なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その22 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 世界まとめマップを作成する!⬅差し替えあり!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 世界まとめマップを作成する!⬅差し替えあり

 

差し替え:2022/04/21 19:45

図7の「第1ピークと第2ピークの時間差」は意味がなかったので、「シアンゼロ検出観測ヶ所」世界まとめマップに差し替えました

これを見事にバグりまして再度差し替えると共に「マジェンダゼロ検出観測ヶ所」も追加しました

差し替え終わり

 

 

世界まとめマップの報告です

 

前回、3日間FFT解析結果から72h成分/24h成分と12h成分/24h成分の世界まとめマップを追加したのに続き、今回は24h成分のグラフを追加しました

どちらも1年間の推移を追います

3日間のFFT解析結果を世界まとめマップに反映させる事が出来て、良かった、と思っております

しかし、片や3年間観測結果の最大最小統計グラフと、片や3日間の波形解析では信頼性レベルが大きく劣ります(3日間の波形解析では)

従って、ここは1年間の推移をグラフに反映させる事が肝要である、と考えております

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界の各観測点と磁気赤道などの世界マップです

図1:各観測点の位置関係です

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南北回帰線、23.5°Sと23.5°N、を薄いグレー・ドットラインで示しています

 

図2:各観測点の磁気赤道上の高度です

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電離圏F2層、バンアレン内帯陽子ベルト、電子ベルトを示しています

これら電離圏F2やバンアレンの高度が、地軸赤道または磁気赤道にどう依存するか(緯度に依存して、上がるのか下るのか)が分かりませんで、コンスタントで示しています

 

2.3年間の測定から得られる北方_平均磁場強度と差分平均のマップです

図3:平均磁場強度(μT)と差分平均(nT)を示します

北方変動成分(グリーン)は、明らかに高緯度の方が変動幅大です

北方磁力成分(マジェンダ)は、概して低緯度の方が磁場強度大です

しかし全磁力Fで見れば、磁力は磁気赤道付近が最も弱いのです

 

 

3.24hカウント統計グラフから得られる世界マップです

24hカウント統計には最も着目しており、各種派生グラフを作っています

そこから何かが見えて来るだろう、という事です

図4:第1ピークと異なる色の最大ピークとの比率です

第1ピークを分子に取っていますので、必ず1より大となります

キャンベラCNBが最も1.0に近いです

ここから、何故低緯度では第1ピークがマジェンダ(最大値側)で、中緯度ではシアン(最小値側)なのだろう、という最大の疑問が生じます 前回のモデル2022_04によれば、低緯度では太陽光圧_磁気濃縮によって昼間に磁場強度が増加し、中緯度では電離圏F2層_ジャイロ運動により磁場強度は減衰し昼間の同時刻にマジェンダをシアンに置き換えるから、と説明できます

 

図5:第1ピーク観測時刻(LT)の世界マップです

ここから、何故LT10〜11時台に第1ピークが観測されるのだろう、という疑問が出てきます LT10〜11時台に低緯度では太陽光圧がピーク、中緯度ではF2層ジャイロ運動がピークとなるからです

 

図6:ピーク数の分布マップです

ベイセントルイスBSLとツーソンTUCは、中緯度とは言っても低緯度の境界に位置し、不安定かつ過渡的な動作をする観測点です

 

図7−1:シアンゼロ観測時間帯と観測ヶ所(差し替えです)

シアンゼロ時間帯は世界各地で検出され、2022_04報告では11ヶ所でシアンゼロが検出されています、24時間つねにシアンを観測するヶ所はHON/MEA/OTTの3ヶ所です

図7は、Y軸をLocal Timeに揃えて表示しています

中緯度ではLT3時台〜7時台にシアンゼロが検出されています、これからシアンピークを迎える嵐の前の静けさ、です

低緯度でLT10時台〜13時台にシアンが検出されないのは、太陽光圧によりマジェンダが支配する時間帯だからです

高緯度CMOでLT17時台〜18時台にシアンが検出されない理由は、これから考えます

 

図7−2:マジェンダゼロ観測時間帯と観測ヶ所(追加です)

24時間つねにマジェンダを観測するヶ所は、BSL/CLF/CMO/CNB/KAK/OTT/SJG/TUC/VICの9ヶ所です

低緯度では太陽光圧が無くなるか弱くなるLT16時台〜7時台にマジェンダゼロを観測しています、GUAとKOUがLT6時台〜7時台にマジェンダを観測しないのは、嵐の前の静けさです

