3月度その20 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ foF2値を表示する元データのイオノグラムを調べる!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ foF2値を表示する元データのイオノグラムを調べる!
世界各地の北方磁場強度の世界まとめマップに入る前に、foF2値を測定算出する元データのイオノグラムについて調べましたので、ご報告です
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより:
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
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NICTさん [電離圏観測の方法] より
そもそもイオノゾンデとイオノグラムとは何ぞや?というと:
図1:上がイオノゾンデで、下がイオノグラム
地上からパルス電波を発信させ、電離圏の電子密度大である所からの反射波を観測するものです
電子密度が大である所ほど、高い周波数の反射がある為、電子濃度と反射波の遅延から高度が判明する、という代物です
では、具体的にイオノグラム波形を見てみますとNICTさん [All sites latest ionogram] より日本では15分毎に更新されていて、
夜間で:
図2:3月22日00時50分のイオノグラム、稚内,国分寺,山川(鹿児島),沖縄
であり、
昼間で:
図3:3月22日13時35分のイオノグラム、稚内,国分寺,山川(鹿児島),沖縄
となります
見て湧きます疑問は:
1.高度300km付近、600km付近、800km付近に反射波が見えるが、300km付近がF層であれば、上は順にG層、H層とでも言うのか?
2.夜間でも消えない[電離層 - Wikipedia]という高度100km付近にあるE層はどうした?昼間にしか見えないではないか?
そこで、イオノグラムの見方ですが、かなりソフト処理をしており、調べてみるとNICTさん宇宙天気予報特集
[https://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/kihou-vol55no1.2.3.4/040101.pdf]
2009年より
図4:イオノグラムの処理手順
左上から順次処理してゆき左下がゴールであり、右下(何もない図)は論理処理をして有り得ないゴーストを出す図で、ここでは有り得ない描画はない事を示しています
要するに左上が図2と図3で、左下が結果であり、E層とF層が見える、という事であって、図3のG層やH層はゴーストでした、という事です
ゴールの図が得られたとしても、その見方は、
図5:イオノグラムの見方
と、かなり複雑です
図3の沖縄を見れば、図5のfoF1/fxF1とfoF2/fxF2が分かります
この "x" とは、
周波数を示すパラメータにはそれぞれO (正常波成分)とX (異常波成分)があり ますが、イオノグラムに常に両方が現れるわけではないので注意が必要です。O成分とX成分は常に国分寺、 沖縄で0.6MHz、稚内で0.7MHz離れていることがわかっています。(この値は電子ジャ イロ周波数の1/2)
という事です
まとめ:
1.北方磁場強度シリーズでは、foF2値マップを挙げていますが、その元データであるイオノグラムの見方はかなり複雑であり、あまり深くは立ち入らない方が良さそうだ(深くは立ち入れないだろう)
、という結論です
2.またE層は夜間には消える事もある、という事だと思います、夜間でも消えないのはF層でしょう
3.図1の下図でいう「点線は地球磁場による複屈折効果」とは、図5の下にある説明で言う「X成分」である(電子ジャイロ効果による)として良いでしょう
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!