3月度その23 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 日没後に低緯度で発生するプラズマバブルについて、調べておこう!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 日没時に低緯度で発生するプラズマバブルについて、調べておこう!
3月の最終は、日没後に低緯度・電離圏で発生するプラズマバブルのご紹介です
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより:
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界の各観測点と磁気赤道などの世界マップです
図1:各観測点の位置関係です
南北回帰線、23.5°Sと23.5°N、を薄いグレー・ドットラインで示しています
図2:各観測点の磁気赤道上の高度です
foF2層、バンアレン内帯陽子ベルト、電子ベルトを示しています
これらfoF2やバンアレンの高度が、地軸赤道または磁気赤道にどう依存するか(上がるのか下るのか)が、分かりません、コンスタントで示しています
2.プラズマバブルとは?
名古屋大学宇宙地球環境研究所・大塚 雄一さん論文プラズマバブル2021/05/31公開によれば:
電離圏 F 領域において、電子密度は、高度 300km 付近に極大を持つが、地球の磁力線が水平になる磁気赤道では、電離圏 F 領域下部は不安定になることがあり、局所的に著しく電子密度が減少することがある。この現象は、上昇する泡に例えられてプラズマバブルと呼ばれている。
であって、
プラズマバブルは、日没後の電離圏 F 領域下部において発生し、高高度に上昇する。
だそうです、F層下部とは高度約200kmと考えて良いでしょう(図a)
下の図の左は、
鹿児島県佐多とオーストラリア・ダーウィンに設置された全天大気光イメージャーで同時に撮像された酸素原子が発する 630nm 大気光の全天画像を示す。
図1:プラズマバブルによる減光領域(左)とプラズマバブルの構造を示す模式図(右)
なるほど、鹿児島・佐多とオーストラリア・ダーウィンで同時にバブル(サボテンのような姿)が観測されています
大気光の明るさは、電離圏 F 領域下部における電子密度に比例するため、両全天画像中に見られる赤道方向から極方向に伸びる大気光の減光領域がプラズマバブルに相当する。
ふむ〜
プラズマバブルの東西方向の幅は、約 100km である。南北両半球で同時に観測されたプラズマバブルの構造は、赤道に対して対称になっていることが分かる。
高さは磁気赤道上空で2,000kmにも及ぶようです
ちなみに東西100kmの長さは、赤道とすれば約111km/経度ですから自転速度で約4分、磁場強度に変動が現れるとすれば観測時間は約4分程度となります
このプラズマバブルは、
同一の磁力線が佐多とダーウィンを通っており、プラズマバブルによる電子密度減少領域が地球の磁力線に沿った構造をもつためである。
と、磁力線に沿って日没後に電離圏F層200kmより上の電子密度を急激に減少させる、となります
ちなみに、
図2:鹿児島佐多に着地する磁力線パターンを調べる
であって、磁気赤道上空345kmという事でF層ど真ん中を通過でした
尚、オーストラリア・ダーウィンの緯度経度は、南緯12.5°、東経130.8°です
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!