中緯度のMEAとFRDがLT10時台〜11時台にマジェンダゼロを検出する理由は、これから考えます

 

 

4.3日間のパワーFFT結果から得られる世界マップです

図8:24h成分を中心とし、72h成分および12h成分との比率、4月です

4月はKAKとTUCとCNBで72h成分>12h成分となりました(3月の観測ではKAKのみ)

比率が4.0以下となる観測点のみを表示しています

シャンポンCLF、サンファンSJG、グアムGUAは異常データでしたので、表示していません、ベイセントルイスBSLは比率が30倍を越えたので表示していません、4月のBSLは極端に24h成分が少なかったです(従って、14ヶ所中10ヶ所の表示となります)

 

以下は、図8の1年間推移を示すグラフです

図9:72h/24hと12h/24h成分の1年推移のグラフ(2022年3月開始)

グラフ上での説明はかなり省略されています

・Y軸の英文字は観測点の略号ですが、下(南)から上(北)へ相対的に並んでいます

・Y軸各観測点は高さ0.0〜4.0範囲内にて72h/24hなり12h/24hを示しています

・□が72h/24h成分で各月のゼロ位置、▲が12h/24h成分で各月の少し右側に出しています(時間がズレている訳ではありませんので、ご注意を!)

・表示されていない観測点は3日間波形が正常に得られなかった観測点です

・X軸一番右に平均値(Ave)です、Aveは□と▲ペアを直線で結びます

これにて1年の推移を見てみよう、という事です

 

そして今回は24h成分のグラフを作成しました

図10:

・Y軸はパワーFFTの24h成分_対数表示で絶対値です

・X軸は月表示で最後に平均(Ave)を来月から出す予定です

図10にはG16とG17を加えてあります(図9ではY軸が足りないので割愛)

何と、最も高緯度であるフェアバンクス・カレッジCMOが最も24成分が強い、という結果となりました!

驚き、です

そして最も低緯度のクールーKOUが続きます

 

 

 

まとめ:

1.今回はFFT解析結果である図9と図10表示に専念しました

1年間の変動をグラフで示すのはなかなか難しく、この程度かな、と思います

2.図10にて、フェアバンクス・カレッジCMOの24h成分が最も強く出たのには驚きました

モデル2022_04によれば、高緯度CMOはバンアレン内帯の影響を最も強く受け、バンアレン内帯は12h振動するがモデル2022_04ですから、12h振動が強く出るだろう、と思っていました

3.これはCMOでは夜間プラズマシートから飛来する荷電粒子(オーロラの原因です)によって最大値マジェンダが形成されており、夜間に強いので24h振動となる、と考えて良さそうです

しかし荷電粒子がジャイロ運動して飛来すれば磁場強度_減衰ですから、ここは荷電粒子は磁場凍結を起こして(磁気濃縮して)飛来、マジェンダを形成する、となります(CMOはマジェンダ第1ピーク)

本当でしょうか?

早くも2022_04モデルの追加修正が必要になりそうです

4.それにしても赤道直下の太陽光ギラギラのクールー24h振動強度より、高緯度でオーロラが夜毎乱舞するフェアバンクスの方が24h振動成分は強い、というのですから、面白いですね〜

これは全体をグラフにまとめなければ分からなかった、と思います

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!

 

 

4月度その21 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 磁気濃縮型爆薬発電機の原理「磁気濃縮」を知り、プラズマ「ジャイロ運動」との競合を考察する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡  磁気濃縮型爆薬発電機の原理「磁気濃縮」を知り、プラズマ「ジャイロ運動」との競合を考察する

 

北方磁場強度シリーズ世界まとめマップに入る前に、何点か物理的なポイントを抑えておきたい、と考えております

その第1が、磁気濃縮型爆薬発電機で、「磁気濃縮」なる事象が起きた時に発生する現象で磁場強度の増加であって、人工的には爆薬を使って濃縮する手法です

これが太陽光圧によって発生し磁場強度を増加させている、と考えております

またプラズマ「ジャイロ運動」は磁場強度の減少に作用し、これら「磁気濃縮(増加)」と「ジャイロ運動(減衰)」が北方磁場強度の増減に作用する二大要因となる、と考えております

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.[磁気濃縮型爆薬発電機 - Wikipedia] より

