なぜ地球磁極は逆転するのか?

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3月度その11 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 柿岡KAKにおけるスペクトル特出成分36hを考察する!

世界各観測点における北方磁場強度シリーズにおいて、なぜ柿岡KAKにおいてスペクトル36h成分がこうも特出して強いのか、を考察します

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

1.柿岡KAKにおける磁力線パス

 図1:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

であって、KAKにおける磁力線パスは、

図2:

最高高度は約720kmになっており、電離圏の影響を最も強く受ける、と考えられます

 

2.考察

問題は36h成分が特出して強い事でした

図3:KAKスペクトル

この原因は3日間波形において36h近傍のピークtoピーク波形が存在するからであり、それは次の図に示すマジェンタ2ヶ所でした

図4:オレンジ波形がKAK

波形のピークtoピークで36h成分近傍があれば36hスペクトルが強く出ます

上のマジェンタがトップ・ピークtoピークで約36h、

下のマジェンタがボトム・ピークtoピークで約36h

で、何故このように約36h成分が形成されるのか、と言うと、それはライトグリーンで示すボトムのピークtoピーク約18h成分が存在するからです

18h成分は、図3におけるIndex5に相当します

 

ここでKAKの1日24hにおける最大値最小値3年間の観測結果ですが、

図5:

UT9時台に付ける最小値シアン第2ピークが原因と考えられます

これはLT18.3時台に相当します

 

LT18.3時台に一体何があるのかと言うと、それは電離圏プラズマバブル発生があります

電離圏プラズマバブルとは、

[電波障害の原因となりうるプラズマバブルを 昼間にもGPSを使って観測 | NICT-情報通信研究機構]

より:

高度約300km上空では、太陽の放射によって地球の大気の一部が電離し、プラズマの状態になった電離圏とよばれる領域が広がっています。その電離圏の中で、プラズマ密度が局所的に減少した領域が「泡」のように高高度に上昇する現象がプラズマバブルです(図)

プラズマバブルは、通常、日没後に赤道で発生し、太陽放射が無い夜間にのみ存在し、昼間になると消滅します。太陽放射があると、電離圏中ではプラズマがつくられるため、「泡」の内部がプラズマで満たされ、プラズマバブルは消滅してしまうためです。また、プラズマバブルは、地球の磁力線に沿って南北に広がります。非常に大きく成長した場合、中緯度まで達することがあります。日本上空を通る磁力線は、オーストラリアの北部につながっており、日本に到達したプラズマバブルは、南北に5,000km以上伸びていたことになります。

 

3.問題点

ここで問題点が2つあります

夕方に赤道付近で発生し磁力線に沿って南北に伝搬するバブル内では、電子密度が低いので電子ジャイロ運動による磁場強度の減少を弱める(減少を止める)と思われますが、何故か磁場強度の減少を加速させています(図5のUT9時台)

これが第1の問題点で、バブルが発生する事によりその周辺では電子密度がより上がるので(電子総数は変わらないので)、磁場強度の減少が加速される可能性が考えられます

赤道上空を通過する磁力線はKAKに至る磁力線のみではなく、KAKに至るパス上ではバブル発生により周囲に押しやられた電子密度増大が寄与し、磁場強度の減少が加速される、という事です

電子密度がより増大した領域における電子ジャイロ運動はお互いのジャイロ運動に作用し、より磁場強度の減衰に効果を及ぼす、のでしょうか? これは確認する必要があります

ちなみに高度2,000km以上の磁力線パスを有するFRDでは、顕著なシアン第2ピークは観測されません(但し、LT17.8時台/UT23時台に小さな第2シアンピークがあります)

図6:

電離圏プラズマバブルは可能性のひとつで、やはり潮汐振動による電離圏電子密度の増大が夕方に発生し磁場強度を減衰させている可能性も残ります

 

ちなみにFRDにおける3日間波形は、

図7:オレンジ波形がFRD

ここからオレンジ波形のボトムtoボトムで18h振動を読み取れ、と言っても無理でしょう

またFRDのスペクトルは、

図8:

であって、36h成分はそれなりにありますが、18h成分はほとんどゼロです

 

第2の問題点は、図4ライトグリーンで示す約18h振動が3日に一度起こす、という点です

この理由は現在ところ全く分かりません

 

 

コメントバック

リオ同志(id:ballooon)!

お忙しい中、コメントありがとう御座います、感謝です

 

>確かに、ここのひそかなピークはいつも気になっていました

流石ですね〜

私は全く気にしておりませんでした!

 

>ちなみにIdx6は何時間なんですか?

14.4hです

 

>プラズマバブル・・すっかり忘れています(^^;)少しづつ思い出しますね。

全く、です

調べたのですが、近接する電子ジャイロ運動が互いに作用して磁場強度をより減衰させる、という現象は起きません!

従って、電離圏潮汐振動による空間圧縮により磁場強度がより減衰される(UT9時台に)という事になります

同時にプラズマバブルが発生していたとしても、シアン第2ピークの原因は電離圏潮汐振動による空間圧縮です

この潮汐振動は3日に1回発生する、となります!

図4の一番左側の下に凸な波形部分がそれに当ります

この辺り、もう少し詳しく調べたい、と考えております

尚、前の記事「オゾン全量シリーズ」ですが、4月から中止する事と致しました

 

NICTさんyoutube [日没後に発生する電離圏の泡-プラズマバブル - YouTube] の説明文によれば、プラズマバブルは:

赤道域や低緯度の電離圏では、日没後にプラズマバブルと呼ばれる、局所的に電子密度が低い泡のような現象がしばしば発生します。プラズマバブルは、磁力線に沿った構造を持ち東に伝搬します。太陽活動が活発な時や、磁気嵐が発生した時には大きく成長し、日本上空まで及ぶこともあります。

との事ですので、平穏安定な日には大きく成長しない

従って、図3なり図4で示される安定したKAK3日間の動作は、プラズマバブルではなく電離圏潮汐振動による動作である、としてよいものと思われます

 

 

以上です

コメバック終わり

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!