイセントルイスBSLです

2月に入って何点か修正しています

1.磁力線高度を磁気赤道上空に修正(従来は地軸赤道上空)

これによって磁力線高度の精度が向上しました

2.3年間の最大値・最小値観測では最大値と最小値の中間点を求め、最小二乗法による直線近似解を求める

これによって傾斜角が算出でき、最終的には世界まとめマップに反映します

3.上記3の修正に伴い、Y軸500nT内に入る3年間1095日の有効日数を求める

これによって有効日数/24のカウント平均を24hカウント・グラフ上に明示しました

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより

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図b: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空を示す)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界磁気マップとベイセントルイスBSLに着地する磁気赤道上空_磁力線高度

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界まとめマップ

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磁気双極子_北極2021と磁気双極子_南極2021が地球棒磁石の両極です

図1は東経180°がセンターで、次の図2は経度0°グリニッジがセンターですので、ご注意下さい

オタワ➡フレデリックと来て、今回はベイセントルイスです

 

ここで世界の磁気分布はこの棒磁石である磁気双極子にて近似表現され、磁気双極子にもとずく北緯と南緯というものがあって(磁気双極子の北極が北緯90°となる)その世界マップはNOAAさん [World Magnetic Model - Maps of Magnetic Elements] より

図2:

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に示されています(青線赤線メッシュが磁気マップの緯度経度メッシュです)

磁気マップでは、図2の縦緑ラインを経度0°とし、左が西経で右が東経です

重要なのは横にうねる緑ラインで、これが磁気赤道です

 

以下は、磁気赤道上におけるベイセントルイスBSLの磁力線高度を示します

京都大学さん地軸座標と磁気座標の変換サイト [Transformation of Coordinate]より、

ベイセントルイスBSLの地軸座標より ➡ 対応する磁気座標を求め、

➡ 磁気赤道上空の磁力線高度を求めた結果、です

図3:

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ベイセントルイスBSL磁力線は電離圏を通過し、バンアレン内帯下部と接触するかどうか、といった所です

ここで重要なのは1,370kmという高度です(地軸赤道計算では780kmでした)

 

 

2.ベイセントルイスBSL3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフです

観測期間は、2019年2月2日から2022年1月31日の3年(365x3日)です

図4:

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Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

北方磁場Xは微減です

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図5:

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1日の磁場を観測すれば必ず最大値と最小値が得られ、両者が図4グラフ内に収まる有効日数が951日ですから、それを24で割ればカウント平均が出ます

最大値なり最小値なりを観測する時刻の原因が何であれ、平均に来て当たり前であって、それ以上か以下かになるには原因があります

その原因を追っていこう、とするものです

Peak値と観測時刻の他、LT00時とLT12時をグラフ上に明示しています

BSLはFRD同様、最大ピーク側は最小値シアンなのですが、最大値マジェンダの出方がFRDと変わりました

FRDで最大値は午後のLT14.8時台に出ましたが、BSLで最大値は午前中のLT7時台に出ています この辺りの分析を今後進める事になります

 

 

3.ベイセントルイスBSLとGOES16Eの波形3日間とFFT結果です

ベイセントルイスBSLがオレンジ、G16Eがシアンです、これでも比較的平穏時3日の波形です

図6:2月1日00時00分〜3日23時59分(UT)両観測点の波形

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波形はバイアスを除いて変化分のみです

ベイセントルイスBSLとG16Eの経度差は14.6°(時差58分)であり、G16Eの方が東にありますので、LT12G16ラインが左側・LT12BSLラインが右側に来ます

BSLはLT8時台に最小値ピークを迎えていますので、0.5を加えたLT8.5BSL黒縦ラインを入れてあります

図6のG16EのパワーFFTスペクトルは、

[2月度その3 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ オタワOTTの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較!➡追記あり! - なぜ地球磁極は逆転するのか?]

にあり、大半のエネルギーがIdx4周期24h成分に集中しています

 

一方、図6の波形よりベイセントルイスBSLのパワーFFTスペクトルを取ると、

図7:

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であって、前回のFRDに比べ乱れています

 

 

まとめ:

1.考察の対象を図5のカウントグラフに絞っています

カウント平均を出していますので、顕著にそれ以上なりそれ以下となる原因を追っていきます

ベイセントルイスBSLは最大ピークが最小値側でかつLT8時台に観測されるという、他の観測点では見られない特徴があります

加えて図5は、最小値ピークLT8時台の1h前に最大値ピークLT7時台が観測される、という動作であって、着目しています!

2.3日間の波形グラフとFFT結果は、参考です

ですが、図6を見ますと、2月1日と2日(UT)はLT8.5BSL時に磁場強度最大が見られ、これは図5を見ますと、LT8時台に最小値ピークを観測するのみならず最大値もカウント平均以上に観測されている事が分かります

これは同一時間帯(1h)で最小と最大を観測しやすい観測点と言えます!

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission]、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center]、

からダウンロードしています

ここに深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!