磁気濃縮型爆薬発電機とは高性能爆薬を使って磁束を圧縮することによって強力なパルス電流を発生させる、爆薬発電機の一種である。 

であって、その原理である「磁気濃縮」とは:

 

閉ループリング内に9本の磁力線があったとする

図1:元の磁力線 by Croquant (ループ内に9本の磁力線)

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これが外部からの圧力により圧縮されると、

図2:輪の直径が縮小した後の構造 by Croquant (リングの中は5本となる)

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5本となるのだが、磁力線は元の磁束密度の状態を維持しようとするから、磁力線を増加させる方向に閉ループリングに電流が流れ、

図3:圧縮後の磁力線 by Croquant 、リング内の磁力線は元の9本となり、

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磁束密度は増大する(磁場強度は増加する)、のである

発電機ではこの原理で電流を取り出している

 

 

2.磁気濃縮はどこで起きているのか?

Wikiによれば、

同様の現象はプラズマ等の十分に導電性の高い流体でも起こり、磁場の凍結と呼ばれている。 

磁場の凍結は磁気濃縮である、と言っている(プラズマは流体なのである)

 

本ブログに関する領域で磁気濃縮は太陽光圧起因であり、発生する場所は:

● GOES衛星の高度約3万5千kmレベル(図b)

● 対流圏から電離圏E層まで高度約150km以下のレベル(図a)で顕著に現れ、地軸低緯度であれば高度約660kmまで現れる

 

図4:GOES衛星高度の場合

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中央値ピークtoピークは、LT11.5時➡21.5時で間隔10h

 

図5:高度約150km以下の場合

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中央値ピークtoピークは、LT11.0時➡21.0時でやはり間隔10h

 

昼間の磁気濃縮による磁場強度増加は地軸低緯度で支配的であり、たとえ150km以上であっても地軸低緯度であれば最大値マジェンダが第1ピークとなる

図6:

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3.反対(磁場減衰)勢力が存在する!

ジャイロ運動とは、プラズマ粒子が磁力線に巻き付き、磁場強度を減衰させる現象である、[ジャイロ運動 | 天文学辞典] によれば、

荷電粒子が磁場に巻きつきながら移動する運動。強さ B の一様磁場の場合、 この運動は磁場方向に自由に運動し、磁場と垂直な面では周波数 \Omega_c=eB/mcの円運動となる。 この周波数をジャイロ周波数といい、円運動の半径 r_g=v_\bot/\Omega_c をジャイロ半径という。 正の電荷を持つイオンは磁場方向から見て時計回り(右巻き)、電子は反時計回り(左巻き)に運動し、それによってつくられる電流は背景磁場を弱める 方向となる

プラズマであればイオンでも電子でも起こし得るのであるが、どちらにしても常に磁場強度を減衰させる、のである

発生する場所は:

● 電離圏F2層の高度約300kmを中心とし約600kmまでの電離圏(図a)

 

太陽光圧が高い時には、約300km中心のジャイロ運動と約150km以下の磁気濃縮が競合し、ジャイロ運動が勝つ(ピークを奪う)

図7:この領域ではマジェンダピークがシアンに食われる

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図8:やはりマジェンダピークがシアンに食われている

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この結果、低緯度ではLT10-11時台にマジェンダピークを付けていたのが、中緯度に入ると同じLT10時-11時台にシアンピークが取って替わる

 

4.バンアレン内帯は太陽光圧により12h潮汐振動し、ここで再び磁気濃縮とジャイロ運動が起きる

図9:バンアレン内帯における太陽光圧による潮汐運動

この結果、陽子ベルトは磁気濃縮により磁場強度増加、電子ベルトはジャイロ運動による磁場強度減衰に至る

 

これによって、中緯度の上部では増加と減衰が12h振動し始める

図10:陽子ベルトの12h振動(増加)が現れる始める高度約3,000km

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磁力線高度が2,000kmを大幅に上回ると、陽子ベルトの磁気濃縮潮汐によりマジェンダ12h振動が現れる

 

図11:電子ベルトの12h振動(減衰)が現れる始める高度約4,000km

磁力線高度が3,000kmを大幅に上回ると、電子ベルトのジャイロ運動潮汐によりシアン12h振動が現れる

 

 

まとめ:モデル2022_04

1.データを取ってグラフ化する作業を続けるだけでは意味はなさそうなので、全体を説明するモデルを考えてみた、という事です

今後の変更もありますので、モデル2022_04としました

2.高度300kmを中心とする電離圏F2層におけるジャイロ運動では電子・イオンどちらもジャイロ運動して減衰に寄与している、と思われますが、裏付けは未だです

3.バンアレン内帯では内側の陽子ベルトが磁気濃縮に、外側の電子ベルトがジャイロ運動(磁気減衰)に寄与する、というモデルですが、それは観測結果を説明するのに都合が良いからで、質量の重い陽子は磁気濃縮、軽い電子はジャイロ運動、である物理的説明が付くのかどうかは、これからです

4.フェアバンクス・カレッジCMOの動作やホノルルHONのマジェンダピークが13.5時台に来る動作についての考察は、これからです

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!

