なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

11月度その2 世界の北方磁場強度シリーズ➡突然ですが、大規模太陽フレアが発生したとのこと、GOESその他観測点の波形をとってみました!

世界の北方磁場強度シリーズ➡突然ですが、大規模太陽フレアが発生したとのこと、GOESその他観測点の波形をとってみました!

 

宇宙の徒然を語るブロガー「まさきりお(id:ballooon)さん」から昨日コメントを頂き:

10月29日頃、最大級の太陽フレアがありましたね!レベル5と言ってました。

とのことで、

「フレアにより放出されたコロナ(上層大気)のガスは、予想より遅く、10月31日夕方に地球へ到来。その後1日朝にかけ、中程度の地磁気が生じたほか、電離圏の乱れも観測された。日本では南方で短波通信に影響が出た可能性があるという。」

これは日本時間ですね

で、早速GOES-16Eとオタワとフレデリックスバーグとサンファン及び柿岡とキャンベラの波形3日間をとってみました

なかなか面白い結果が出ています、Rioさんコメント誠にありがとう御座いました!

 

今回のニュース発信元NICTさん東京小金井市本部と、日本時間29日00:35に発生した太陽フレア(中央下の明るい部分)提供NASA

情報通信研究機構の本部=東京都小金井市 太陽観測衛星SDOが撮影した大規模な太陽フレア(表面の爆発現象。画像中央下の明るい部分)。日本時間29日午前0時35分に発生した(NASA提供)

です

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

まず、地磁気一般と当ブログモデルと電離圏一般です

地表の磁場強度マップ2020年

ESAより地球全体を示せば、

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当ブログの磁極逆転モデルは:

1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである、地球内核は単結晶の固体鉄であって永久磁石として磁場方向を記憶している

2.この1ビット・メモリー書き換え可能外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる

[世界初!地球中心部の超高圧高温状態を実現 ~ようやく手が届いた地球コア~ — SPring-8 Web Site] さんの図に説明追加させて頂ければ:

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3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである

 

地磁気方向定義とは

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電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより

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上図は昼の状態で夜から昼への移行モデルを示せば [Ionosphere - Wikipedia] より、By Carlos Molina

電離圏S4シンチレーションマップはオーストラリア政府 [SWS - Section Information - About Ionospheric Scintillation] より

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[バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、

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南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

 

 

ここから本文です

1.柿岡におけるK-indexと水平磁場成分Hのグラフ

NICTさん [ホーム | 宇宙天気予報センター] より

柿岡におけるK-Indexは、

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UT31日14時頃にK-indexがレベル5になる地磁気変動を観測した、とあります

K-indexとは、地磁気計で測定した地磁気の水平成分Hの最大変動nTを指数indexで表します

 

その時の柿岡における地磁気強度H成分(水平成分)のグラフは、

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であり、

UT31日14時頃に急速に地磁気減衰

していることが分かります ➡ 磁気嵐に遭遇した時は地磁気減衰なのです、これはまた別途まとめさせて頂きたい、と考えております

 

 

2.GOES-16EとOTT,FRD,SJGの波形グラフです

GOES-16EとOTT

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緑線がUT31日14時で、KAKでK-Index5が観測された時刻です

 

GOES-16EとFRD

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緑線がUT31日14時で、KAKでK-Index5が観測された時刻です

 

GOES-16EとSJG

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緑線がUT31日14時で、KAKでK-Index5が観測された時刻です

 

 

3.KAKとCNB波形グラフです

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Y軸はピッチ50nTかつ上下幅300nTで、すべての波形グラフを揃えています

緑線がUT31日14時で、KAKでK-Index5が観測された時刻です

 

 

まとめ:

1.OTTとFRDの波形は似ている、同経度で電離圏による作用が似ているからである

2.KAKとCNBの波形も似ていて、やはり同経度で電離圏による作用が似ているからである

3.一方、GOES-16EとSJGの波形も似ている

これは、GOES-16E高度35,786km磁力線とSJG高度260km磁力線は、ともに電離圏から外れていて作用が及びにくいからである

4.UT31日14時にKAKではK-Index5を観測し、磁場強度Hがシャープに減衰している

同時刻で、OTTとFRDの磁場強度Xも減衰、KAKとCNBの磁場強度Xも減衰している

これは太陽フレア爆発➡太陽風プラズマ➡磁気圏➡電離圏へ作用して、電離圏を通過する磁力線の磁場を弱めた結果である

一方、GOES-16EとSJGの磁力線は電離圏を通過していないから、太陽フレア爆発の作用はそれほど及ばず、磁力線は影響を大きく受けない、のである

5.今回、極めて大きなフレアの爆発であったようであるが、爆発で放出されたプラズマ塊が地球を直撃しなかったのであろう

KAKのK-Index5Minor storm)がそれを示している

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です