なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

8月度その18:地磁気の年周期性を追うシリーズ ➡ フランス・シャンボン ラ フォレを観測点に加える!⬅ グラフ修正あり!

地磁気の年周期性を追うシリーズ ➡ フランス・シャンボン ラ フォレを観測点に加える!⬅ グラフ修正あり!

 

 地磁気データの一日における最大値と最小値の幅(差分)を取り4年に渡りグラフを取ると、年周期性が現れます(柿岡とキャンベラ)、これは特に東方向Y成分について顕著です、このシリーズはその謎(原因)を追うものです、本日は、観測点としてフランス・シャンボン ラ フォレを追加してみます

 

 地磁気データの基本は、気象庁地磁気観測所さんのサイトより:

[地磁気観測所|基礎知識|用語の説明]

地磁気の各要素

で示され、地磁気ベクトルのX方向が北方向成分、Y方向が東方向成分、Z方向が鉛直方向成分となります、各々方向成分の磁場強度(大きさ)は、グラフ上長さで示されます

尚、今まで言葉の定義を曖昧なまま使っておりましたが、偏角(偏差とも言う)は上図のDで、Dを用いてY成分を決定します、偏角は符号を持ち、プラスが東回り、マイナスが西回りです

 

今まで、地磁気測定点は柿岡(茨城)とキャンベラ(豪州)を選んでおりましたが、南磁極(海の底)キャンベラ柿岡北磁極(カナダ北極圏の島)順でGoolge Earthにて位置を示すと:

f:id:yoshihide-sugiura:20200819190501p:plain

f:id:yoshihide-sugiura:20200819194424p:plain

私は、普通、マップデータは北から示すのですが、ここは地磁気・磁力線の方向に従ってマップを出しました、約束事ですが地磁気はN極から出てS極に至るとされており、南磁極にN極、北磁極に有るのがS極である、事に注意です

尚、地磁気の永年変化として「非双極子部分の西方移動」なるものがあり、北磁極は西方へ約40km/年、南磁極も西方へ約10km/年で移動している、これが西方移動です(移動の詳細方向と移動距離は常に変化しています)

 

 ここで米国海洋気象庁NOAAさんから偏角Dに着眼した世界等偏角マップをアップすると [World Magnetic Model | NCEI] より

f:id:yoshihide-sugiura:20200823154550p:plain
右下の赤領域と青領域の境にある1で示される小さな白ポチが南磁極、右上にある6で示される白ポチが北磁極、世界等偏角モデル2020マップ、赤が正で東方向回転、青が負で西方向回転、緑のラインは偏角ゼロ・ライン(東偏角と西偏角が釣り合っているラインで、この線上で方位磁石は真北を示すハズ) これは確かに船舶には重要なマップです、NOAAさんが肝いりで作成するのが分かります、バージョンは2020.0となっていますので、変動が多い時にはバージョンアップするのでしょう!

柿岡は青ライン領域で、2020年の偏角約マイナス8°

キャンベラは赤ライン領域で、2020年の偏角約プラス12°

フランス・シャンボン ラ フォレは赤ライン領域ですが、緑ラインにかなり近く、2020年の偏角約プラス2°、北緯48°・東経2°に位置しています

グラフ修正:2020/08/23 15:47 スクショで小グラフを作り、文字を加えました

緑で示される偏角ゼロ・ラインですが、南磁極1から出発して右上の2で外に出て、左上の3から再び現れて、下に移動し4から下に消えて、上の5から現れて、6の北磁極に至る1本のラインではないか?と思われるのです

 

ここで、上記の世界等偏角線マップを見ていて生ずる疑問は多々ありまして、前回は「南磁極から北磁極へ向かう地磁気磁力線は地球に沿っての直線なのだろうか?それとも等偏角線に見られるようなうねった形状なのだろうか?」を提示しましたが(この回答も未だ得られていませんが)、今回のは:

緑のラインが世界を2分している、即ち赤で示される東方向回転領域と青い西方向回転領域である、しかし緑のラインは南磁極から出発して北磁極に至る1本線のように見える、果たして1本の線で世界を2分出来るのだろうか?メルカトル図法だとそうなるのだろうか?

これは「世界で浮いた(独立した)赤領域や青領域は存在しない」という事を言っています、世界は2領域の赤か青の領域にのみ緑境界ラインで分離されている、という事です、この分離がメルカトル図法(上記等偏角線マップはメルカトル表現)上で1本線で出来るのだろうか?という疑問です

地磁気、、、奥が深いです!

 

 それではフランス・シャンボン ラ フォレの地磁気変動グラフX/Y/Z成分の1日の時間当り平均値、2020/07/31を最終日とする4年間(365日x4)です

北方向X成分です

f:id:yoshihide-sugiura:20200823122224p:plain

うむ〜、振動していますね、垂れること藤の花の如し、です


東方向Y成分です

f:id:yoshihide-sugiura:20200823122338p:plain

磁場の符号は正なので東向きベクトルとなっています(赤領域なので、こうなります)シッカリと減衰しています

 

鉛直方向Z成分です

f:id:yoshihide-sugiura:20200823122411p:plain

Z成分の磁場強度は最も強いです、Z成分もシッカリと減衰しています

 

ここで、参考までにシャンボン ラ フォレと北磁極の位置関係をGoogle Earthで示します:

f:id:yoshihide-sugiura:20200823124759p:plain

北磁極はカムチャッカ半島の方へ移動していますから(この図で下方向、地図上は北西方向)、シャンボンにしてみれば目の前を横切る形での磁極移動となります

 

 一日の時間当り平均値で見る限りは、X成分に振動周期性が見られます

X成分、Y成分、共に強い磁場強度を示していますが、Y成分は弱いです、これは緑のライン(偏角ゼロ・ライン)に近いからと思われます

北磁極または南磁極は西または北西方向に移動していますので、柿岡もキャンベラも磁極が近づいて来る方向ですが、シャンボンは横切る形の移動となっています

これらがどう影響するのか?ですが、ともかく、明日は一日の最大値と最小値の差分を取ってグラフ化致します

 

お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座います、感謝です m(_ _)m

 

 

以上です