 

 

4月度その20 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ シャンポンCLFの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取る!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ シャンポンCLF地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取る!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回は最終でシャンポンCLFですが、4月2日から4日の内4月3日データが公開されておりませんで3日間波形解析はスキップです

しかし、foF2値マップはシャンポンCLFでも添付する事と致しました

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

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高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUC/FRD/CLFを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.シャンポンCLF3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

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Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

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凡例にあります「ピーク数=1+2」は:

第1ピークはシアンでシアンピークは1ヶ所のみ、第2ピークのマジェンダには2ヶ所ピークがある、を意味しています(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

ピーク数=1+2」は中緯度の特徴です

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

CLFでは、ゼロヶ所は1ヶ所のみで、LT4.2時台にシアンゼロを付けています

現時点で分からないのは、中緯度においてマジェンダがダブルピークを付ける原因なのです、マジェンダですから最大値観測であって何故これが中緯度で12h振動するのか?が分からないのです(低緯度でマジェンダは24h振動)➡ 何故、23.2時台と7.2時台にマジェンダピークが来るのか?という事です

 

シャンポンCLFで、電離圏F2層は関与している可能性がありますのでfoF2値マップをアップします

図5:シャンポンCLFの第1ピーク観測時刻LT10.2時台の中央値LT10.7時におけるfoF2値マップ(CLFのLTはUTと同じ)

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図6:シャンポンCLFの第2ピーク観測時刻LT23.2時台の中央値LT23.7時におけるfoF2値マップ

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図7:シャンポンCLFのシアンゼロ観測時刻LT4.2時台の中央値LT4.7時におけるfoF2値マップ

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中間のまとめ:

1.中緯度の特徴であるピーク数「ピーク数=1+2」におけるマジェンダのダブルピーク原因を解明する事が最も重要である、と考えています

2.電離圏F2層がどのように関与しているのか、ですが(図4参照):

太陽光圧によりマジェンダがLT7.2時台から上昇する所を、太陽光によりF2層が成長し生成されたプラズマによるジャイロ運動が巻き付き、従って磁場は減衰し、シアン第1ピークに置き換わったのです

従って、シアン第1ピークの観測時刻はマジェンダが第1ピークとなるハズだった時刻と一致するのです、これは低緯度ではマジェンダが第1ピークとして観測されている時刻で、両者ともにLT10時台〜11時台に第1ピークを付ける原因がここにあります

3.従って分からないのは、何故LT23.2時台にマジェンダピークが来るのだろう(CLFの場合)、に絞られます

LT23.2時台に第2マジェンダピークが来るのは、フェアバンクス・カレッジCMOの第1ピークがマジェンダでLT23.1時台である事を連想させます

4.少し見えてきた気がします、頭の中を整理して5月からまた再スタートします ➡ しかし、その前に4月の結果を世界まとめマップにまとめます

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!

 

 

4月度その19 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 柿岡KAKの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 柿岡KAK地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回は柿岡KAKです

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

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高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.柿岡KAK3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

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Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

KAKは相変わらず成績優秀で、3年間1095日の全データが揃います

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

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凡例にあります「ピーク数=1+2」は:

第1ピークはシアンでシアンピークは1ヶ所のみ、第2ピークのマジェンダには2ヶ所ピークがある、を意味しています(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

ピーク数=1+2」は中緯度の特徴です

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

KAKでは、ゼロヶ所は1ヶ所のみで、LT6.3時台にシアンゼロを付けています

現在分からないのは、中緯度においてマジェンダがダブルピークを付ける原因なのです、マジェンダですから最大値観測であって何故これが中緯度で12h振動するのか?が分からないのです(低緯度でマジェンダは24h振動)

 

