2月度その1 太陽黒点数の推移を追うシリーズ ➡ 直近48ヶ月のグラフ表示、米国NOAAさんのグラフも添付!
お付き合い頂ければ幸いです
* 黒点観測は、三鷹さん [国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測] が行っており毎月データが公開されていて、これをグラフ化したものです(著作権は国立天文台に属します、NOAJは略称です)
* 何故48ヶ月かと言うと、黒点数は13ヶ月平均を取って調べるからです、ある月を取り上げた時、前方6ヶ月と後方6ヶ月を取り、合計13ヶ月の月平均を出します、これを月単位にスキャンし最小となる月が新しい太陽サイクルが始まる月です、それを調べるには48ヶ月あれば充分だからです
* 1645年〜1715年、黒点がほとんど出現しない時期があり [マウンダー極小期 - Wikipedia] 、そのうちの30年間で観測された黒点数はわずか50個(本来なら4〜5万個)でした、マウンダー極小期が明けてから黒点数はほぼ11年単位に増減を繰り返しており、明けた最初の11年をサイクル1として、現在はサイクル25の時代に入っています
* 三鷹さんの見解は 2019年12月にサイクル25は始まった! です
そして終了したサイクル24は約100年の近代的観測史上、太陽活動は最低であった、との事です、これから始まるサイクル25がより活動を弱まらせれば、そしてそれが連続すれば、やはり困った事になる訳で、その辺りを追う事に致します
2019年2月〜2023年1月迄・48ヶ月間の太陽黒点数推移
図1:三鷹測定の月平均太陽黒点数・48ヶ月表示(©国立天文台)
2023年01月は平均 108.08個、 北62.81、南45.27
2022年12月は平均 100.19個、 北56.65、南43.54
2022年11月は平均 69.38個、 北48.94、南20.44
2022年10月は平均 65.47個、 北43.47、南21.80
2022年09月は平均 85.78個、 北34.28、南51.50
2022年08月は平均 59.88個、 北19.00、南40.86
1月の黒点数三鷹測定は微増でした
次のNOAA(米国海洋大気庁)さんのグラフでは激増でして、いつダウンシュートしてピーク分裂する気配が見えません
まぁ、上がったものは下るしかないのでして、2月度には激減するのでしょうか?
[Solar Cycle Progression | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] よりスクショしますと:
図2:NOAA測定の太陽黒点観測数と予測
⬆ 2023年1月の黒点数を実測値 143.6(予測値 63.4であった)としています、確認されたい場合は直接サイトでグラフ上にてご確認下さい、これは三鷹さんの実測値 108.09よりかなり多いです
1月の三鷹は、それほど雨や曇りの日は多くなかった、と思うのですが
黒ブルーの■ラインが実測値、その下に見える紫ラインが 13ヶ月移動平均値(スムースラインと言う)、赤ラインが予測値
NOAAさん実測値と三鷹さん実測値との数値のズレは、NOAAさんは衛星による観測、三鷹さんは地上観測、から来るものです、あと、NOAAさんは世界標準時、三鷹さんは日本標準時、ですので9時間のズレがあり、その間に太陽は自転しますので見える黒点数に差が出る可能性はありますが、これは微々たるものでしょう(太陽の自転周期は、黒点が多出する中緯度付近で約27日)
そして一番右側に、サイクル24と25が表示されています!200年のレンジで見ますとサイクル24と25は太陽活動が低下する時期、となっています
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
朝はやくからコメントありがとう御座います、感謝です
まず、年月数値の間違いのご指摘、ありがとう御座います、
早速に修正致しました
>しかし、NOAAさんの数値にはびっくりですねΣ(゜ロ゜;)?
>もうすでに前回のサイクル24の最高値近く行ってしまいました!
全く、です
流石に来月は落ちるだろう、と思っております
>方向性は・・難しいですね~?
そうなんです
>ピンクの予想値の下に「↓〇」・・減少予想当たりの意味ですが
なるほど、外れたら「↑X」とか?
⬆ ・・・正解、方向正は合っていた
⬇ ・・・間違、方向性が間違っている
と、矢印と色だけ、でいいかもしれません、予測値は月を出していませんので下が空いています
やってみます
・・・
で、やっちゃいましたです!
結構いいと思います、アンマッチの矢印色を何にするかは考えます
アイデイア、誠にありがとう御座いました!
>キャッチ画像、バレリーナですね?
はい、ウクライナはキーウ・バレエ団、と出ていましたもので、、、
お気付きのように、ウクライナ関連のキャッチ画像に最近は絞っています、そろそろ1年になります
以上でした
コメバック終わり
お付き合い頂きありがとう御座いました
感謝です
以上です
1月度その18 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 北方磁場の日変化について、GOES高度レベルの動作を考察する!
