なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その24 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ クールーKOUのマジェンダ24h振動原因を探る!➡追記:新規な磁気赤道座標計算を導入する必要がありそうだ!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ クールーKOUのマジェンダ24h振動原因を探る!➡追記:新規な磁気赤道座標計算を導入する必要がありそうだ!

 

 

追記:2022/04/26 18:45

今回アップした、クールーKOUの磁力線高度148kmですが、これは高すぎる、私の計算方式が間違っているのでは?と調べ、新規な磁気赤道座標計算パッケージを見つけたので、今後それに切り替えます、というお知らせです

尚、本記事は旧計算パッケージの値である高度148kmを使っています

詳細は一番下のまとめに上げてあります

追記終わり

 

 

世界まとめマップの報告です

 

全体をまとめたモデル2022_04をアップしていますが、より詳細に考察を深め、時間をかけて次の詳細モデル構築を進めています

私は、磁場強度の増加(マジェンダの発生)は「磁気濃縮」によって起こり、かつ、「磁気濃縮」によってのみ起こる、と考えております(他に原因はない、という事です)

地表に一番近い磁力線高度をもつグアムGUAに続いて、地表では最も綺麗なマジェンダ分布曲線を描くクールーKOUに着眼し、KOUマジェンダの原因を分析してみました

ので、状況報告です

尚、新たに図aとして成層圏オゾン層を加えました

電離圏を図bとして更新しています、今回は北緯34°東経130°平均太陽黒点数80の時(これはそれなりに多く太陽活動期に当ります)における実測データです、昼間と夜間が明確に区別されています

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、オゾン層電離圏バンアレン帯です

図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより

オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります

 

図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより

密度X軸は対数表示である事に注意!

 

図c:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.観測点と磁力線高度とクールー24hカウント統計です

図1:世界各観測点の位置関係です

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図2:世界各観測点の磁気赤道上の磁力線高度です

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図3:クールーKOUの24hカウント統計グラフです

第1ピークto第2ピークは、LT10.5時➡20.5時で間隔10h

どのような磁気濃縮により、高度148km磁力線に関しマジェンダピークが発生するのか?を考察するものです

 

 

2.高度148kmに至るパスはオゾン層➡中間圏➡電離圏D/E層である

前回述べた成層圏であるが、オゾン分子は常磁性であると考えられ、高度vs分布を図aに示してある

次の中間圏は [中間圏 - Wikipedia] から抜粋しよう(成層圏との境界が成層圏界面電離圏との境界が中間圏界面である)

中間圏の下、成層圏では気温が高度とともに増加するのに対して、中間圏では対流圏と同じように高度(気圧)に比例して気温が減少する。成層圏界面ではオゾン濃度が高いためにオゾンが紫外線を吸収して平均約-2.5℃、高いときには0℃前後あるのが、高度とともにオゾン濃度が減少し、中間圏界面では平均約-92.5℃の低温である。

なるほど〜

中間圏では冬よりも夏の方が温度が低い状態にある。これは冬季に大気下層からの熱が大規模波動によって活発に輸送されるためである。したがって、夏季には中間圏界面では-100℃以下になるので、夜光雲という特殊な薄い雲が観測されることもある。

大規模波動ですか(これが慣性重力波)、これは後で追います

海上から中間圏(高度約80km)まで大気の組成は変わらない、というのがあって [中間圏とは - コトバンク] より、

中間圏を通じて,大気の組成は海面上とほぼ同じ比率を保ち(重い気体と軽い気体の拡散分離は起こっておらず),気圧および密度が海面上の値に比べ,高度 50kmで,それぞれ 1300分の1および 1200分の1,高度 80kmで 10万分の1および 6万6000分の1に低減する。 

そうでしたか、これは重要です!オゾンは90%が成層圏にあるのですが、それは大気組成全体から見れば誤差範囲内、という事になります

 