図5:柿岡KAK第1ピークシアン観測時間LT10.3時台の中央値LT10.8時に相当するUT1.5時(4月15日)のfoF2値マップ

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図6:柿岡KAK第2ピークマジェンダ観測時間LT14.3時台の中央値LT14.8時に相当するUT5.5時(4月15日)のfoF2値マップ

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図7:柿岡KAKのシアンゼロ観測時LT6.3時台の中央値LT6.8時に相当するUT21.5時(4月14日)のfoF2値マップ

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3.G17Wと柿岡KAKの波形3日間とFFT結果です

柿岡KAKがオレンジ、G17Wはシアンです

図8

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縦線LT10.8KAKを見て頂ければ見事に最小値を付けています

シアン縦線LT12G17を右に移動させてオレンジ縦線LT12KAKと重ねて見て頂ければ、逆相である事が分かります

 

図8の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

f:id:yoshihide-sugiura:20220415175701p:plain

GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます

 

図8より柿岡KAKのパワーFFTスペクトルを取ると、

図10:

f:id:yoshihide-sugiura:20220415175930p:plain

12h成分はそれほど強くなく24h成分がトップに来ています

24h成分が強いという事は低緯度の特徴なのですが、KAKは低緯度の特徴を引きずっている、と考える事が出来ます(この辺りがビクトリアVICと異なります)

KAKの地軸緯度は北緯36.2°ですが、磁気緯度は北緯28.0°で磁気赤道から見れば低緯度に属し、磁力線高度は700kmでサンファンSJGの磁気緯度北緯27.1°・磁力線高度616kmに近いのです

KAKの磁力線高度700kmは高度300kmにピークを持つ電離圏F2層の影響を強く受けていると考えられますが、foF2値マップ図5−7とカウント統計グラフ図4の関係をどう読み取ればよいのかが分からない状態です

ご参考までに柿岡KAKの地軸・磁気緯度と磁力線高度を示します

図11:

f:id:yoshihide-sugiura:20220415180938p:plain

 

 

中間のまとめ:

1.中緯度の特徴であるピーク数「ピーク数=1+2」におけるマジェンダのダブルピーク原因を解明する事が最も重要である、と考えています

2.電離圏F2層がどのように関与しているのか?は現在分かりませんが、これも解明する必要があります

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!

 

 

4月度その18 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ グアムGUAの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ グアムGUAの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回は北半球低緯度に戻りグアムGUAです

グアムGUAは2021年12月から異常値99999.0が続いておりまして、3年間のカウント統計グラフは取れるのですが、3日間の波形解析が出来ない月が続いてります

そこで苦肉の策として、2020年4月2日〜4日の3日間波形にて解析しました、これはあくまでも参考グラフとなります(本来は2022年4月2日〜4日の解析です)

グアムGUAは、磁力線高度が24.3kmと極めて低く、磁力線パスは対流圏と成層圏下部で閉じている特徴がある観測点です

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

f:id:yoshihide-sugiura:20210827173546p:plain

 

図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

f:id:yoshihide-sugiura:20211208090955p:plain

Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220209172834p:plain

中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220407085833p:plain

高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.グアムGUA3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

f:id:yoshihide-sugiura:20220414181606p:plain

Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

異常値99999.0が多く、2021年12月以降はまともなデータがありません

2020年4月であれば正常なデータがありますので、3日間の波形解析は特殊事情として2020年4月2日〜3日で取っております

それでも有効日は694日(約2年弱)ありますので、参考とは言え有効な解析が出来ると思っております

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

f:id:yoshihide-sugiura:20220414181912p:plain

凡例にあります「 ピーク数=1+1」は:

第1ピークはマジェンダでマジェンダピークは1ヶ所のみ、第2ピークのシアンも1ヶ所のみ、を意味しています(合計でピーク数は2)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

GUAでは、マジェンダがゼロになる時間帯はかなりあり、シアンがゼロになる時間帯も2時間連続してあります

マジェンダとシアンが明確に分離される(オーバラップが少ない)は低緯度の特徴です

 

 

図5:グアムGUA第1ピーク観測時間LT10.7台の中央値LT11.2時に相当するUT1.5時(4月14日)のfoF2値マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220414202207p:plain

 

図6:グアムGUA第2ピーク観測時間LT18.7台の中央値LT19.2時に相当するUT9.5時(4月14日)のfoF2値マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220414202323p:plain

 