バンアレン内帯における電子ジャイロ運動をまとめると共に、GOES高度における波形の日変化(LT11時台に最大値を観測する)について原因を考察致しました
ので、ご報告です
お付き合い頂ければ幸いです
1.基本となるグラフと図
これまの動作を理解する上で基本となるグラフと図を示します
図1:日本原子力機構JAEAさん [電子、陽子(バンアレン帯)のエネルギー別線量分布] より
バンアレン内帯では電子リッチであり、FRDやOTTのLT11時台のダウンシュート動作は、ジャイロ運動する電子が光子を吸収しエネルギーを増して背景磁場強度を弱めているからである、と仮定しています
この状況、電子流が西から東へ向かい(従って陽子流は東から西)、電子流は磁力線にトラップされジャイロ運動を起こしつつ東へ移動している、を示す図は、
図2:高度2,000km〜3,000kmのバンアレン内帯_電子流を南から見る図
であり、FRDやOTTを意識して西経60°赤道0°のLT12時頃の図です
さて、ここで西から東へ向かう電子流とは東から西へ向かう電流であり、バンアレン内帯で赤道環電流(リングカレント)として知られるものです
[リングカレント - Wikipedia] とは:
地球の場合、正電荷を持つイオンは西向きに、負電荷を持つ電子は東向きにドリフト運動するため、西向きのリングカレントが形成される。この西向きの電流は、中・低緯度域の地磁気を減少させ、磁気嵐の主要因になっていると考えられている。地球のリングカレントは、10-200keV程度のエネルギーのイオンが主に寄与している。イオンの種類は、プロトンの他、α粒子や酸素イオン(O+)も含まれている。
NICTさん [ユーザーガイド | 磁気圏 | 宇宙天気予報] より、リングカレントが低中緯度の磁場強度を弱める図を示すと
図3:ぶつかり合う地球磁場とリングカレント磁場
どこでぶつかり合っているのかというと、地球赤道_間近上空で緑矢印(地球磁場)と薄紫矢印(リングカレント磁場)がぶつかり合っています(地球磁場を弱めています)
このリングカレントは「磁気嵐の時に地球レベルで流れる」はよく書かれているのですが、平常時にも地球レベルで流れているのか?という疑問が生じます
平常時にも電流値は小さいが流れている、と考えています
2.GOES高度における動作
ここでGOES衛星の動作を示すと、
図4:2023年1月1日〜3日の波形
であって、特にLT11時台のダウンシュートは見られません、変動幅も±25nT程度と少ない事が分かります
G16について磁場強度_経年変化を示すと、
図5:
であって、磁場強度は約90nTと弱くかつ減少傾向です
ここでOTTは18,140nT、FRD21,280nTなのですが、これはそのまま比較する事はできません
地球の磁力線は、棒磁石の磁力線ように一方の磁極から出てもう一方の磁極に伸びます。磁場の大きさは道のりのちょうど 半分、地球から最も遠くなる赤道において最も小さくなります。イオンや電子はその磁場が弱いところで捕捉され、地球の近くにある磁場の強 いところに近づこうとしては跳ね返されて、行ったり来たりしています。
最も小さくなるのは全磁力Fであって、本ブログでは北方磁場成分のみを扱うので、赤道にて最も大きくなる事に注意です
図6:補足された粒子の運動
二次的な動きとして、荷電粒子は隣の磁力線に乗り移りながら徐々に地球を一周します。イオンは北極の方 から見て時計回りに、電子は逆に反時計回りに地球の周りを回ります。正の電荷をもつイオンと負の電荷をもつ電子がいつでも互いに逆向きに動くので、電流 ができるのです!これこそが、1957年にS.F.シンガーが磁気嵐中にリングカレントが存在することを説明した実際の方法です。
さて、FRDやOTTの磁場強度は地表で1平方m当りの強度ですから、図5に示されるGOES高度でに1平方mとは全く異なります
赤道上空にて磁場強度は距離の3乗に比例して減衰し、図6の断面積は距離の2乗に比例して拡大する、等の簡単な計算をしてみるとG16磁力線着地点における磁場強度は、ほとんどゼロになります!
いくら何でも図5の値90nTより小さいハズはないので、G16磁力線着地点における磁場強度は90nTより非常に大きい >>90nT としておきます
また24h最大値カウント分布は、
図7:
と、見事にLT11.0時台に最大値ピークをカウントしています
FRDとOTTはLT11時台に鋭いダウンシュートを見せるのに、GOESでは図4に示すように(FRDやOTTと比べ)なだらかな凸型波形で最大値をLT11時台に観測します
この原因は一体何なのでしょうか?
考察:
1.まず、GOES高度では地球磁場は極めて弱くなるので、太陽風プラズマの電子または陽子をトラップしてジャイロ運動を起こす事はない、が考えられます
即ち、ジャイロ運動の角周波数 Ω = eB / m の B が極めて弱いので、ジャイロ運動に至らない、という事です
そうして、GOES高度では太陽風による圧力により昼間の磁場強度が増大する、が考えられます
図8:太陽風による圧力が昼間のGOES高度_磁場強度を増大させる
よく見かける地球磁気圏の図を示せば、
図9:NICTさん [ユーザーガイド | 磁気圏 | 宇宙天気予報] より
磁気圏シミュレーションで再現した地球磁気圏, 緑色の線が地球磁場の磁力線, 黄色が磁気圏周辺のプラズマの圧力分布, 左側から太陽風が吹きつけ地球の磁力線が反対方向に伸びている
があります
2.FRDやOTTにおけるダウンシュート原因ですが「ジャイロ運動する電子が光子を吸収し、、、」についてそのような物理現象は現時点で確認できていません
あと一ヶ月探して見当たらないようでしたら原因を単なる「昼間、太陽風の電子をジャイロ・トラップして磁場強度が減少する」に切り替えます
今月はこれにて終了です
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
超お忙しい中でのコメント、ありがとう御座います、感謝です
>全体的にとても面白い記事でした。
あッ、ありがとう御座います
何しろ1月末ですので、全体的なまとめ(細かな10^-12的な数字でなく)を提示する必要があるな〜、と思っていたのです
でも、まだ疑問だらけなのですが、、、
しかし、この記事を「とても面白い」とは、、、さすが、凄いですね?
