なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その17 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNBの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNBの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回はキャンベラCNBで唯一の南半球観測点です

CNBは南緯35.2°、磁力線高度は1,600kmですので、高度300km程度かつ磁気赤道南北_昼間に高濃度で出現する電子密度を示すfoF2値マップを提示します

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

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高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.キャンベラCNB3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

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Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

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凡例にあります「ピーク数=1+2」は:

第1ピークはシアンでシアンピークは1ヶ所のみ、第2ピークはマジェンダでマジェンダピークは他にもう1ヶ所ある、を意味しています(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

CNBでは、マジェンダがゼロになる時間帯はないのですが、シアンがゼロになる時間帯が1ヶ所あります

中緯度の特徴として、シアンとマジェンダが重なる、があります

CNBの場合も、マジェンダ第2ピークをLT8時台に観測して僅か3時間後にシアン第1ピークを観測しています

 

 

図5:キャンベラCNB第1ピーク観測時間LT11.0台の中央値LT11.5時に相当するUT1.5時(4月14日)のfoF2値マップ

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図6:キャンベラCNB第2ピーク観測時間LT8.0台の中央値LT8.5時に相当するUT22.5時(4月14日)のfoF2値マップ

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ゼロ観測はシアン1ヶ所で、

図7:キャンベルCNBのシアンゼロ観測時LT4.0台の中央値LT4.5時に相当するUT18.5時(4月14日)のfoF2値マップ

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3.キャンベラCNBとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です

キャンベラCNBがオレンジ、G17Wがシアンです、平穏時3日間の波形です

図8:4月2日00時00分〜4日23時59分(UT)両観測点の波形

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同相に見えますが、時差があるのでオレンジ縦ラインを左にシフトしてシアン縦ラインと重ねて見て頂ければ綺麗な逆相である事が分かります ➡ この結果、この3日間のCNBのスペクトルでは24h成分が極めて強く出ます

 

 

図8の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

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G16EでもG17Wでも、ほとんどのエネルギーが周期24hに集中します

 

一方、図8の波形よりキャンベラCNBのパワーFFTスペクトルを取ると、

図10−1:

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24h成分が極めて強く出ました

 

図10−2:先月2月28日〜3月2日の結果を提示すれば、

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やはり24h成分が最も強いのですが、12h成分もそれなりに存在しています

中緯度では12h成分が最も強いのですが、CNBは例外で24h成分が最も強く、それは低緯度の特徴を兼ね備えている、と言えます

 

 

中間のまとめ:

1.キャンベラCNBは第1ピークがシアンでピーク数=1+2と、中緯度の特徴を示していますが、4月度3日間波形は綺麗な逆相を示しスペクトルは24h成分が最も強いという低緯度の特徴を示します(但し、低緯度ではGOES波形と低緯度波形は同相となります、逆相ではなく)

2.スペクトルは3日間の測定結果であり、1ヶ月毎の1年間観測でも24h成分が最も強く出るのか?12h成分はその程度混在するのか、を知りたい所です

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!