8月度その11:突然ですがシリーズ➡赤方偏移と膨張する宇宙!➡追記あり!
突然ですがシリーズ ➡ 赤方偏移と膨張する宇宙!
膨張する宇宙について、何らかの数値積分計算結果を9月頃には示せないか、と考えていますが途中段階でも理解した内容をまとめておきたい、と思います
今回は「赤方偏移」についてで私は軽く考えていたのですが、とんでもなかった、という内容です
お付き合い頂ければ幸いです
1.まず [赤方偏移 | 天文学辞典] より:
天体の発する光の波長が伸びて観測されることを、赤い側にずれるという意味で赤方偏移という。赤方偏移が起きる原因は三種類あり、それぞれ異なる名前で呼ばれている。
であって、
第1は、相手の天体が相対的に観測者から遠ざかっている場合である。このときの赤方偏移はドップラー効果で説明され、これを運動学的赤方偏移と呼ぶ。
第2は、重力ポテンシャルに起因するものである。重力ポテンシャルがより深い場所から発せられた光は、観測者に到達するまでに波長が伸びる。これは一般相対性理論の効果で重力赤方偏移と呼ばれ、、、
第3は、宇宙膨張の効果によるものである。十分遠方の天体はすべて赤方偏移を示すが、これを宇宙論的赤方偏移と呼ぶ。これは定性的にドップラー効果として説明することが多いが、厳密にはそうではない。天体を発した光がわれわれ観測者に届く間に、宇宙空間が膨張したために光の波長が伸びたのである。
私は、宇宙論的赤方偏移にはドップラー効果(運動学的赤方偏移)を含む、と考えていたのですがそれが違った、別モノとしてとらえる、という事でした
2.「空間の膨張と運動する天体」を思考実験すれば:
右側へ運動している天体があったとして、
この天体の赤方偏移は、空間起因と運動起因のミクスチャーとなるだろう
識別するとすれば、観測結果から分かっているダークエネルギーやダークマターによるパラメータを設定して空間膨張を計算し膨張成分と運動成分を計算上分離する事だろうが、あまり意味があろようには思えない
何故なら遠方銀河であれば空間起因が支配的で近傍天体であれば運動起因が支配的となるからである
近傍天体で運動起因が重要な天体はあって、例えば [アンドロメダ銀河 - Wikipedia] は地球から約250万光年の距離に位置し天の川銀河に対し秒速約122kmで接近している
By Adam Evans
これは光の青方偏位ドップラー効果によるスペクトル観測の結果である(距離はケフェイド型変光星による)
しかし、遠方銀河であればスペクトル観測結果による赤方偏移はすべて宇宙膨張起因であるとしてよい
3.従って赤方偏移は宇宙膨張によってのみ決定される:
現在の宇宙の大きさを"1"とした時、大きさ"0.5"の時に発光した天体だから、宇宙の大きさが"0.5"から"1"になる間にこれだけ赤方偏移した、と計算されるのである
この大きさは宇宙のスケール因子と呼ばれ、宇宙の年齢を表す 137.98±0.37 億年(2013年現在)をベースに、現在の値を1と表す [スケール因子 (宇宙論) - Wikipedia] 無次元量であり、当然、赤方偏移の値から発光当時の宇宙の大きさ(今より"0.5"だった、とか)を求める事になり、
ダイナミックな問いであるスケール因子の進化は一般相対性理論の方程式で決定され、これは宇宙が局所的に等方的で均質な場合のフリードマン方程式により表される。
遠方銀河の赤方偏移は宇宙の大きさの変化(膨張)によってのみ決定される、とは思っておりませんでした、当然ドップラー効果も入ると、、、ですが、遠方であればあるほど膨張による赤方偏移が支配的となる、という事でした
追記:2021/08/22 02:15
東京大学さんの2016年のセミナー資料「空間と時間 宇宙の年齢」:
より、赤方偏移vs実際の宇宙と見かけの宇宙のグラフを作成してみました
実際の宇宙 ➡ 式1.44 p5
見かけの宇宙 ➡ 式1.34 p2
さて、突然シリーズとしてはフリードマン方程式の数値積分解がひとまず出ましたので(もちろん資料に従って、ですが)ここで一旦落着か?と思います
はたして、これを毎月記事アップするシリーズに進化変遷できるのか?はよく分かりません
少し考えてみます・・・
追記終わり
以上、長い間お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です