5月度その19 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ シャンポンCLFの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ シャンポンCLFの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定です、今回はフランス・シャンポンCLFです
中央値が300km付近にあるfoF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、CLFの高度2,380kmは該当しません
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
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1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)
2.シャンポンCLF3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です
図3:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=1+2」は:
第1ピークはシアンで1ヶ所のみ、第2ピークはマジェンダでもう1ヶ所ある(合計でピーク数は3)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
シアンはゼロ検出時間1hを付けて24h振動成分が強いのですが、ほんの僅か12h/8h潮汐振動を含んでいます
マジェンダは第1ピークシアンに食われていますが、12h/8h潮汐振動してダブルピークを付けている、と言っていいでしょう
3.シャンポンCLFとG16Eの波形3日間とFFT結果です
シャンポンCLFがオレンジ、G16Eがシアンです
図5:
これは同相とも逆相ともスグには言い難い、CLFで最小値を付ける黒線LT10.7CLFを移動させてLT12G16と重ねてみれば、まぁ逆相か、と思えます
図5の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図6:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図5よりシャンポンCLFのパワーFFTスペクトルを取ると、
図7:
これは見事にバラけました!が一応、24h>12h>72hにはなっています
idx3は周期36h成分です、地球は本質的に観測点によりますが72h/36h振動成分を持っているのでしょうか?⬅これは無い、と思います
中間のまとめ:
12h/8h潮汐振動が本質の理解に重要であろう、と思えます、現時点で予想される事は:
1.オゾン層 ➡ 低緯度では12h/8h潮汐振動せず24h振動のみ、中高緯度では12h/8h潮汐振動する
2.F/F2層 ➡ 低緯度では影響を与えない、中高緯度では12h/8h潮汐振動する
3.バンアレン内帯陽子ベルト ➡ 低緯度では影響を与えない、中高緯度では12h/8h潮汐振動する ➡ F/F2層と陽子ベルトはどちらもジャイロ運動による磁場減衰効果(シアン化効果)と解釈しているので、これら二つは区別出来ない
4.バンアレン内帯電子ベルト ➡ 低緯度では影響を与えない、中高緯度では12h/8h潮汐振動する ➡ オゾン層と電子ベルトはどちらも磁場増加効果(マジェンダ化効果)と解釈しているので、これら二つは現時点では区別できない、しかしいくら何でも高度差が有り過ぎるので(オゾン層中央20-30km、電子ベルト中央3,000km)、まずは影響度計算から区別出来るだろう
という事で、4のトライに入ります(観測点に各層が与える影響度合を調べる計算、です)
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!