ゼロ観測はマジェンダとシアン数多くありますが、マジェンダの1ヶ所を選び、

図7:グアムGUAのマジェンダゼロ観測時LT2.7台の中央値LT3.2時に相当するUT17.5時(4月13日)のfoF2値マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220414202431p:plain

 

 

3.グアムGUAの2020年の波形3日間とFFT結果です(参考)

グアムGUAがオレンジ、G17Wは示していません

図8:2020年4月2日00時00分〜4日23時59分(UT)GUAの波形

f:id:yoshihide-sugiura:20220414195129p:plain

見事にGUAのLT11.2時に最大値を観測しています、これだけ綺麗な24h振動であれば24h成分が強く出るだろう、と思いますが、それほどでもありませんでした

 

図8の波形よりグアムGUAのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

f:id:yoshihide-sugiura:20220414195328p:plain

もっと24h成分が強く出るかと思っていましたが、12h成分もかなりあります

尚、このデータは参考ですので世界まとめマップには使用されません

 

 

中間のまとめ:

1.グアムGUAは思ったほど24h成分が強く出ませんでした

強く出るのはクールーKOUであり、これは最大値マジェンダは磁力線高度より太陽光圧が強いほど、即ち地軸赤道に近いほど、最大値が集中する事を示しています

2.従って、低緯度では地軸赤道に近いほど最大値は集中し、昼間と夜間の区別が明確となり、24振動成分が強く出る、と結論されます

3.ですので、低緯度で電離圏F2層は関与してない、と思っております

foF2値マップがどこで役立つのか?は慎重に検討を進めます

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!

 

 

4月度その17 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNBの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNBの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回はキャンベラCNBで唯一の南半球観測点です

CNBは南緯35.2°、磁力線高度は1,600kmですので、高度300km程度かつ磁気赤道南北_昼間に高濃度で出現する電子密度を示すfoF2値マップを提示します

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

f:id:yoshihide-sugiura:20210827173546p:plain

 

図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

f:id:yoshihide-sugiura:20211208090955p:plain

Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220209172834p:plain

中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220407085833p:plain

高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.キャンベラCNB3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

f:id:yoshihide-sugiura:20220414101034p:plain

Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

f:id:yoshihide-sugiura:20220414101106p:plain

凡例にあります「ピーク数=1+2」は:

第1ピークはシアンでシアンピークは1ヶ所のみ、第2ピークはマジェンダでマジェンダピークは他にもう1ヶ所ある、を意味しています(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

CNBでは、マジェンダがゼロになる時間帯はないのですが、シアンがゼロになる時間帯が1ヶ所あります

中緯度の特徴として、シアンとマジェンダが重なる、があります

CNBの場合も、マジェンダ第2ピークをLT8時台に観測して僅か3時間後にシアン第1ピークを観測しています

 

 

図5:キャンベラCNB第1ピーク観測時間LT11.0台の中央値LT11.5時に相当するUT1.5時(4月14日)のfoF2値マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220414135348p:plain

 

図6:キャンベラCNB第2ピーク観測時間LT8.0台の中央値LT8.5時に相当するUT22.5時(4月14日)のfoF2値マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220414135500p:plain

 

ゼロ観測はシアン1ヶ所で、

図7:キャンベルCNBのシアンゼロ観測時LT4.0台の中央値LT4.5時に相当するUT18.5時(4月14日)のfoF2値マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220414135604p:plain

 

 

3.キャンベラCNBとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です

キャンベラCNBがオレンジ、G17Wがシアンです、平穏時3日間の波形です

図8:4月2日00時00分〜4日23時59分(UT)両観測点の波形

f:id:yoshihide-sugiura:20220414205251p:plain

同相に見えますが、時差があるのでオレンジ縦ラインを左にシフトしてシアン縦ラインと重ねて見て頂ければ綺麗な逆相である事が分かります ➡ この結果、この3日間のCNBのスペクトルでは24h成分が極めて強く出ます

 

 

図8の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

f:id:yoshihide-sugiura:20220411231521p:plain

G16EでもG17Wでも、ほとんどのエネルギーが周期24hに集中します

 

一方、図8の波形よりキャンベラCNBのパワーFFTスペクトルを取ると、

図10−1:

f:id:yoshihide-sugiura:20220414103134p:plain

24h成分が極めて強く出ました

 

図10−2:先月2月28日〜3月2日の結果を提示すれば、

f:id:yoshihide-sugiura:20220315061807p:plain

やはり24h成分が最も強いのですが、12h成分もそれなりに存在しています

中緯度では12h成分が最も強いのですが、CNBは例外で24h成分が最も強く、それは低緯度の特徴を兼ね備えている、と言えます

 

