なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その19 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 柿岡KAKの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 柿岡KAK地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回は柿岡KAKです

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

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高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.柿岡KAK3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

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Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

KAKは相変わらず成績優秀で、3年間1095日の全データが揃います

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

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凡例にあります「ピーク数=1+2」は:

第1ピークはシアンでシアンピークは1ヶ所のみ、第2ピークのマジェンダには2ヶ所ピークがある、を意味しています(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

ピーク数=1+2」は中緯度の特徴です

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

KAKでは、ゼロヶ所は1ヶ所のみで、LT6.3時台にシアンゼロを付けています

現在分からないのは、中緯度においてマジェンダがダブルピークを付ける原因なのです、マジェンダですから最大値観測であって何故これが中緯度で12h振動するのか?が分からないのです(低緯度でマジェンダは24h振動)

 

図5:柿岡KAK第1ピークシアン観測時間LT10.3時台の中央値LT10.8時に相当するUT1.5時(4月15日)のfoF2値マップ

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図6:柿岡KAK第2ピークマジェンダ観測時間LT14.3時台の中央値LT14.8時に相当するUT5.5時(4月15日)のfoF2値マップ

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図7:柿岡KAKのシアンゼロ観測時LT6.3時台の中央値LT6.8時に相当するUT21.5時(4月14日)のfoF2値マップ

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3.G17Wと柿岡KAKの波形3日間とFFT結果です

柿岡KAKがオレンジ、G17Wはシアンです

図8

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縦線LT10.8KAKを見て頂ければ見事に最小値を付けています

シアン縦線LT12G17を右に移動させてオレンジ縦線LT12KAKと重ねて見て頂ければ、逆相である事が分かります

 

図8の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

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GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます

 

図8より柿岡KAKのパワーFFTスペクトルを取ると、

図10:

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12h成分はそれほど強くなく24h成分がトップに来ています

24h成分が強いという事は低緯度の特徴なのですが、KAKは低緯度の特徴を引きずっている、と考える事が出来ます(この辺りがビクトリアVICと異なります)

KAKの地軸緯度は北緯36.2°ですが、磁気緯度は北緯28.0°で磁気赤道から見れば低緯度に属し、磁力線高度は700kmでサンファンSJGの磁気緯度北緯27.1°・磁力線高度616kmに近いのです

KAKの磁力線高度700kmは高度300kmにピークを持つ電離圏F2層の影響を強く受けていると考えられますが、foF2値マップ図5−7とカウント統計グラフ図4の関係をどう読み取ればよいのかが分からない状態です

ご参考までに柿岡KAKの地軸・磁気緯度と磁力線高度を示します

図11:

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中間のまとめ:

1.中緯度の特徴であるピーク数「ピーク数=1+2」におけるマジェンダのダブルピーク原因を解明する事が最も重要である、と考えています

2.電離圏F2層がどのように関与しているのか?は現在分かりませんが、これも解明する必要があります

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!