6月度その5 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ オタワOTTの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ オタワOTTの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定の再開です、オタワOTTからです
foF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、オタワOTT3,035kmは該当しません
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
Wikiには「内帯には数百keVの電子と100MeV以上の陽子が存在」とあります
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
陽子ベルト・電子ベルトの幅500kmは私の推測で変更の可能性があります
2.オタワOTT3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年6月2日から2022年5月31日の3年(365x3日)です
図3
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=1+2」は:
第1ピークはシアンでシアンピークは1ヶ所のみ、第2ピークのマジェンダには2ヶ所ピークがある(合計でピーク数は3)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
先月ゼロカウントは無しでしたが、今月マジェンダ・ゼロカウントがLT12時台に検出されました、消え去った1ヶ月にマジェンダが存在していたが新規1ヶ月にマジェンダが存在しなかった為にゼロとなりました
図4よりマジェンダはダブルピーク(LT16時台とLT5時台)を示しており、12h潮汐振動しています、この12h潮汐振動がより顕著に現れた為にゼロ時間が検出されたと解釈できます
OTTにおけるマジェンダ要因は、中緯度から高緯度にて帯状となるオゾン層か、バンアレン内帯の電子ベルトである、が現時点のモデルなのですが果してどちらかは分かりません
各要因を磁気モーメントにて定量化した分析が必要となります
要するに図2を見て頂ければ分かるように、高度3,035kmに至る磁力線が通過するオゾン層はわずか20kmx2であり、たったこれだけで最大値マジェンダをダブルピーク化する力があるのだろうか?という疑問があるのです(だから電子ベルトもマジェンダ要因であろう、として追加している)
しかしその前に、マジェンダ・ゼロカウントのLT時間、マジェンダ・ダブルピークのLT時間、を拾って世界まとめマップにて評価する必要がありますので、それらデータを取得します
3.オタワOTTとG16Eの波形3日間とFFT結果です
オタワOTTがオレンジ、G16Eはシアンです
図5:
見事に逆相である事が分かります
OTTがLT11時台に最小値を付け、LT16時台に最大値を付けるのはダウンシュートした波形が反動で上に跳ね上がり、LT5時台に凸を付けるのはこれからダウンシュートする前振れである、とする解釈も可能です
この場合、鋭くダウンシュートする主動作が前後に凸を作るだけである、となりマジェンダ要因の分析がどこまで意味があるのか分からなくなります
図5の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図6:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
12h成分がほとんど無い事は、12h潮汐振動はGOES高度35,786kmでは発生しない事を意味しています
図5よりオタワOTTのパワーFFTスペクトルを取ると、
図7:
24h成分がトップです、強度比は 24h>12h>72h です(先月と大きくは変わりません)
12h成分が0.9138である事は、12h潮汐振動が24hクラスで存在している事を示しています
中間のまとめ:
1.図4でマジェンダゼロ時刻が1時間ですが検出されました
これは先月までは検出されなかった事で、12h振動が先月より強くなった為と解釈しています
2.図5で「鋭くダウンシュートする主動作が前後に凸を作る」動作がマジェンダ・ダブルピークの原因であるとすると、オゾン層や電子ベルトが磁場強度増加に寄与しているとする考察が崩れます(単に電離圏F/F2層と陽子ベルトによる磁場強度減衰動作が極めて大きいため前後に反動ピークを作る、となります)
波形、特に磁場強度の振動において反動に伴う凸動作が一般的であるかどうか調べます(私は一般的ではないだろう、と思っておりますが、、、)
しかしこの前振れ凸動作は磁気嵐の時に見られるのです(磁気嵐で磁場強度は世界中で急速減衰するのです!)後振れ凸が磁気嵐で見られるか知りませんが調べます(これは分かると思います)
3.マジェンダなりシアンなりのゼロ検出時間データを取り世界まとめマップでグラフ化する事は大いに意味ある事です ⬅ これによりマジェンダなりシアン原因が時間的に重なっているのか、もしくは時間的に分離されているのか、が分かります
またオタワOTTの場合であれば第2・第3ピークのLT時間を記録し世界まとめマップでグラフ化します ⬅ これにより12h潮汐振動のLT依存性が明確に分かります
コメントバック:
Rio同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>マジェンダゼロが検出されましたか・・オタワではLT12時ですね?
はい
>最低値がガクンと減りますね。その前後が最大値・・
はい、リアルタイム波形の世の中にはそういう動作もあるのさッ!と言えばそれなりに「そうなのか、、、」とも思えますが、
では、その理由は?と問われると「反動です!」となるのですが、それも後半の凸は説明出来ますが前半の凸は説明出来ません!
前半の凸が説明出来るのは、進行する船の船首の水面が盛り上がる効果、です
太陽が昇りF2層が発達する初期段階で、初期F2層がオゾン層なり電子ベルトを圧迫し磁気濃縮を起こし磁場が増大するのです
この考えで行くと進行する船の船尾も盛り上がらなければならない!船尾の水面は少し沈んでそれから盛り上がっているようにも思えますが、調べます
で磁気濃縮されるのは、オゾン層か電子ベルトか、両方か、は今の段階では分からないです
コメバック終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!