9月度その15 世界の北方磁場強度シリーズ➡米国気象衛星GOES-17Wの磁力線とその共役点を調べる!
世界の北方磁場強度シリーズ➡米国気象衛星GOES-17Wの磁力線とその共役点を調べる!
先日、準リアルタイムで数日間(3日間)のGOES-17West衛星とVICのデータを比較した記事をアップ致しました
3日間で見る限り、17Wは西経137°時間で11時頃に最大値、VICも西経123°時間で11時頃に最小値を観測しています
この原因を押さえるのには時間がかかりそうで、色々な角度からこの現象を眺めてゆく必要がある、と感じております
特にひとつ気になったのが高度35,880km上空の17Wを通過する磁力線はどのような形状となるのか、その共役点は地表どの辺りに来るのだろうか、VICより南だろうか・北だろうか?です
お付き合い頂ければ幸いです
まず、地磁気一般と当ブログモデルと電離圏一般です
地表の磁場強度マップ2020年は:
ESAより地球全体を示せば、
IGRF-13より北極サイドを示せば、
当ブログの磁極逆転モデルは:
1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである、地球内核は単結晶の固体鉄であって永久磁石として磁場方向を記憶している
2.この1ビット・メモリーは書き換え可能、外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる
[世界初!地球中心部の超高圧高温状態を実現 ~ようやく手が届いた地球コア~ — SPring-8 Web Site] さんの図に説明追加させて頂ければ:
3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである
当ブログの磁気圏モデルは:
極地電離圏における磁力線形状として:
地磁気方向定義とは:
電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
上図は昼の状態で夜から昼への移行モデルを示せば [Ionosphere - Wikipedia] より、By Carlos Molina
電離圏S4シンチレーションマップはオーストラリア政府 [SWS - Section Information - About Ionospheric Scintillation] より
ここからが本文です
米国の気象衛星GOESは [気象衛星 - Wikipedia] より、
GOESは宇宙環境監視システムである。静止軌道上で、太陽から到来するX線や、高/低エネルギー荷電粒子、磁力、陽子、太陽を直接撮影して、地球上の電離層擾乱や衛星の運用警報、宇宙船外活動などに役立てることを目的としている。
GOESは、アメリカ大陸上空の東西に1機ずつ配置され、西経75度にGOES-16Eastが、西経137度にGOES-17Westが配置されています
赤道上の高度35,880kmにあって、GOESは以下のイメージで示される太陽風によって歪められた地球磁場(磁気圏)を地球と一緒に回転しながら測定しています
ここで、
上空1点を通過する磁力線はただ1本で、それを知りたい
のです
古地磁気学と岩石磁気学の基礎 [流線(磁力線)関数] さんに磁力線関数(これを流線関数と言うそうで、知りませんでした!)式7が載っており、式は省いて高度3,5880kmにおける磁力線パターンをグラフ化しますと、以下のごとくとなります
地球半径を1としていますので、高度35,880km(x値6.632となる)を通過する磁力線は上図シアンで示される線で、右側の赤点が17Wです
この磁力線が地表と交わるのは北緯78.34°で、それはVIC北緯48.52°より30°近く北方に位置していました(共役点ですので、南緯78.34°でも地表と交わります)
このグラフは地球双極子を棒磁石とし地表は完全な球であるとした計算モデルから出した結果ですから、実態とは異なりますが、全体を理解する上ではこれで充分と思います
さて、
17Wの共役点はVICよりかなり北にありました
VICもかなり北48.52°にあるので、これは計算結果が出るまで全く予測できませんでした
ここで先日示した2021年9月12日11時〜15日11時(UT)3日間の17W vs VICデータのグラフです
地表では現地時間11時頃に最小値を示し、高度35,880kmでは現地時間11時頃に最大値を観測しているのですから、観測高度を下げてゆけば、
どこかで最大値が無くなる(フラットになる)中間点が存在する
はずです
この辺りを考えてゆけば、段々と解が近づいて来るか?と思っております
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です