12月度その20:父島CBI・シリーズ ➡ 父島CBIの3年間北方磁場強度変動を追い、24hヒストグラムを取り、4日間の波形も取る!⬅ 追記あり!
追記は最後にあります
父島CBIが独自の動作をするので、父島CBIに絞って観測しました
まず確定値の公開ですが、父島CBIの場合は6ヶ月前との事なのですが、現時点で見てみると9月末まで公開されているので、9月末までの3年間としました
3年間の北方磁場強度変化を取り、24ヒストグラムを取りましたが、このヒストグラムが驚くべき結果でした!
ご説明致したく
Kakioka Magnetic Observatory, 2013, Kakioka geomagnetic field 1-minute digital data in IAGA-2002 format [dataset], Kakioka Magnetic Observatory Digital Data Service, doi:10.48682/186bd.3f000
お付き合い頂ければ幸いです m(_ _)m
以下、父島CBIの北方磁場強度X成分_3年間地磁気変動です
図1:父島CBI、2020年10月1日より2023年9月30日
上昇です
図1のデータを24hヒストグラムにて表示すると、
図2:父島CBIの24hヒストグラム
ピークの定義は、カウント平均を2時間以上連続して上回った場合であって、1時間でもカウント平均を下回ればピークを脱出した、と捉えます
第1ピークがマジェンタ(最大値)で第2ピークと第3ピークがシアン(最小値)は、低緯度の特徴なのです
父島CBIは北緯27.1°なのですが、磁気赤道からの緯度では19.24°なので、まぁ低緯度には当りますが、それにしてもこうまで綺麗なマジェンタ第1ピークを付けるとは思っておりませんでした!
父島CBIに至る磁力線の磁気赤道上の高度は、約290kmです
290kmと言うと、昼間であればF2層に入ります
昼間であれば290kmから下60kmまでが電離プラズマ領域ですので(プラズマ領域ではプラズマのジャイロ運動により背景磁場は弱まる)父島CBIではLT12時頃に最小値が出てもおかしくないのです
そこで、波形を見てみる事にしました
期間は、2023年9月27日から30日までの4日間です
図3:父島CBIの波形・2023年9月27日から30日UT
縦オレンジラインが父島CBIのLT00時ですから、その中間がLT12時頃となります
従いまして:
UT30日(UT4日目)はLT12時頃に最大値がある
UT29日(UT3日目)もLT12時頃に最大値がある
UT28日(UT2日目)はLT12時頃に最大値はない!
UT27日(UT1日目)はLT12時頃に最大値がある
と見て良いだろう
すると、4日のうち3日にLT12時頃に最大値があるのだから、図2の結果も納得、という線か?
まとめ:
父島CBIではLT12時頃にその日の最大値が観測される
グアムGUAでは既に観測されている
図4:グアムGUA 2023年12月6日から9日まで4日間波形
但し、観測日付が違うので同じ観測日に揃える必要がある
また、ホノルルHONではどうなのだろう、という疑問(興味)が生ずる
いずれにせよ、観測日時が他とは異なるので、父島CBI関連は独立の記事としてまとめた方が良いだろう
父島CBI・グアムGUA・ホノルルHONと、海洋に囲まれた観測点は特徴ある動作をするのだろうか?
追記:2023/12/12
1.プエルトリコ・サンファンSJGも低緯度だったのを思い出しました
図5:サンファンSJG 2023年12月6日から9日の4日間波形
SJGの磁気赤道に対する緯度は、北緯27.2°ですからギリギリの低緯度でした
磁気赤道上の磁力線高度は520kmです
それでもSJGはLT12時頃に最大値を付けていますから、マジェンタがLT12時頃に第1ピークを付けるでしょう
そう考えますと、磁気赤道緯度が北緯19.24°、磁気赤道上高度が290kmの父島CBIが低緯度特有のパターン(LT12時頃にマジェンタ第1ピークを示す)であっても驚く事ではなかった、か?
しかし、父島CBI・シリーズとして単独でしばらく進めます、理由は、低緯度で3年間の変動やヒストグラムを取れるのは父島CBIしかない事、が挙げられます
2.鹿屋KNYについても3年間の磁場強度変化グラフを取ってみました
観測期間は父島CBIに揃えて2020年10月1日から2023年9月30日です
図6:鹿屋KNY 3年間_磁場強度最大最小値グラフ
図7:鹿屋KNY 24hヒストグラム
鹿屋KNYで、何と第1ピークはシアン(最小値)でした!
鹿屋は北緯31.4°ですが、磁気赤道緯度は22.7°で、磁気赤道上の磁力線高度は425kmで中緯度の特徴を示しています
サンファンSJGの磁力線高度は520kmで、低緯度の特徴です
これは、鹿屋KNYでも4日間波形を取る必要がありそうですね
尚、鹿屋KNYのピーク特性は第1ピークがシアンで2+2です
2+2というのは始めてであったような?
ただ、もう3年間の24hヒストグラムを取れる観測点は少ないですが、、、
という訳で鹿屋KNYの4日間波形を取ってみました
期間は、図3と合わせて2023年9月27日から9月30日の4日間です
図8:鹿屋KNYの4日間波形
図8の結果と図7を結び付けるのは、チョイ困難です
鹿屋KNYは図7のピーク特性が2+2になったように、低緯度から中緯度へ移る中間状態の観測点、と言えるのではないでしょうか?
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です