>リングカレントは、電子とは向きが逆、陽子と向きが同じ電流で、磁気嵐の時に強く出るんですね?
はい、電流は陽子の流れる方向を正としますから、負電荷である電子は逆に流れて同じ電流方向になります
磁気嵐の時に流れる、はよく書かれているのですが、平常時がハッキリしません
で、一応、平常時も流れている、と解釈しています
これ、平常時に流れていないと、図2の「ジャイロ運動しつつ東に向かう電子流」が単に「ジャイロ運動する電子雲」となってしまいます
それは、図1のY軸「粒子線束の密度」表現と矛盾するか?と思えるからです
>リングカレントは図3にある赤道上空の薄赤いレコードみたいなのがそうですか?
そうです、その薄赤レコード、です
リングカレントが内側に作る磁場は、地球磁場を弱める方向に働きます
という事は、リングカレント外側では地球磁場を強める方向に働きます、例えばGOES高度でそうなります
最初、GOESで昼間磁場強度が増大するのはリングカレント(の外側にあるのが)原因かと思いました
ですが、リングカレントは地球を周回しているので西経60°の昼間LT11時台にのみ強く流れる事はありません!(全体に流れているからです)➡ よって、この案は却下!
で、太陽風による磁力線空間の圧縮、に至りましたです
>時間がある時にクールー、オタワ(フレデリック)、GOESと並べて見比べて、、、
あッ、すみません、それ私の方でまとめなければならない事柄でした
現時点では:
クールー ➡ オゾン層における酸素原子の常磁性_磁気モーメントが原因でLT11時台に最大値を観測する
フレデリック・オタワ ➡ バンアレン内帯のジャイロ運動する電子流に、
1.太陽光の光子がジャイロ運動する電子に吸収されエネルギーが増し背景地球磁場が弱まる
2.単にLT11時台に太陽風電子が磁力線にトラップされジャイロ運動電子数が増えて背景地球磁場を弱める
のどちらかにより、LT11時台に最小値を観測する
GOES ➡ この高度では太陽風圧力によって磁力線空間が圧縮される、よってLT11時台に最大値を観測する
となります
来月末にはもう少し上手にまとめられたら、と考えております
来月もよろしくお願い致します
コメバック終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロードしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です
1月度その17 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 修正:フレデリックFRDの北方磁場_最小値を定量分析する!
フレデリックFRDにおける北方磁場_最小値(ダウンシュート・スパイク)定量分析を修正します
前回のFRD記事に比べ、磁力線方向長さx1m高さの長方形を導入した(修正した)モデルを採用しています
生じていた疑問は:
ΔE / E = VΔi / Vi = Δi / i = ΔB / B は正しいのか?でした
Eとして上記長方形を横切る全電子数のエネルギー(単位MeV)を用いており、Bとして則地における磁束密度を用いており、果してEとBは比例関係にあるのか?自信がありませんでした
ここでBの原因は地球磁気双極子が地球外部に作り出す磁力線に伴う磁束密度であり、Eは回転する地球磁気双極子が地球外部に作り出す電場に引かれて電子が移動し電流となった結果であり、両者は同じ地球磁気双極子を原因としており、かつ半径同じにある所から比例関係にあると言える、と判断致しました
疑問終わり
尚、宇宙の徒然を語るブロガー・マサキリオ(id:ballooon)同志がJAEAさんバンアレン帯グラフに私の説明文を入れて下さり、とても見やすくなっています(図5です)
同志はグラフや写真や絵の創作に長じておられ、プロの方なのか?と思っています
お付き合い頂ければ幸いです
1.観測点マップとフィレデリックFRDのBとΔB観測値
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:2020年1月2日から2022年12月31日の3年(365x3日)変動
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nT
ここで、FRDの磁束密度Bは 2022.12.31中央値を取り、
B = 21,280nT
とします
図3:G16(シアン)とFRD(オレンジ)、2023年1月5日〜7日の3日間波形
1月6日(2日目)のLT11.3時台よりダウンシュート値ΔBを、
ΔB = -50nT
とします(比例計算ではマイナスを外します)
従って、ΔB / B = 2.35x10^-3 となります
2.FRD磁力線を横切る全電子数を求める
図4:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
FRD磁力線は、オゾン層・F/F2電離層・バンアレン内帯陽子電子ベルトを通過します
ここで、バンアレン内帯の陽子ベルトは電子ベルトと被っています
上図4のバンアレン帯は概略で、より詳細には:
図5:日本原子力機構JAEAさん [電子、陽子(バンアレン帯)のエネルギー別線量分布] より
となります(色付き説明文はブログ側で挿入)
図5は私にとって以下の2点で衝撃的でした
・高度2,000km近辺では陽子ベルトと電子ベルトが完全に被っている、陽子は東から西、電子は西から東へ移動しており、完全にプラズマ状態である
