8月度その19:地磁気の年周期性を追うシリーズ ➡ フランス・シャンボン ラ フォレ最大値マイナス最小値の差分グラフを取る!
地磁気の年周期性を追うシリーズ ➡ フランス・シャンボン ラ フォレ最大値マイナス最小値の差分グラフを取る!
* 地磁気データの一日における最大値と最小値の幅(差分)を取り4年に渡りグラフを取ると、年周期性が現れます(柿岡とキャンベラ)、これは特に東方向Y成分について顕著です、このシリーズはその謎(原因)を追うものです、本日は、観測点として追加したフランス・シャンボン ラ フォレの最大値マイナス最小値の差分グラフを取ります
尚、すべからく各国の地磁気データは商用には使えませんので、ご理解願います
* 地磁気データの基本は、気象庁・地磁気観測所さんのサイトより:
で示され、地磁気ベクトルのX方向が北方向成分、Y方向が東方向成分、Z方向が鉛直方向成分となります、各々方向成分の磁場強度(大きさ)は、グラフ上長さで示されます
尚、今まで言葉の定義を曖昧なまま使っておりましたが、偏角(偏差とも言う)は上図のDで、Dを用いてY成分を決定します、偏角は符号を持ち、プラスが東回り、マイナスが西回りです
まず、柿岡(茨城)とキャンベラ(豪州)の位置関係ですが、南磁極(海の底)➡キャンベラ➡柿岡➡北磁極(カナダ北極圏の島)順でGoolge Earthにて位置を示すと:
私は、普通、マップデータは北から示すのですが、ここは地磁気・磁力線の方向に従ってマップを出しました、約束事ですが地磁気はN極から出てS極に至るとされており、南磁極にN極、北磁極に有るのがS極である、事に注意です
今回追加した、シャンボン ラ フォレと北磁極の位置関係を示します:
地磁気の永年変化として「非双極子部分の西方移動」なるものがあり、北磁極は西方または北西へ(カムチャッカ半島へ向けて)約40km/年、南磁極も西方または北西へ(オーストラリアへ向けて)約10km/年で移動しています、これが西方移動です(移動の詳細方向と移動距離は常に変化しています)
従いまして、柿岡へは北磁極、キャンベラへは南磁極が近づきつつあり、シャンボンは目の前を北磁極が横切る位置関係、となります
* ここで米国海洋気象庁NOAAさんから偏角Dに着眼した世界等偏角マップをアップすると [World Magnetic Model | NCEI] より
右下の赤領域と青領域の境にある1で示される小さな白ポチが南磁極、右上にある6で示される白ポチが北磁極、世界等偏角モデル2020マップ、赤が正で東方向回転、青が負で西方向回転、緑のラインは偏角ゼロ・ライン(東偏角と西偏角が釣り合っているラインで、この線上で方位磁石は真北を示します)
柿岡は青ライン領域で、2020年の偏角は約マイナス8°
キャンベラは赤ライン領域で、2020年の偏角は約プラス12°
シャンボンは赤ライン領域で、2020年の偏角は約プラス2°
上図、緑で示される偏角ゼロ・ラインですが、南磁極1から出発して右上の2で外に出て、左上の3から再び現れて、下に移動し4から下に消えて、上の5から現れて、6の北磁極に至る1本のラインではないか?と思われます
* それではフランス・シャンボン ラ フォレの地磁気変動グラフX/Y/Z成分の1日の最大値マイナス最小値(差分)、2020/07/31を最終日とする4年間(365日x4)です
北方向X成分です
これは、、、明確な周期性というのは難しい、です
東方向Y成分です
磁場の符号は正なので東向きベクトルとなっています(赤領域なので、こうなります)年周期性が出ました、差分としては約60nT程度でしょうか、元々偏角がプラス2°と小さいのでY成分は出にくいのですが、シッカリと出ています
鉛直方向Z成分です
何と、Z成分でも年周期性が現れました、差分は約25nT程度と非常に小さいのですが、明確に現れています、柿岡やキャンベラでは観測されなかった年周期性振動です、恐らく鉛直Z方向で年周期性振動を検出した、というのも世界で始めてでしょう(World First Detection ですね、Theを付かないとイケナイ?)
* 原因と次に何をすべきか?については少し考えてみます
お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座います、感謝です m(_ _)m
以上です