4月度その10 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 36h成分がダントツであった柿岡KAK2月1日〜3日前後の波形&スペクトルを追ってみる!
宇宙の徒然を語るブロガー「マサキリオ(id:ballooon)」さんより、2月1日〜3日KAK波形のスペクトルにて「何故こうも36h成分が強いのか?」に関して:
「図1のマジェンタ線で示す凸ピークto凸ピークの間隔が24h以上で36hに近いからではなかろうか?」
とのご指摘に、なるほど〜確かにその通りです!という事で、ではこのような波形がどの程度の頻度でKAKにて観測されるのか?に興味が移り、調べ始めました
現時点の結論を先に述べれば、このような波形をKAKで観測する事は稀ではなかろうか?です
お付き合い頂ければ幸いです
まず、36h成分が極めて強く観測された2月1日〜3日のKAK波形とスペクトルです
図1:オレンジがKAK,シアンはG18W,マジェンタが約36hの凸ピークto凸ピーク
でありました
図2:KAKスペクトルを示すと(Idx3が36h成分)
とダントツでした
そこで2月1日〜3日を中央付近に、1月25日〜2月8日(UT)15日間の波形を取ってみると、
図3:KAK1月25日〜2月8日(UT)まで15日間の波形
シアンは2月1日〜3日(UT)を示します
図4:長周期部分のスペクトルを示すと(Idx11が36h成分)
となり、図3は全体がゆらいでいるので15日周期成分が最も強く出て、Idx11の36h成分は極めて弱いスペクトルであり、24h成分の方が断然強く出ます
ここで、2月1日〜3日前後3日間の波形とスペクトルを調べます
図5:1月29日〜31日(UT)の波形
となり、
図6:そのスペクトルは(Idx3が36h成分)
最も強いのは72h成分で次に24hであり、36h成分は3番手です
続いて、
図7:2月4日〜6日(UT)の波形を取ると
となり、
図8:そのスペクトルは(Idx3が36h成分)
24h > 72h > 36h であり、やはりここでも36は3番手であってダントツには至りません
考察
1.電離圏の影響が支配的なKAK磁力線において北方磁場強度は他観測点に比べ不安定である、と考えられます
36h成分をダントツとする3日間波形は、簡単には見つかりません
2月1日から3日の波形は偶然だったのでしょうか?
2.図1のシアンG18W波形を見ると、KAK36h成分がダントツであった原因は太陽にあった様に見えます(太陽も同じ凸ピークto凸ピークが約36h)
比較のため同じ2月1日から3日のFRDとG16E波形を見ると、
図9:2月1日〜3日のFRDとG16E波形
G16Eは特に凸ピークto凸ピークが36h動作をしておらず24hとなっています
FRDスペクトルも当然24hが強烈となります
図10:FRDスペクトル
であればKAK36h成分は、G18W西経137.2°における太陽周期動作に36h成分が強く現れた事が原因、とも考えられます
もしそうであれば、36h成分の原因は電離圏にあるのではなく太陽活動にある、となります
面白いのは、図1においてG18WとKAKの波形がほとんど同時に凸ピークを付けている事です
両者は約5.5時間の時差があるにもかかわらず、です
これは地球規模で同時に何かが起こっている事を思わせますが、G16E(西経75.2°)では観測されていません(従って地球周回方向の現象ではない!)
3.このような太陽の36h周期動作はG18Wの経度位置固有な動作なのでしょうか?それがKAKに影響を与えているのでしょうか?
ちなみにこの期間のG18Wスペクトルを示すと、
図11:2月1日〜3日のG18Wスペクトル
であって、Idx3の36h成分は格段に強い事はありません
図12:ちなみに4月1日から3日のG18Wスペクトルは、
太陽風または太陽光には元々36h成分がそれなりに含まれており、何らかの理由でKAKでは36h成分が極端に増幅され24h成分が極端に減少する動作が発生するのでしょうか?そしてこれはOTT,FRD,KOUでは発生しない?
4.分からなくなりました!奥は深そうです、観測を続けます
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>それと確かに柿岡は不安定な波形に思えます。
>図5と図7をみると、全然規則性がないように感じてしまいますし(;・∀・)
そこですね!
1/29-31の図5では黒線(LT10.8時@KAK)にてダウンシュート(これがKAK標準)、
2/4-6の図7では黒線にて凸ピーク(これはKAK非標準)、
この入れ替わりが2/1-3であった、と見なせます
難しいです、もう少し観測を続けませんと、、、です
コメバック終わり
以上、お付き合い頂きありがとう御座いました
感謝です!