よく正面衝突合体して水素にならないものだ、と思います
・バンアレン帯は内帯外帯を通じて電子リッチなベルトである事
私はバンアレン帯は電気的に中性なのだろう、と思っていました
さて、FRDに着地する磁力線パターンを調べます
図6:
FRD磁力線は、単位面積当り・単位時間当りの粒子数として、図5の高度2,000kmより少し下の1,500km近辺におけるエネルギーをEe=0.8MeVとみなした電子線束密度 4x10^10個/cm^2日をm^2secに換算した値を(エイヤ〜!っと)長さ750km高さ1mで続くとして、長方形 750kmx1m を横切る全電子数は秒当り:
750x10^3 x 4x10^10 x 10^4/24x60x60 = 3.4x10^15 個/sec ・・・(1)
となり、かなりラフに求めた結果ですが、これを使う事とします
図解しますと、
図7:
まず、測地(この場合はFRD)においては、磁束密度BとLT11.3時台の減衰量ΔBを測定しています
一方、この磁力線南北750km高さ1mの長方形を西から東へ横切る全電子数は、秒当りの個数で3.4x10^15個であり、この全電子の持つエネルギーが全エネルギーE(単位MeV)となり、全電子の流れが全電流 ie(単位A) となる、というモデルです
この際、東西方向1m幅の電位差(電圧の事です)を V としています
3.動作原理と定量分析
1.バンアレン帯で電子は、地球磁力線の周囲をジャイロ運動(円運動)しています
このジャイロ運動がジャイロ中心に作り出す磁場は、地球磁力線を弱める方向となります
ここに太陽光が差し込むと、電子は太陽光エネルギーを吸収し、等価的に電流値を増やし、地球磁力線をより弱める方向に作用します
陽子も同じ動作をしますが、図5より圧倒的に個数の多い電子のみに絞って定量分析します
2. [ジャイロ運動 | 天文学辞典] より:
荷電粒子が磁場に巻きつきながら移動する運動。強さ の一様磁場の場合、 この運動は磁場方向に自由に運動し、磁場と垂直な面ではcgsガウス単位系を用いると周波数 (SI単位系では)の円運動となる。
この周波数をジャイロ周波数といい、円運動の半径 をジャイロ半径という。 ここで は磁場と直交する速度成分。正の電荷を持つイオンは磁場方向から見て時計回り(右巻き)、電子は反時計回り(左巻き)に運動し、それによってつくられる電流は背景磁場を弱める方向となる。
なのですが、上記の難しい式は一切使わずに、比例配分で分析します
ジャイロ半径 r を流れる電子円電流 ic が中心に作る磁場 H は、H = ic / 2r であり、B = χH であるから、太陽光による磁束密度_変動分 ΔB と太陽光による円電流_変動分 Δi が作る変動分の比例関係式は:
ΔB / B = Δi / i
ΔB / B = 50 / 21280 = 2.35 x 10^-3 = Δi / i ・・・(2)
即ち、太陽光が長さ750km高さ1mの長方形に作用し電子を励起させた電流値変動比率は磁束密度変動比率と同じであり、 2.35 x 10^-3 である、となります
3.太陽光エネルギーですが [太陽光 - Wikipedia] より
図8:地球軌道上での太陽光(AM0)、および温帯の地上での平均的太陽光スペクトルの概形(AM1.5G)
太陽光として太陽から放出された光は、地球軌道付近で約1.37kW/m2(太陽定数)のエネルギーを持つ。光子の数にして1平方メートル・秒あたり6×1021個以上になる。
光子数は電子数に比べ十分なので、太陽定数1.37kW/m^2のどれくらいが1平方メートル・秒あたり吸収され電子が励起されるとすればツジツマが合うか、を調べます
太陽光吸収による変動エネルギーをΔEとし、全電子流による定常エネルギーをEとすれば、円電流にかかる電圧をVとし印加電圧は変動部分も定常部分も同じであるとし(2)式も用いて、
ΔE / E = VΔi / Vi = Δi / i = ΔB / B = 2.35x10^-3 ・・・(3)
まず図5より E を求めると、1eV = 1.602 x 10^-19 J だから(1)式を使い、この高度では平均電子エネルギーを0.8MeVとしていますから、
E = 3.4x10^15 x 0.8x10^6 x 1.602x10^-19 = 4.36x10^2 J
従って、ΔEを求めると:
ΔE = 1.02 J
一方、太陽定数が750kmに渡って及ぼすΔEを1.02とするにはどれくらい太陽光が吸収されればよいか係数Nで計算すると、1W = 1J/sec で:
ΔE = 1.37x10^3 x 750x10^3 x N = 1.02 J
から、N = 9.93 x 10^-10
これは750kmに渡る係数なので、1m当りの係数は 1.3x10^-15 となり、
太陽定数_平方メートル当り1.37kW/m^2の 1.3x10^-15 がジャイロ運動する電子に吸収されエネルギー変換されれば-50nTダウンシュートの説明が付く、となります
考察:
このモデルには二つの仮定が導入されています
1.仮定その1として、ジャイロ運動するバンアレン帯の電子は太陽光を連続的に吸収し運動エネルギーを高め、昼間に地球磁力線を瞬間的に弱める作用をする
➡ これに関しましては、これからゆっくり調べます
2.仮定その2として、太陽光による変動電流とバンアレン帯の定常電流にかかる1m当りの電圧Vは同じであり、比例式にて消去できる
結果として:
ΔE / E = VΔi / Vi = Δi / i = ΔB / B ・・・(3)より
