なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

5月度その14 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フェアバンクス・カレッジCMOの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フェアバンクス・カレッジCMO地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回はフェアバンクスにある観測点カレッジCMOです

中央値が300km付近にあるfoF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、CMOの高度5,100kmは該当しません

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、オゾン層電離圏バンアレン帯です

図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより

オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります

 

図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより

密度X軸はLogスケールである事に注意!

 

図c:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)

 

 

2.フェアバンクス・カレッジCMO3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です

図3:

Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

北緯64.9°と高緯度にあるCMOは変動幅が最大となります(バラツキます)

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

凡例にあります「 ピーク数=1+2」は:

第1ピークはマジェンダで1ヶ所のみ、第2ピークはシアンで他にもう1ヶ所(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

ピーク数=1+2」とはいえCMOは 「2+2」 の形状をしています、即ちどちらも12h振動成分(場合によっては8h成分)を含む、という事です

ここで第1ピークがLT23.1時台にマジェンダとなる原因ですが、オゾン層常磁性)バンアレン内帯電子ベルト(磁力線凍結)が考えられますが、太陽光圧が直接真夜中に作用するとは考えられず、12h/8h潮汐振動の結果、真夜中に最大値を観測する、と考えられます

CMOの位置ですと真夜中にはプラズマシートから荷電粒子が飛来している事が考えられますが、これが磁力線凍結して飛来しているのであればやはり磁場増加(マジェンダとなる)に作用します

 

 

3.フェアバンクス・カレッジCMOとG17Wの波形3日間とFFT結果です

フェアバンクス・カレッジCMOがオレンジ、G17Wがシアンです

図5

同相とも逆相とも言い難いです、CMOオレンジ変動幅は極めて大きくY軸は他観測点より拡大しています

特徴としては、シャープに立ち下がり立ち上がるオレンジラインで図4のLT1.1時台シアンピークでしょう

CMOの第1ピークはマジェンダですが、それほど特徴的に立ち上がる信号は見当たりません(図5のLT23.6時の黒ラインです)、マジェンダは最大値ですから少しでも大きければ最大値となるので、この場合には特徴的な立ち上がり信号はない(要するにバラつくという事で、ピークが図4の23.1時台である)という事です

それに対し、シアン最小値の方は特徴的な立ち下がり動作をしています(シアン原因はバンアレン内帯陽子ベルトのジャイロ運動でしょう、これも12h/8h潮汐振動していれば真夜中に最小値を付けます)

 

 

図5の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図6:

GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例にを示します

 

図5よりフェアバンクス・カレッジCMOのパワーFFTスペクトルを取ると、

図7:

idx4の24h成分が最大ですが、ついでidx5の18h成分、同じような大きさでidx11の7.2h成分が続きます、12h成分はありますがそれほど大きくはないです

CMOFFTスペクトルはそれなりに複雑で、他から外れています

 

 

中間のまとめ:

1.12h潮汐(または8h潮汐)動作を導入すれば、LT23.1時台にマジェンダ第1ピークをつける(図4)も説明が付きます

2.24h成分が極めて強いのは、最小値の立ち下がり信号が規則的でかつ強いからだろう、と思われます

最小値の原因は、この場合、バンアレン内帯の陽子ベルトによるジャイロ運動であろう、と考えています

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!