そうして電離圏です

図4:図bのグラフです

高度148kmですとD/E層を包含します、どちらも夜と昼の差が大きく、昼の方が100〜数100倍電子密度は高密度となります

1.ここで考えなければいけないのは電離に伴うイオンの存在です、図4は電子と中性粒子のグラフでイオンは示されていません、電子と同数のイオンがあるはずです

中性粒子を酸素とすれば、紫外線による電離でO2プラスイオンがあるはずで、これが常磁性となります(酸素イオンはプラスイオンとマイナスイオンがあってかなり複雑で、最終確認を取る必要はあります)

O2プラスイオンはどこに存在するのか?というと、それは電子雲の下部に来ると思われ、図4で高度約100km前後で中間圏を脱した所と考えられます(これも確認する必要があります)

中間圏を脱した所は極めて低温であり、低温状態は常磁性を保ちます

2.一方、電子密度はというと、D層は昼出現し夜消滅、E層は約100倍程度の差をもって昼と夜に存在しています

電子雲の存在はジャイロ運動を起こすので磁場強度を弱める働きをします

O2プラスイオンの常磁性(マジェンダとなる)と電子ジャイロ運動(シアンとなる)が競合してO2プラスイオン(マジェンダ)が勝つ、という考え方もありますが、図3を見て頂ければKOUにおいてはLT9.5・LT10.5・LT12.5時台に最小値シアンが観測された事例はゼロなのです(KOUで986日間観測して)

図4は、1分単位の値を3年間(KOUの場合は有効日986日)観測しての結果なのです、1分でも違えば同じ1時間帯に最大値マジェンダと最小値シアンが存在していても各々カウントされるのです

これは、この時間帯には最小値シアンを作り出す要素が全く存在していない、と私には思えます(但し、LT11.5時台はシアンゼロではない、のですが)

 

 

3.高度100kmにおける大気の気圧変動

以前にアップした大気潮汐のgifがあります

図5:高度100kmにおける大気潮汐 by Jensob

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上空100km付近での大気潮汐。赤が高温低圧、青が低温高圧。2005年9月、人工衛星TIMEDの観測による。

目を凝らして見ますと、KOU位置でLT12時頃には赤(高温)でも青(低温)でもなく、グラフ凡例±0°K辺りシアンを示しています(統計力学では負温度の概念があるそうです、私は知りませんでした、単に相対温度を示しているように見えます)

24h振動を生じているのは間違いのない所だと思いますが、これが電離圏D/E層にどのような影響を与えているのでしょうか?

 

 

まとめ:

1.高度148kmを通過する磁力線パスにおいて、電離圏における昼間のD/E層の電子ジャイロ運動による磁場強度減衰(最小値)が昼間に全く観測されない3時間がある原因は、現在のところ謎です

O2プラスイオンの存在も確認する必要があります

2.24h振動する高度100km付近(E層相当)における大気潮汐がどのように北方磁場強度変動に作用しているのか?現時点では分かりませんが、プライオリティは上記1の方が上と考えています(ひとまずホッとく、という事です)

3.クールーKOU磁力線高度の計算(数値)を間違えていたか?と思い見直しましたが、合っていました

可能性としては、現在行っている磁力線高度の(私が導入した)計算方式が、図1を見て頂ければ分かるように、磁気赤道がほとんど真横近くに来るKOUのケースでは誤差が大きく出るのではないか?があります

図1で示される位置において、GUAは高度24.3km、KOUは高度148kmである事が妥当だろうか?と思えるのです

調べます(これがトッププライオリティです!)

 

 

追記:

新計算パッケージは、英国のBritish Geological Survey さん

[Geomagnetic Coordinate Calculator]

で、磁気赤道座標でのクールーKOU座標値は、

旧:北緯14.09° 東経20.50° であったのが、

新:北緯6.86°   東経22.24° となり、

これですとクールーKOU磁力線高度は、29.6kmとなり、完全に成層圏オゾン層内に包含される事になります

計算モデルを、地球磁気双極子から地球磁気四極子に替えて精度を上げているそうです

従いまして、これから高度データをすべて取り直します、時間がかかりますので、4月の記事アップはこれにて終了とさせて下さい

追記終わり

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!