が成り立つ、があります
➡ これは本当に正しいのか?ΔE / E = ΔB / B は成り立つのか?ですが、現時点では冒頭でも述べましたように、正しいと思われます
従って、磁力線方向(FRDでは750km、OTTでは1,000km)に渡ってΔEについてもEについても加算する必要があります
そして、モデル定量分析の結果と考察です
1m平方当りの太陽定数(エネルギー)吸収係数:FRD ➡ 1.3x10^-15
1m平方当りの太陽定数(エネルギー)吸収係数:OTT ➡ 1.9x10^-15
OTT吸収係数 / FRD吸収係数 = 1.46 とOTTの方が大であるのは、OTT磁力線の方がより高高度にあるから、と考えられます
両者の磁力線高度差は約850kmであり、より高高度のOTTが高エネルギー太陽光が多いので、より多く吸収し、FRD高度では高エネルギー太陽光が少なくなっているからです
従って、バンアレン帯は少なくとも深さ10,000kmは続いていますから(図5)OTT吸収係数が10,000km続いたとして計算した連続係数は 1.9x10^-8 程度になります
あとは、高エネルギー太陽光をX線に限定した時どれくらいの光子数が吸収されるのか、吸収光子数に着目した分析が有りますが、仮定1と関連させてこれからゆっくり調べます
加えて、このモデルでは磁束密度LT11時台のダウンシュート原因を太陽光としていますが、太陽風である可能性も残っています
尚、FRDに関する旧記事「1月度その15」は間違っていましたので、削除致します
コメントバック:
リオ同志(id:ballooon)!
超お忙しい中でのコメント、誠にありがとう御座います、感謝です
>磁力線南北、FRD750km、OTT1,000km
>それぞれの長さが違うのはなぜですか?
これですが、各々磁力線パターンの長さが違うからでOTT>FRDだからです
FRD図6では高さ2,150kmのパターンですが、対応するOTT図6では高さ3,035kmであり、OTTの方が長いのです
理由はOTTの方がFRDより高緯度に位置するからです
従って、FRDより約850km高高度にあるOTTの方がより強い太陽光を受ける、のでOTTの方がより多く太陽光を吸収する、という訳です
これは吸収する(ジャイロ運動を励起できる)太陽光はX線等の高エネルギー太陽光に限られているからでは?と考えています
以上でした
コメバック終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロードしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です
1月度その16 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ オタワOTTの北方磁場_最小値を定量分析する!
オタワOTTにおける北方磁場_最小値(ダウンシュート・スパイク)を定量分析します
フレデリックFRDで用いたモデルに、磁力線方向長さx1m高さの長方形を導入した(修正した)モデルを採用しています
要するに、直前のFRD記事は間違っていたという事ですが、まだ疑問が残る状態でして、FRD記事再アップはしばらく控えます
尚、宇宙の徒然を語るブロガー・マサキリオ(id:ballooon)同志がJAEAさんバンアレン帯グラフに私の説明文を入れて下さり、とても見やすくなっています(図5です)
同志はグラフや写真や絵の創作に長じておられ、プロの方なのか?と思っています
お付き合い頂ければ幸いです
1.観測点マップとオタワOTTのBとΔB観測値
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:2020年1月2日から2022年12月31日の3年(365x3日)変動
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で700nT
ここで、OTTの磁束密度Bは 2022.12.31中央値を取り、
B = 18,140nT
とします
図3:G16(シアン)とOTT(オレンジ)、2023年1月5日〜7日の3日間波形
1月6日(2日目)のLT11.5時台よりダウンシュート値ΔBを、
ΔB = -50nT
とします(比例計算ではマイナスを外します)
従って、ΔB / B = 2.76x10^-3 となります
2.OTT磁力線を横切る全電子数を求める
図4:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
OTT磁力線は、オゾン層・F/F2電離層・バンアレン内帯陽子電子ベルトを通過します
ここで、バンアレン内帯の陽子ベルトは電子ベルトと被っています
上図4のバンアレン帯は概略で、より詳細には:
図5:JAEAさん [電子、陽子(バンアレン帯)のエネルギー別線量分布] より
となります(色付き説明文はブログ側で挿入)
ここで、OTTに着地する磁力線パターンを調べます
図6:
OTT磁力線は、単位面積当り・単位時間当りの粒子数として、図5の高度3,000kmより少し下の2,000kmにおけるEe=0.5MeVの電子線束密度 1x10^11個/cm^2日をm^2secに換算した値を(エイヤ〜!っと)長さ1,000km高さ1mで続くとして、長方形 1000kmx1m を横切る全電子数は秒当り:
1000x10^3 x 1x10^11 x 10^4/24x60x60 = 1.16x10^16 個/sec ・・・(1)
