世界各観測点における北方磁場強度シリーズで、世界まとめマップの報告です
観測点を4点(OTT/FRD/KOU/KAK)に絞っていますので、簡素化されています
お付き合い頂ければ幸いです
1.各種世界マップ
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
電子ベルトは陽子ベルトに被っています、詳細を示せば:
図3:日本原子力機構JAEAさん [電子、陽子(バンアレン帯)のエネルギー別線量分布] より
バンアレン内帯では電子数リッチと考えられます
2.3年間最大値最小値測定から、まとめマップ
図4:3年間_X成分の平均値と差分平均値のマップ2月報告
この4点で見る限り、大きな差異はありません
比率で見て、KAKの全体平均が差分平均に比べ大きく出る、程度です
図5:3年間_第1ピーク観測時刻LT統計結果のマップ2月報告
第1ピークのみでなく、全ピークに着眼した分布(但し全体を見る為に抽象化した)が次に示すCyMaマップです
図6:今月(2月)のCyMaマップ
▲がシアンゼロ時間帯、▲がマジェンダゼロ時間帯です
3.3日間波形FFT解析から、まとめマップ
図7:各観測点のFFT結果
72h/24h/12h/8hの各成分強度をそのまま縮小してアップしています
強度10^9が指標となるようで、グリン線で表示しています
FRDはしばらく観測から外していましたので、データ欠落があります
こうして見ますと、KAKは24h成分が他観測点に比べ弱い事が分かります
2月1日から3日のFFT解析でKAKは36h成分が極めて強く出ましたので、24h成分を抑えてしまう観測点である可能性があります
23年5月からY軸スケール精度を2倍に上げます
まとめ:
図5に示すOTT,FRD,KAKの第1ピークがシアンであり、KOUではマジェンタとなる定量分析ですが、私の計算能力では限界があるので、中途半端になるので、追うのを止めます
結論としては:
1.OTTは、バンアレン内帯の電子ジャイロ運動による背景磁場減衰により第1ピーク最小値を観測する、この結果逆相になる
LT11時台にダウンシュートするのは、太陽風(電子プラズマ)が強まるからであろう
但し、ジャイロ運動する電子が太陽紫外線を吸収してエネルギージャンプし背景磁場をより弱めている可能性もあるが、そのような物理現象は見当たらなかった
2.FRDも、同様である
バンアレン内帯の陽子ベルトと言っても粒子数では(エネルギーではなく)電子数が勝っており、OTTと同様の動きとなる(これは図3を見つけた結果の洞察である)
ここで、OTTより低緯度のFRDではオゾン層の影響が少し出て逆相性を乱している可能性がある(オゾン層は同相に効く)
3.KAKの高度ではバンアレン内帯の影響はなく、電離圏の電子ジャイロ運動により背景磁場強度が減少し第1ピークがシアンとなる
但し、KAK高度ではオゾン層による常磁性効果も無視できず、不安定性が出る
こうして36h成分が強く出て、24h成分を抑えている可能性がある
4.KOUではオゾン層による常磁性(O2が二つのOに分解された結果のO磁気モーメントが非常に大きい)によりLT11時台に最大値を観測する
この結果同相となる
KOUでは電離圏より上層の電子ジャイロ運動の影響は出ない
5.KAKとFRDにおけるオゾン層による同相化の可能性であるが、12hや8hの潮汐振動による影響の可能性もある
現時点ではどちらとも言えない、敢えて洞察すれば:
36h振動が極めて強く出るKAKはオゾン層の影響が大、
24h振動が主で12h振動が次に強く出るFRDは12h潮汐振動の影響が大(実はOTTも同じスペクトル)、
と考えられる
となります
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>クールーの時の説明で聞いた、Oが並ぶ?んでしたっけ、そのことですか?
そうです、その通りです
Oは常磁性で磁気モーメントを持ち、磁場強度を増大させる効果があります
従ってオゾン層は磁場強度を増大させる効果があります
では、何故FRDで36h成分がそれなりに強く出ないのか、は考える必要があり:
FRDはKAKと同じ様な緯度ですが、磁気赤道から見るとFRDはKAKよりかなり高緯度で(図1)従ってバンアレン内帯を通過し(図2)FRDではオゾン層の効果が薄く36h成分は出て来ない、があります
以上でした
コメバック終わり
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!