なぜ地球磁極は逆転するのか?

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3月度その24:地球磁極の不思議シリーズ➡南大西洋磁気異常のメカニズムを追う!

地球磁極の不思議シリーズ➡南大西洋磁気異常のメカニズムを追う!

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難し過ぎるからです

 

現在は、各サイトさんから地球磁極に関する記事を紹介させて頂き、まだまだ知見を増やすステージである、との認識でおります

しかし、地磁気逆転のアルゴリズムの記事「3月度その23:地球磁極の不思議シリーズ➡地球磁極の逆転アルゴリズム! - なぜ地球磁極は逆転するのか?」に関連し南大西洋の磁気異常に関して考察しましたので、ご報告です

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

地球表面の磁場強度マップ2020年ESA):

地表の磁場強度分布図、青が弱く赤が強い

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2020年の磁北極と磁南極位置をNOAAより緑丸で追加

 

当ブログの磁極逆転モデルを示せば:

1.地球は巨大な1ビット・メモリーであり、内核の鉄単結晶が南北どちらかの極性をロックし双極子磁場(棒磁石)として記憶している

2.この1ビット・メモリー書き換え可能、書き換えは外核液体鉄が上層部では鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態となり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した場合に書き換わる

従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可能で、カオスとしてよい

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3.課題は内核の固体化は約15億年前とされており、約35億年前の地磁気痕跡が見つかっている事から、液体コアのみによる双極子磁場モデルが求められる

 

 

 

 

まず、先日の地球磁極の逆転アルゴリズムから!

コア外核の赤道部分では、磁力線は外核の乱流領域とマントルの間で小さくループさせ閉じているの図

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乱流プラズマ領域では、乱流が原因で磁力線ループの内側にインナーループが偶然に形成される場合があるの図

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乱流領域は鉄Feイオンと電子の乱流プラズマ状態であって、このインナーループが、やがて磁気リコネクションを引き起こす

 

磁気リコネクションを起こすと、インナーとアウターのループで競合を起こし、コアに近いインナーの方が磁場が強いので打ち勝ち、結果としてインナーループが生き残るの図

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形成された逆転磁力線ループは対流領域に乗って極へ向かう、この例では南に向かうとした図

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コア外核下層の対流領域による逆転磁力線ループの運搬!

南大西洋磁気異常7年間の推移:

ESAの動画 [ESA - Development of the South Atlantic Anomaly] より年単位で南大西洋磁気異常の動きをスナップショットで追うと:

2014年

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磁場強度が異常に低い中心は南緯約25度である、これは南回帰線の23.5度より少し南方である

 

2015年

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2016年

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2017年

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2018年

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2019年

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2020年

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少しづつ磁場強度が減衰し、アフリカ南部でも極小値ピークが出現した事が分かる

 

ここで [大気循環 - Wikipedia] より、大気の循環は南北対称で、赤道からハドレー循環・中緯度循環・極地循環となるの図

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By Kaidor

コリオリの力で、南半球では進行方向左側に力を受ける事が分かる

これはコア外核の対流層でも同様と考えられ、

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南下する逆方向磁力線ループは、左側(ここでは東側)に移動する事になる

従って、

2020年

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南米中方の南緯25度付近が逆磁力線ループが形成されるベースとなっており、そこからコア外核の対流層により南へ運ばれる際にコリオリの力で進行方向左側(ここでは東側)にシフトしてゆくのである

 

まとめ:

1.何故、こんな事が可能か?と言うと、コア外核の乱流プラズマ領域では磁力線が凍結されているからである、加えて、コア外核の対流領域では極方向へ運搬する対流が生じているからである

2.当初「赤道付近で逆磁力線ループが生成される」としたが、この南大西洋のケースでは南緯25度付近である、南緯25度は南回帰線より南側であり、中緯度で逆磁力線ループは生成されやすい、という可能性はある

3.南米中央の南緯25度に逆磁力線ループの発生源があり、それが対流に乗って南下しアフリカ南部にまで繋がる地磁気強度が異常に弱い領域を形成している、と指摘するものである

4.しかし [南大西洋異常帯 - Wikipedia] によれば、これはヴァン・アレン帯が異常に高度を下げているからである、としている

通常、内部ヴァン・アレン帯の最低高度は約1,000km以上であるが、南大西洋においては高度300から400km程度にまで下がっている。この影響で、地球の磁場がブラジル上空で最も弱くなり、内部ヴァン・アレン帯がここで落ち込んで地球に最も接近する。 これは、1958年にアイオワ大学の物理学者ヴァン・アレンの研究によって発見された。

ヴァン・アレン帯が地球と同期を取って(一緒に)回転しているのであれば、その通りであろう、しかし同期していないのであれば、ヴァン・アレン帯が原因で地磁気強度の低下が地表に出現するのであれば、南半球に帯状に地磁気異常低下ベルトが出現するのではなかろうか?と思われる

 

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です