となり、かなりラフに求めた結果ですが、これを使う事とします
図解しますと、
図7:
まず、測地(この場合はOTT)においては、磁束密度BとLT11.5時台の減衰量ΔBを測定しています
一方、この磁力線南北1,000km高さ1mの長方形を西から東へ横切る全電子数は、秒当りの個数で1.16x10^16個であり、この全電子の持つエネルギーが全エネルギーE(単位MeV)となり、全電子の流れが全電流 ie(単位A) となる、というモデルです
この際、東西方向1m幅の電位差(電圧の事です)を V としています
3.動作原理と定量分析
1.バンアレン帯で電子は、地球磁力線の周囲をジャイロ運動(円運動)しています
このジャイロ運動がジャイロ中心に作り出す磁場は、地球磁力線を弱める方向となります
ここに太陽光が差し込むと、電子は太陽光エネルギーを吸収し、等価的に電流値を増やし、地球磁力線をより弱める方向に作用します
陽子も同じ動作をしますが、図5より圧倒的に個数の多い電子のみに絞って定量分析します
2. [ジャイロ運動 | 天文学辞典] より:
荷電粒子が磁場に巻きつきながら移動する運動。強さ の一様磁場の場合、 この運動は磁場方向に自由に運動し、磁場と垂直な面ではcgsガウス単位系を用いると周波数 (SI単位系では)の円運動となる。
この周波数をジャイロ周波数といい、円運動の半径 をジャイロ半径という。 ここで は磁場と直交する速度成分。正の電荷を持つイオンは磁場方向から見て時計回り(右巻き)、電子は反時計回り(左巻き)に運動し、それによってつくられる電流は背景磁場を弱める方向となる。
なのですが、上記の難しい式は一切使わずに、比例配分で分析します
ジャイロ半径 r を流れる電子円電流 ic が中心に作る磁場 H は、H = ic / 2r であり、B = χH であるから、太陽光による磁束密度_変動分 ΔB と太陽光による円電流_変動分 Δi が作る変動分の比例関係式は:
ΔB / B = Δi / i
ΔB / B = 50 / 18140 = 2.76 x 10^-3 = Δi / i ・・・(2)
即ち、太陽光が長さ1000km高さ1mの長方形に作用し電子を励起させた電流値変動比率は磁束密度変動比率と同じであり、 2.76 x 10^-3 である、となります
3.太陽光エネルギーですが [太陽光 - Wikipedia] より
図8:地球軌道上での太陽光(AM0)、および温帯の地上での平均的太陽光スペクトルの概形(AM1.5G)
太陽光として太陽から放出された光は、地球軌道付近で約1.37kW/m2(太陽定数)のエネルギーを持つ。光子の数にして1平方メートル・秒あたり6×1021個以上になる。
光子数は電子数に比べ十分なので、太陽定数エネルギーのどれくらいが1平方メートル・秒あたり吸収され電子が励起されるとすればツジツマが合うか、を調べます
太陽光吸収による変動エネルギーをΔEとし、全電子流による定常エネルギーをEとすれば、円電流にかかる電圧をVとし印加電圧は変動部分も定常部分も同じであるとし(2)式も用いて、
ΔE / E = VΔi / Vi = Δi / i = ΔB / B = 2.76x10^-3 ・・・(3)
まず図5より E を求めると、1eV = 1.602 x 10^-19 J だから(1)式を使い、
E = 1.16x10^16 x 0.5x10^6 x 1.602x10^-19 = 9.3x10^2 J
従って、ΔEを求めると:
ΔE = 2.57 J
一方、太陽定数が1000kmに渡って及ぼすΔEを2.57とするにはどれくらい太陽光が吸収されればよいか係数Nで計算すると、1W = 1J/sec で:
ΔE = 1.37x10^3 x 1000x10^3 x N = 2.57 J
から、N = 1.9 x 10^-9
これは1,000kmに渡る係数なので、1m当りの係数は1.9x10^-15となり、
太陽定数_平方メートル当り1.37kW/secの 1.9x10^-15 がジャイロ運動する電子に吸収されエネルギー変換されれば-50nTダウンシュートの説明が付く、となります
考察:
このモデルには二つの仮定が導入されています
1.仮定その1として、ジャイロ運動するバンアレン帯の電子は太陽光を連続的に吸収し運動エネルギーを高め、昼間に地球磁力線を瞬間的に弱める作用をする
2.仮定その2として、太陽光による変動電流とバンアレン帯の定常電流にかかる1m当りの電圧Vは同じであり、比例式にて消去できる
結果として:
ΔE / E = VΔi / Vi = Δi / i = ΔB / B = 2.76x10^-3 ・・・(3)
が成り立つ、があります
このモデルが正しいかどうかは、フレデリックFRDの吸収率Nが 1.9x10^-15 近辺となるか、比べてみる必要があります
あと値はこんなに小さいのか、も少しあります・・・
ですがまず、(3)式は本当に正しいのか?ΔE / E = ΔB / B は成り立つのか?について、もう少し自信を付けてからFRD記事再アップと致します
しばらく考えてみます
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>む、難しい~ですね(^^;)?
まぁ、簡単ではないです
>図5のご利用、、、何より私が助かります♪
??は??
そ〜でしたか、こちらこそ助かっているのですが、、、
ここはWinWinという事で
>図7が素晴らしいですねー!
