なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その18 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ グアムGUAの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ グアムGUAの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回は北半球低緯度に戻りグアムGUAです

グアムGUAは2021年12月から異常値99999.0が続いておりまして、3年間のカウント統計グラフは取れるのですが、3日間の波形解析が出来ない月が続いてります

そこで苦肉の策として、2020年4月2日〜4日の3日間波形にて解析しました、これはあくまでも参考グラフとなります(本来は2022年4月2日〜4日の解析です)

グアムGUAは、磁力線高度が24.3kmと極めて低く、磁力線パスは対流圏と成層圏下部で閉じている特徴がある観測点です

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

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高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.グアムGUA3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

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Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

異常値99999.0が多く、2021年12月以降はまともなデータがありません

2020年4月であれば正常なデータがありますので、3日間の波形解析は特殊事情として2020年4月2日〜3日で取っております

それでも有効日は694日(約2年弱)ありますので、参考とは言え有効な解析が出来ると思っております

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

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凡例にあります「 ピーク数=1+1」は:

第1ピークはマジェンダでマジェンダピークは1ヶ所のみ、第2ピークのシアンも1ヶ所のみ、を意味しています(合計でピーク数は2)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

GUAでは、マジェンダがゼロになる時間帯はかなりあり、シアンがゼロになる時間帯も2時間連続してあります

マジェンダとシアンが明確に分離される(オーバラップが少ない)は低緯度の特徴です

 

 

図5:グアムGUA第1ピーク観測時間LT10.7台の中央値LT11.2時に相当するUT1.5時(4月14日)のfoF2値マップ

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図6:グアムGUA第2ピーク観測時間LT18.7台の中央値LT19.2時に相当するUT9.5時(4月14日)のfoF2値マップ

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ゼロ観測はマジェンダとシアン数多くありますが、マジェンダの1ヶ所を選び、

図7:グアムGUAのマジェンダゼロ観測時LT2.7台の中央値LT3.2時に相当するUT17.5時(4月13日)のfoF2値マップ

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3.グアムGUAの2020年の波形3日間とFFT結果です(参考)

グアムGUAがオレンジ、G17Wは示していません

図8:2020年4月2日00時00分〜4日23時59分(UT)GUAの波形

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見事にGUAのLT11.2時に最大値を観測しています、これだけ綺麗な24h振動であれば24h成分が強く出るだろう、と思いますが、それほどでもありませんでした

 

図8の波形よりグアムGUAのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

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もっと24h成分が強く出るかと思っていましたが、12h成分もかなりあります

尚、このデータは参考ですので世界まとめマップには使用されません

 

 

中間のまとめ:

1.グアムGUAは思ったほど24h成分が強く出ませんでした

強く出るのはクールーKOUであり、これは最大値マジェンダは磁力線高度より太陽光圧が強いほど、即ち地軸赤道に近いほど、最大値が集中する事を示しています

2.従って、低緯度では地軸赤道に近いほど最大値は集中し、昼間と夜間の区別が明確となり、24振動成分が強く出る、と結論されます

3.ですので、低緯度で電離圏F2層は関与してない、と思っております

foF2値マップがどこで役立つのか?は慎重に検討を進めます

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!