11月度その9:北方磁場強度シリーズ ➡ NOAAのオーロラ30分予測とは?
NOAA(アメリカ海洋大気庁)に「オーロラ30分予測」なるサイトがありまして、以前から知っていたのですがそれほど深く立ち入りませんでした
今回、地磁気観測点がカナダに絞られた事もあり、再びオーロラに興味を持ち始めまして、このサイトの中身を覗いてみる事としました
お付き合い頂ければ幸いです
(1)NOAAサイトアドレス
Aurora - 30 Minute Forecast | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center
実際には動画のサイトです
興味のある方は是非ご覧になって下さい
図1:
楕円グリーン帯がオーロラ発生場所を示しているのだろう、という事はスグに分かりましたが、30分予測って何が30分なのか?が分かりませんでした
今回は「何が30分なのか?」を追ってみました
(2)ラグランジュL1ポイント
ラグランジュポイントとは、例えば太陽と地球の場合には5ヶ所の安定ポイントがある事を言います
図2:By Baumst
中央黄色が太陽、右側グレーが地球で、L!ポイントとは地球から太陽に向けて存在する安定ポイントで、高度約150万km、いくつかの衛星が既に上がっています
NOAAは、L1ポイントで太陽風プラズマを衛星監視しています
よく知られているように、コロナ質量放出(CME)は発生から地球到達に2〜3日かかります
場合によっては地球は外れる事もあります
そこでL!ポイント衛星で見張っていれば太陽風プラズマ流が本当に到達したか、が分かる事になります
ここでL1ポイントで太陽風プラズマが検出されたとすると、約30分でオーロラ発生に至る、としているのです(本文を読むと、30分から60分、とありますが)
ではL1ポイントからオーロラに至るパスとは、どのようなパスなのでしょうか?
(3)地球夜間側に広がるプラズマシート
オーロラ - Wikipedia より、例によって、
図3:夜間側に広がるプラズマシート
おなじみの図です!
ここで、
① L1ポイントで太陽風プラズマが検出される
② プラズマは地球夜間側へ移動し、プラズマシートを形成する
③ プラズマシートにてプラズマ爆発が発生する(磁気リコネクション)
④ 新たにエネルギーを得たプラズマ流は地球へ戻りオーロラを発光させる
このパスに30分かかる、と言っていたのでした!
知りませんでした!
(4)磁気嵐の大きさを示すKインデックス
L1ポイントは地球から150万kmの高さであり、これは月の約4倍の距離であり、常に安定して太陽風プラズマのデータが得られるとは限らない
ノイズでデータが取得出来ない場合もあるようだ
そこで、そのような場合は磁気嵐の程度を示すKインデックスを使用してオーロラ診断を行う、としている
この場合、予測ではなく、オーロラのリアルタイム実況中継となる、としています
Kインデックスとは、例えば、
予報 | 電離圏領域 | 宇宙天気予報 によれば、
図4:柿岡のKインデックス
この例ではK=4という小さな例であるが、オーロラ診断にはK=7程度が用いられ、値が大きくなるほど難しくなるが、現在はK=8やK=9も扱えるようになった、としている
L1ポイントを使用する30分予測より、Kインデックスを用いた実況中継の方が格段に難しい、としていました
いや〜、面白かった、です!
また何か出てくればアップ致します
コメントバック
リオ(id:ballooon)同志!
コメントありがとう御座います、感謝!
>想像するだけでワクワクするような30分間です。
全く、です
>面白かったです!
ありがとう御座います
ジョン・ホプキンス大学で作られたモデルである、とありました
やはりアメリカって凄いです!
また何か出て来たらアップしますね
以上でした
コメバック終わり
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です