褒められたぁ!うッ、うッ、うッ、うれしいっす!
>ヴァンアレン帯は電子西→東、陽子東→西で、地磁気?は南→北なんでしたね?それが弱くなるんですね?
そうです、地磁気ですが、LT11時台に約1/1000程度(0.1%程度)、急速に弱まり急速に回復します(中緯度高部の特徴です)
それに対し、電子流ジャイロ運動はLT11時台に約1/1000程度強まって、これが地磁気を約1/1000程度弱めている、というモデルです
ここで、長さ1000kmに渡って(全体加算で)電子流ジャイロ運動が地磁気を1/1000弱めているので、1m当りにすると10^-6を掛けなければならない
これが、太陽定数エネルギーを1m平方当り1.9x10^-15吸収、という小さな数字にしています
このように小さな値となるのは、1m^3の立方体にもとずいて表現しているからです
実際にはバンアレン帯の深さは100,000kmは充分ありますので(図5)、
1.9x10^-15 x 10^8 = 1.9x10^-7 程度は、深さ100,000kmの1平方m当りで吸収される、LT11時台に、となります
それでもかなり小さな数字です、もう少し考えます
>でも南北に1000㎞、高さ1mってありますが、南北が高さになるんじゃないんですか?
違います、南北に1000km延びている磁力線の事を述べていますからそれが長さで、その高さとは地球半径方向になります
>少しづつ理解していきたい
よろしくお願い致します!
以上でした
コメバック終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロードしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です
1月度その14 オゾン全量シリーズ➡オゾン全量と北方磁場の季節性振動を追う@西経60°OTT/FRD/KOU付近!
オゾン全量シリーズはオゾン全量に季節性振動が見られる所から、OTT/FRD/KOU付近(西経60°付近)におけるオゾン全量と北方磁場強度の季節性振動を追う事に致しました
OTT ➡ 北緯45.4°、西経75.6°
FRD ➡ 北緯38.2°、西経77.4°
KOU ➡ 北緯5.2°、 西経52.7°
であり、西経60°を基準線に選んだ次第です
お付き合い頂ければ幸いです
[気象庁 | 月平均オゾン全量の世界分布図]から目視によりデータを拾っています
オゾン全量は2ヶ月前の値が公開ですので、最終月は2ヶ月前と同じ値を使っています
今月から北緯45°を加えました、OTTとFRD対応です
図1:西経60°にて北緯45°,北緯30°,赤道0°,南緯30°のオゾン全量
N45°>N30°>S30°>E0°となっています
N45°のピークは冬〜春にかけて、年1回振動、
N30°のピークは春、年1回振動、
S30°のピークは夏〜秋にかけて、年1回振動、
E0°は年2回振動、
しているように見えます
図1の赤道0°におけるオゾン全量変化とKOUにおける磁場強度(最大値-最小値)の相関を調べます(図2の赤道0°オゾン全量は図1より精度を上げています)
図2:
27ヶ月目28ヶ月目を除いて明らかに相似形(同相の)動きをしています
図1の北緯30°におけるオゾン全量変化とFRDにおける磁場強度(最大値-最小値)の相関を調べます
図3:
これは、相関があるとは見えない、です
図1の北緯45°におけるオゾン全量変化とOTTにおける磁場強度(最大値-最小値)の相関を調べます
図4:
これは少し相関が見えます、相関という観点からは、
KOU>OTT>>FRD
でしょう
まとめ:
1.オゾン全量は最大値構成に作用するので、磁場強度の最大値ー最小値ではなく、最大値のみで相関を見てみる必要がありそうです
来月やってみます
2.しかし、図1のオゾン全量が:
北緯45°>北緯30°>南緯30°>赤道0°
となる原因は考えなければなりません
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
お仕事お忙しい中でのコメント、誠にありがとう御座います、感謝です
>北緯45°は冬-春ピークなんですかΣ(゜゜;)
ですね〜、驚きです
何故でしょう?
>でも図4は、パッと見た感じかなり似ていますね?
はい、OTTですね
>年2回の振動だとすると、赤道オゾンの方が27、28か月目に増えなかった?とも見れますね
難しい所です、何とも、です
図2の赤道0°におけるオゾン全量は北緯45°や30°に比べ精度を上げてありますので、
北緯45°と30°も精度を上げませんと、と考えております
来月のアップに間に合うか、といった所です
以上でした
コメバック終わり
以上、お付き合い頂きありがとう御座いました
感謝です
1月度その13 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 追加修正:柿岡KAKの地磁気変動3年間を調べ、GOES-18Wとの波形3日間を比較する!
世界各観測点における北方磁場強度測定の追加修正です
図3−2を追加しました
柿岡KAKの3年間磁場強度変動と24h統計グラフと3日間波形解析を行います
お付き合い頂ければ幸いです
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
G17WがG18Wに置き換わっています!
