6月度その9 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ツーソンTUCの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ツーソンTUCの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定、続いてツーソンTUCです、ここから波形比較対象はGOES-17Wとなります
TUC北緯32.2°は中緯度ですが低緯度に隣接し過渡的な動きをします、ベイセントBSL北緯30.4°と似た動きです
foF2値マップは磁力線高度2,000km以下かつ高度100km以上の地点についてのみ示します、TUC1,380kmは該当します
オゾン層マップは、月平均のマップが見つかりましたのでアップしています
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
Wikiには「内帯には数百keVの電子と100MeV以上の陽子が存在」とあります
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
陽子ベルト・電子ベルトの幅500kmは私の推測で変更の可能性大です
2.ツーソンTUC3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年6月2日から2022年5月31日の3年(365x3日)です
図3
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=2+3」は:
第1ピークはシアンで他にも1ヶ所ある、第2ピークはマジェンダでこれは他に2ヶ所のみ(合計でピーク数は5)⬅ 先月は2+2でした、ここ1ヶ月でマジェンダが不安定に変化しています
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
図4を見るとマジェンダピークとなる動作をシアンが食って、シアンピークの両側にマジェンダピークが2ヶ所残っています、そしてマジェンダLT15.6が再び出現しています
シアンはゼロ時間帯が3時間(LT3.6〜5.6時台)と連続しています、これは電離圏F2層が完全に消え去った夜明け前で、さぁこれから膨張するぞ状態です
さてマジェンダ12h振動ですが、シアンピーク右側のLT12.6時台とLT15.6時台に対応するマイナス12hマジェンダはシアンピーク左側に平均値以上として存在しています
従ってTUCでも12h潮汐振動がオゾン層で発生している、と考えられます
TUCにおけるシアン第1ピーク時のfoF2値マップを示します
図5−1:6月7日シアン第1ピークLT8.6時台中央値LT9.1時(UT16:30)のfoF2値マップ
例によってfoF2最大値雲における前半部分でシアン第1ピークを迎えます
マジェンダピーク観測時刻のfoF2値マップを取ってもあまり意味はないので、オゾン層の分布を探しています、現時点で見つかったマップを示します
気象庁 [気象庁 | 月平均オゾン全量の世界分布図] さんより2022年4月の世界オゾン全量分布を見ると、
図5−2:2022年4月の平均オゾン全量(m atm-cm)
オゾン全量とは、ある地点の上空に存在するオゾンの総量のことで、単位のm atm-cm(ミリアトムセンチメートル)は、その総量を仮に0℃、1気圧の地表に集めたときの厚さを表しています。(例:オゾン全量300m atm-cmは、厚さ3mmに相当。)
との事です、以前に出たDU(Dobson Unit)単位との関係はこれから調べます
TUCに至る磁力線パス上で、オゾン量は少ない領域に当たります
15分毎の準リアルタイムマップというのはオゾン層では無いのでは?と思いますが、現在探しています
3.ツーソンTUCとG17Wの波形3日間とFFT結果です
ツーソンTUCがオレンジ、G17Wはシアンです
図6:
複雑です、両波形の最大値は同相に近いのですが最小値は同相とは言い難い
1日の変化を見ますとトップとボトムのピークが各々2ヶ所あり12h振動が強い事を示しています
図6の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、
図7:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図6よりツーソンTUCのパワーFFTスペクトルを取ると、
図8:
やはり12h成分がトップです、強度比は 12h>8h>>24h>72h です(ベイセントBSLと全く同じです)
中間のまとめ:
1.ツーソンTUCはベイセントBSLと非常に似ていて低緯度から中緯度へ移る過渡的な状態を示しています
2.オゾン層の動きを解読する事が重要となって来ました
今回示した気象庁さんのマップは月平均のマップで、準リアルタイムマップではありませんが、非常に参考になります
準リアルタイムマップを探します
コメントバック:
Rio同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>ベイセントの後にツーソンというパターンは何となく良い感じですね?
まだ覚えていますからね、頭の中で自然と比較しています
>でも確かどこかが-7°だったような?
そうでしたっけか?
>図4のマジェンダは4ピークになりそうですね!
そうなんです
マジェンダは途切れる事がなくゼロがない(シアンはゼロが3時間)
これはTUC北緯32.2°ではオゾン層は帯状になっていて常に磁場増加に働いている、
引き換えF2層は夜間に消滅するので早朝にはシアンゼロ状態となる、
と解釈しています
>オゾン層マップが見つかりましたか(*^^)
はい、月平均で準リアルタイムではないですが、マップとしてはこれが一番良さそうです
あとは赤道上では昼間のみオゾンは発生しますので、これをどうモデル化し数値を入れてゆくか、です
>オゾン層は多いところでも厚さが4、5㎜しかないんですか!薄いですね?
おッ!単位系をお調べになった?
仰る通りです!
コメバック終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!