 

中間のまとめ:

1.キャンベラCNBは第1ピークがシアンでピーク数=1+2と、中緯度の特徴を示していますが、4月度3日間波形は綺麗な逆相を示しスペクトルは24h成分が最も強いという低緯度の特徴を示します(但し、低緯度ではGOES波形と低緯度波形は同相となります、逆相ではなく)

2.スペクトルは3日間の測定結果であり、1ヶ月毎の1年間観測でも24h成分が最も強く出るのか?12h成分はその程度混在するのか、を知りたい所です

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!

 

 

4月度その16 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ホノルルHONの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ホノルルHONの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、低緯度に戻って今回はホノルルHONです

HONは北緯21.3°、磁力線高度は370kmと低く、高度300km程度かつ磁気赤道南北_昼間に高濃度で出現する電子密度を示すfoF2値マップを提示します

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

f:id:yoshihide-sugiura:20210827173546p:plain

 

図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

f:id:yoshihide-sugiura:20211208090955p:plain

Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220209172834p:plain

中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220407085833p:plain

高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.ホノルルHON3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

f:id:yoshihide-sugiura:20220413183234p:plain

Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

f:id:yoshihide-sugiura:20220413183318p:plain

凡例にあります「 ピーク数=1+1」は:

第1ピークはマジェンダでマジェンダピークは1ヶ所のみ、第2ピークはシアンでシアンピークも1ヶ所のみ、を意味しています(合計でピーク数は2)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

HONでは、シアンがゼロになる時間帯はないのですが、マジェンダがゼロになる時間帯が3ヶ所飛び飛びに存在します

マジェンダとシアンのピーク数は各々1で合計2で、24h振動が主となる事を示唆しています(これが低緯度の特徴でもあります)

HONではマジェンダ第1ピークの時間帯にもシアンが存在します、これはクールーKOUでは見られなかった事です(KOUではマジェンダ第1ピークの時間帯にシアンゼロが検出される)

これは磁場強度の減衰を示すシアンの原因を現在はバンアレン内帯のプラズマによるジャイロ運動としていますが、これにfoF2雲における電離プラズマによるジャイロ運動も追加する事を検討する必要がある事を示しています

 

図5:ホノルルHON第1ピーク観測時間LT13.5台の中央値LT14.0時に相当するUT0.5時(4月13日)のfoF2値マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220413190306p:plain

 

図6:ホノルルHON第2ピーク観測時間LT21.5台の中央値LT22.0時に相当するUT8.5時(4月13日)のfoF2値マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220413190426p:plain

 

ゼロ観測はマジェンダで3ヶ所ありますが、中央値を取れば、

図7:ホノルルHONのマジェンダゼロ観測時LT19.5台の中央値LT20.0時に相当するUT6.5時(4月13日)のfoF2値マップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220413190551p:plain

 

 

3.ホノルルHONとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です

ホノルルHONがオレンジ、G17Wがシアンです、平穏時3日間の波形です

図8:4月2日00時00分〜4日23時59分(UT)両観測点の波形

f:id:yoshihide-sugiura:20220413183804p:plain

と、見事に同相となっています

 

図8の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

f:id:yoshihide-sugiura:20220411231521p:plain

G16EでもG17Wでも、ほとんどのエネルギーが周期24hに集中します

 

一方、図8の波形よりホノルルHONのパワーFFTスペクトルを取ると、

図10:

f:id:yoshihide-sugiura:20220413184016p:plain

予想通り、24h成分が極めて強く出ました

 

中間のまとめ:

1.低緯度ホノルルHONは図4でマジェンダとシアンでピーク数2であり、従って24h振動が主であると予想でき、実際に図10で24h振動が最も強い事を確認できます

2.低緯度は説明が付くようになりつつあるか、と思われますが、ホノルルHONでLT13.5時台に第1ピークが来る事を説明できません(中緯度も含めてLT10-11時台に第1ピークが来る事が多いのです)

3.foF2値マップですが、ホノルルHONでシアン原因にfoF2層の電離プラズマによるジャイロ運動を加えるのであれば、必要なマップとなります

ですが、電離層プラズマのジャイロ運動を加えると12h振動成分が強く出るので、この辺りの判断が難しいのです

他の低緯度観測点を見てみる必要があります

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!