3月度その16 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 2005年3月12日GPSシンチレーションが観測されていたので、波形6日間を取ってみた!
電子航法研究所研究さんの学術誌である電子航法研究所研究発表会(第5回 平成17年6月)に「GPSを用いた電離層プラズマバブルの観測」
[https://www.enri.go.jp/report/hapichi/pdf2005/04.pdf]
と題して、本文中に:
「2005年3月12日に発生したシンチレーションに関して」とあったので、2005年3月10日〜15日まで6日間のKAK北方磁場強度の変動を取ってみました
ちなみにシンチレーションとは「ゆらぎ」の事です
プラズマバブルが発生するとGPS信号にゆらぎが発生し(プラズマ密度が極端に低下するので)、位置情報の精度が落ちるので大問題なのです
尚、本文中に:
「この日(3月12日)の13:10-13:20および13:50-14:00(GPS時刻)において、PRN21のGPS信号において、振幅シンチレーション強度の指数であるS4値が大きくなっていることから、、、」
[4月7日(日本時間)に2度目の「GPS週数ロールオーバー」|衛星測位入門|みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)公式サイト - 内閣府]
秒と週だけで表現する「GPS時」なる記事が出ていました、それによると:
GPSでは「GPS時」と呼ばれる独自の時刻体系が使われています。GPS時はUTC(協定世界時)1980年1月6日午前0時(日本時間の午前9時)を起点としており、(60秒×60分×24時間×7日=)60万4800秒で1週間が繰り上がります。年・月・日や時・分を使わず、現在の時刻を、起点から○週目の○秒目という具合に「週」と「秒」だけで表現する点が特徴です。
へぇ〜、知りませんでした!
一方、「週」数(=週番号)を表現するために割り当てられているのは10ビットなので、0~1023までの数値しか扱えません。値が増えていくと2の10乗、すなわち1024週目にゼロに戻ります。この現象は「GPS週数ロールオーバー」と呼ばれています。
そうでしたか!
すると「この日(3月12日)の13:10-13:20および13:50-14:00(GPS時刻)において」の時刻はUTとなる?
お付き合い頂ければ幸いです
6日間の波形観測とスペクトル:
2005年3月10日から3月15日迄の6日間です
図2:2005年3月10日より3月15日の6日間(UT)
グレー線がUT0時、黒線がKAK_LT10.8時、です
振幅はそれほど大きくありません
Day3が3月12日(UT)です
Day3のLT10.8時の磁場強度は強く出ており、バブルによりプラズマ密度が低下していた事を予想させます
但しDay4のLT10.8時の磁場強度は大きく減衰し、通常の動作に戻っています
特徴的なのはDay5のLT18時頃で、ここで極めて大きく減衰しています
私の今の仮モデルでは:
12日LT10.8時頃に午前中に発生したバブルによりプラズマ密度が薄まり磁場強度は増加した
Day5(3月14日)のLT18時頃に、普段バブルが発生する頃に、蓄積されたバブル群が林下市を超えてクラッシュしプラズマ密度が増大し、大きく磁場強度を減衰させた
となりますが、、、
一方、スペクトルの方ですが、
図3:6日間のスペクトル(振動周期成分)
強度は、6日>2日>36hの順番です
やっと36hが3番目に出てきました!
まとめ
観測を続けます
平穏安定した6日間の波形を取ってみたいです
お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です