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
陽子ベルト・電子ベルトの幅500kmは私の推測で変更の可能性があります
2.柿岡KAK3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフ
図3−1:2020年1月2日から2022年12月31日の3年(365x3日)
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で700nT
中緯度KAKでは、少し季節変動が出ます
図3−2:磁場強度最大最小と黒点数最大最小の相関
表示は月単位に伸ばしてあります
図3−1に表示された有効日データのみを使い、
図4:24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフ
凡例にあります「● ピーク数=1+2」は:
第1ピークはマジェンタで1ヶ所、第2ピークはシアンでピークは2ヶ所(合計でピーク数は3)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
3.柿岡KAKとG18Wの波形3日間とFFT結果です
図5:柿岡KAKがオレンジ、G18Wはシアン
同相とも逆相とも言い難い、G18Wには3日間全体の乱れがあります
図6:上図の波形よりG18WパワーFFTスペクトル
G18Wでは、24h>72h>>12h=8hです(G16Eと同じになりました)
72h成分が強く出るのは、3日間全体の乱れがある時です
図7:柿岡KAKのパワーFFTスペクトル
何と、72h>12h>24h>8hとなりました(これはKAK独特パターンです)
G18Wで見られた3日間全体の乱れである72h成分は、中緯度KAKで最も強く現れました
12hと8h成分が24h成分より強いのは、強力な潮汐振動がある事を示しています
まとめ:
1.オゾン層に続き、電離圏とバンアレン内帯陽子ベルト・電子ベルトによる影響の解析を行います
電離圏 ➡ KAK
電離圏・陽子ベルト ➡ FRD
電離圏・陽子と電子ベルト ➡ OTT
と考えています
2.オゾン層は無視できるだろうと考えており、季節振動の解析でオゾン層を再び考慮する予定です
また各観測点における72h成分の強弱、12hと8hの証跡振動、に関する考察も必要でしょう
忙しくなって(面白くなって)来ました
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロードしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です
1月度その12 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 追加修正:クールーKOUの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界各観測点における北方磁場強度測定の追加修正です
図3−2を追加しました
クールーKOUの3年間磁場強度変動と24h統計グラフと3日間波形解析を行います
お付き合い頂ければ幸いです
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
G17WがG18Wに置き換わっています!
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
陽子ベルト・電子ベルトの幅500kmは私の推測で変更の可能性があります
2.クールーKOU3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフ
図3−1:2020年1月2日から2022年12月31日の3年(365x3日)
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で700nT
低緯度KOUでは、季節変動は弱まっています
図3−2:磁場強度最大最小と黒点数最大最小の相関
表示は月単位に伸ばしてあります
図3−1に表示された有効日データのみを使い、
図4:24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフ
凡例にあります「● ピーク数=1+1」は:
第1ピークはマジェンタでピークは1ヶ所、第2ピークのシアンでこれも1ヶ所(合計でピーク数は2)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
3.クールーKOUとG16Eの波形3日間とFFT結果です
図5:クールーKOUがオレンジ、G16Eはシアン
同相です、但しG16Eには3日間全体の乱れがあるようです
図6:上図の波形よりG16EパワーFFTスペクトル
G16Eでは磁気嵐の影響が出ず、24h>72h>12h=8hです
72h成分が強く出るのは、3日間全体の乱れがある時です
図7:クールーKOUのパワーFFTスペクトル
24h>72h>12h>8hとなりました
G16Eで見られた3日間全体の乱れである72h成分は、低緯度KOUで強く現れます
要するに、G16EとKOUの波形は似ているのです!
G16E(高度35,786km)とKOU磁力線(高度29.5km)が似ている、というのは非常に面白い所です
まとめ:
1.KOUの磁場強度がLT10.5時に最大を観測するのは、オゾン層で酸素分子O2が酸素原子Oに分解された結果、常磁性がO2よりも強いOにより磁場強度が強められるからである
但し、磁力線方向に整列したOは周囲のO2にも影響を与え、O2の整列を導き、これもLT105時台の磁場強度を強める作用をしている
これが低緯度KOUの結論です
2.続いて、電離圏とバンアレン内帯陽子ベルト・電子ベルトによる影響の解析に進みます
電離圏 ➡ KAK
電離圏・陽子ベルト ➡ FRD
電離圏・陽子と電子ベルト ➡ OTT
と考えています
オゾン層は無視できるだろうと考えており、季節振動の解析でオゾン層を再び考慮する予定です
3.KAKの観測に移ります
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
お忙しい中、続けてのコメントありがとう御座います、感謝です
>カクカクグラフΣ(゜ロ゜;)すっかり忘れていました・・
全く、です
私は、あれ???カクカクグラフを入れるハズなのだけど入れてないな〜、
と思っておりましたです
何しろ今いれておきませんと来月また忘れますので、、、
>仕事に集中しているせいだ、
はい、そうに決まっています
>12月はピンクとシアンの幅が狭まったんですね!やはりそろそろ黒点数が減るのでしょうか?
あ?気が付きませんでした
まぁ黒点数は一旦下る、と思っていますが、、、
>黒点数は、どこか違うデータを引用してるんでしたね?
はい、SWPCというNOAAの別組織のデータを使っています
NOAAは月単位のみ黒点数が表示されているのですが、
SWPCは日単位で表示されており、そこの最大値と最小値を拾って来ています
私が驚いたのは、黒点数とは常に日単位で最小値10前後である事です
サイクル25が始まった時ですら、約10なのです
従って黒点数の変化とは最大値の変化である、という事になります
以上でした
コメバック終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロードしています
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以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
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