2月度その4 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フレデリックFRDの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較!➡追記あり!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フレデリックFRDの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較!➡追記あり!
追記:2022/2/8 08:30
宇宙の徒然を語る「まさき りお(id:ballooon)」さんから、世界まとめマップの配置図が欲しい、との事で追加しました
図の番号がひとつ増えています
追記終わり
世界各地の北方磁場強度の観測です、今回はフレデリックFRDです
2月に入って何点か修正しています
1.磁力線高度を磁気赤道上空に修正(従来は地軸赤道上空)
➡ これによって磁力線高度の精度が向上しました
2.3年間の最大値・最小値観測では最大値と最小値の中間点を求め、最小二乗法による直線近似解を求める
➡ これによって傾斜角が算出でき、最終的には世界まとめマップに反映します
3.上記3の修正に伴い、Y軸500nT内に入る3年間1095日の有効日数を求める
➡ これによって有効日数/24のカウント平均を24hカウント・グラフ上に明示しました
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
図b: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空を示す)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界磁気マップとフレデリックFRDに着地する磁気赤道上空_磁力線高度
まず、世界まとめマップから全体の位置関係です
図1:世界まとめマップ
磁気双極子_北極2021と南極2021が地球棒磁石の両極です
図1は東経180°をセンターにしてあり、次の図2は経度0°がセンターですので、ご注意下さい
ここで世界の磁気分布は棒磁石である磁気双極子にて近似表現され、磁気双極子にもとずく北緯と南緯というものがあって(磁気双極子の北極が北緯90°となる)その世界マップはNOAAさん [World Magnetic Model - Maps of Magnetic Elements] より
図2:
に示されています(青線赤線メッシュが磁気マップの緯度&経度メッシュです)
磁気マップでは、図2の縦緑ラインを経度0°とし、左が西経で右が東経です
重要なのは横にうねる緑ラインで、これが磁気赤道です
以下は、磁気赤道上におけるフレデリックFRDの磁力線高度を示します
京都大学さん地軸座標と磁気座標の変換サイト [Transformation of Coordinate]より、
フレデリックFRDの地軸座標より ➡ 対応する磁気座標を求め、
➡ 磁気赤道上空の磁力線高度を求めた結果、です
図3:
フレデリックFRD磁力線は電離圏を通過し、バンアレン内帯と相互作用しています
ここで重要なのは2,150kmという高度です(地軸赤道計算では1,307kmでした)
2.フレデリックFRD3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフです
観測期間は、2019年2月2日から2022年1月31日の3年(365x3日)です
図4:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
北方磁場Xは増加ですが、オタワOTTほどではありません(オタワの傾斜角は8.52°)
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図5:
1日の磁場を観測すれば必ず最大値と最小値が得られ、両者が図4グラフ内に収まる有効日数が941日ですから、それを24で割ればカウント平均が出ます
最大値なり最小値なりを観測する時刻の原因が何であれ、平均に来て当たり前であって、それ以上か以下かになるには原因があります
その原因を追っていこう、とするものです
Peak値と観測時刻の他、LT00時とLT12時をグラフ上に明示しています
ここでLT00時とLT12時ですが、フレデリックの最大ピーク観測時はLT10.8時なので、これを4捨5入しLT11時とし、LT00時とLT12時をプロットしています
3.フレデリックFRDとGOES16Eの波形3日間とFFT結果です
フレデリックFRDがオレンジ、G16Eがシアンです、これでも比較的平穏時3日の波形です
図6:2月1日00時00分〜3日23時59分(UT)両観測点の波形
波形はバイアスを除いて変化分のみです
フレデリックFRDとG16Eの経度差はわずか2.4°(時差9.6分)であり、G16Eの方が東にありますので、LT12G16ラインが左側・LT12FRDラインが右側に来ます
フレデリックFRDはLT10.8時台に最小値ピークを迎えていますので、0.5を加えたLT11.3FRD黒縦ラインを入れてあります
図6のG16EのパワーFFTスペクトルは、
[2月度その3 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ オタワOTTの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較!➡追記あり! - なぜ地球磁極は逆転するのか?]
にあり、大半のエネルギーがIdx4周期24h成分に集中しています
一方、図6の波形よりフレデリックFRDのパワーFFTスペクトルを取ると、
図7:
であって、やはりIdx4周期24h成分が最大ですが、idx7周期12h成分も出ています
まとめ:
1.考察の対象を図5のカウントグラフに絞っています
カウント平均を出していますので、顕著にそれ以上なりそれ以下となる原因を追っていきます
2.3日間の波形グラフとFFT結果は、参考程度となります(でも、やはり波形は面白く興味がありますので)
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission]、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center]、
からダウンロードしています
ここに深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!