3月度その15 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 5月23日磁気嵐が柿岡KAKで観測されたので、波形6日間を取ってみた!
NICTさんサイト [予報 | 電離圏領域 | 宇宙天気予報] より、
図1:
NICTさんのグラフがオブジェクト・オリエンテッドになっていて更新されます(以前は気が付きませんでした)
それは困るのでリンク先を消去した(つもりの)グラフをアップします
果してこれでリンクが外れたかどうかは時間が経ってみないと分かりません
⬆ 3月29日10am、更新されていない事を確認致しました
5月23日から24日(UT)にかけてそれなりの磁気嵐が柿岡KAKで観測されていたので、この時の波形6日間を取ってみました
お付き合い頂ければ幸いです
6日間の波形観測とスペクトル:
2023年5月20日から5月25日迄の6日間です
図2:2023年5月20日より5月25日の6日間(UT)
グレー線がUT0時、黒線がKAK_LT10.8時、です
振幅が非常に大きいです
日付4が5月23日、日付5が5月24日(UT)です
日付1−3はLT10.8時にボトム・ダウンシュートしています
ですが、日付4のボトム・ダウンシュートはUT13時頃で、これはKAKではLT22時頃に相当します
即ち24h統計分布では第2シアンピークの裾の方に位置する、と言えます
そして日付5で再びLT10.8時のボトム・ダウンシュートに戻っています
要するに、磁気嵐によりKAK午前中にプラズマバブルが赤道上で発生成長して磁場強度を増大させる(電子密度が少なくなるので電子ジャイロ運動が弱まる)現象は観測されませんでした
むしろ、第2シアンピークを付ける確率約1/5の通常動作でした
一方、スペクトルの方ですが、
図3:6日間のスペクトル(振動周期成分)
6日間_144hの最大周期が最も強く出ています
36h成分は隠れてしまっています
最大周期が最も強く出るのは磁気嵐時スペクトルの特徴です
まとめ
今回の場合、磁気嵐がKAK午前中におけるプラズマバブル発生させている、という現象は観測されませんでした
しかし、夕方に磁気嵐が発生するとプラズマバブルが発生したとして、何故その時刻近辺でボトム・ダウンシュートするのか理由が分かりません
プラズマバブルが発生すれば電子密度の低い空間が出来て、しかし全体で電子密度は変わらないとすれば、ダウンシュートする理由が分かりません
図1で、磁気嵐は23日UT11時〜13時に発生していますので、23日UT12時のF2世界マップを取ると、
図4:23日12時UTのF2マップ(KAKはLT21時頃)
1日前の22日12時UTでは、
図5:22日12時UTのF2マップ(KAKはLT21時頃)
それほど大きな違いはなく、むしろ22日12時UTの方が電子プラズマ密度が高く見えます
もう少し観測を続けます
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>磁気嵐とプラズマバブルってどういう関係でしたっけ?
それが分からないのです
磁気嵐そのものは:
1.磁場強度は一旦大きく下げて、
2.数日程度で元に戻る(この例では1日)
という動作を地球レベルで行います
図2の日t付け4(5月23日UT12時頃)でダウンシュートしているのがそれでしょう
>磁気嵐は電子密度が低くなるんじゃないんですか?
いえ、電子密度は上がり磁場強度は減衰する、と考えられます
>プラズマバブルが電子密度が低くなるんですよね?
そうです
>そうすると、磁場は強まるのですか!
そうです、磁場強度は増加します(減衰しなくなるからです)
>図4や図5のグレーのところ、電子密度が高いところの磁場は低くなるんですか?
そうです
ですが、1日の最低値はグレー領域に至る手前で常に観測されます
それがKAKでは10.8LTとなります、グレーの手前領域で最低値です
KAK午前中に磁場強度が増加する事があり(減衰しない事があり)、KAK午前中にプラズマバブルが観測された事がある ➡ ここから磁気嵐が発生した時にKAK午前中に何かが起きるのかな?と思って調べました
ですが、磁気嵐の時には、電子密度が増大し磁場強度は弱まる(減衰する)という一般的な動作しか確認されませんでした、という結論です
確かに混乱します、KAK10.8時LTに磁場強度が減衰しないという異常動作を追っているので、混乱するのです
以上でした
コメバック終わり
お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です