11月度その6 世界の北方磁場強度シリーズ➡突然ですが、DSCOVER衛星とラグランジュ点L1を調べました!
世界の北方磁場強度シリーズ➡突然ですが、DSCOVER衛星とラグランジュ点L1を調べました!
北方磁場強度シリーズでオタワを初め各地の磁場強度と準リアルタイム波形3日間を追い始めた最中ですが、ここで、米国DSCOVER衛星についてアップしておきます
タイミングを逸したくないものですので、、、
18世紀最大の数学者と称されるラグランジュさんとDSCOVER衛星、
です
お付き合い頂ければ幸いです
まず、地磁気一般と当ブログモデルと電離圏一般です
地表の磁場強度マップ2020年は:
ESAより地球全体を示せば、
当ブログの磁極逆転モデルは:
1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである、地球内核は単結晶の固体鉄であって永久磁石として磁場方向を記憶している
2.この1ビット・メモリーは書き換え可能、外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる
[世界初!地球中心部の超高圧高温状態を実現 ~ようやく手が届いた地球コア~ — SPring-8 Web Site] さんの図に説明追加させて頂ければ:
3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである
地磁気方向定義とは:
電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
上図は昼の状態で夜から昼への移行モデルを示せば [Ionosphere - Wikipedia] より、By Carlos Molina
電離圏S4シンチレーションマップはオーストラリア政府 [SWS - Section Information - About Ionospheric Scintillation] より
[バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
ここから本文です
1.NICTさん [現況・トレンド | 地磁気擾乱 | 宇宙天気予報センター] によれば:
図1:11月3日から4日にかけて柿岡の地磁気錯乱K-index
K-index6(Major storm)を観測しています、そして、
図2:対応する柿岡の地磁気強度水平成分H
と、3日から4日にかけて水平成分Hは急速に減衰しています
この時、太陽風のプロトン流が大量に飛来していることが観測されており、
地上35,786kmでGOESがプロトン流を観測していました
しかし、上には上があって、地上約150万kmのラグランジュ点L1ではDSCOVER衛星が太陽風を観測していました
図4:DSCOVER衛星が観測した太陽風
時間軸はすべて揃っています、この図4は図1〜3をダウンロードした際にダウンロードしていたのですが、図が増えすぎてゴチャゴチャするのと説明出来ないので昨日はアップしなかった次第です
NICTさんが時間軸を含むグラフのフォーマットをすべて揃えているので非常に見やすくなっています
図4を上から下へ説明しますと:
1.Bz Btotal
Bzは磁場強度の垂直成分です、赤で示されています
正負がありますが、正は地球中心へ向かう方向、負は太陽へ向かう方向です(冒頭の「地磁気方向定義」をご覧ください)
L1は地球と太陽の中間にあって固定点ですので、これでいいハズです
Btotalは Bz + Bx + By です、黒で示されているベクトル和の長さです、これは正しかありません
2.By Bx
Byは東方成分が正で西方成分が負、Bxは北方成分が正で南方成分が負、です
東方・西方は地球から太陽を見て決定されるので、回転する地球から見て太陽が昇ってくる方向が東です、沈んでゆく方向が西です
北方は北極星のある方向です
どちらも正負があります
ここで、グラフ右側に "Blue: Toword Sun" と "Yellow: Away from Sun" とありますが、恐らくL1ポイント周辺のリサージュ軌道上の動きです(後述します)
本ブログで測定しているのは北方磁場強度XでBxに相当しますので紫です、ほとんどゼロ付近を振動していて4日後半には負(南向き)になっています、このXが南向きというのはGOESも含めて地上で観測されたことはありません!(本ブログ上では、の意味です)Wikiによれば:
地球のバウショックは約100 - 1,000kmの厚さで、地表から約9万kmの位置に存在する。
ですので、DSCOVER約150万kmというと、何とバウショックをはるかに越えた位置にあります!
3.Speed
太陽風の速度でしょう、プラズマ流ですから陽子と電子のミクスチャーです
4.Density
太陽風の密度です
5.Temperature
太陽風の温度です
今後、磁気嵐が観測された時には図1〜4をアップすることを検討しています
2.[ディープ・スペース・クライメイト・オブザーバトリー - Wikipedia] によれば:
DSCOVERは、太陽フレア、プロトン現象など太陽表面の変化を観測するアメリカ海洋大気庁(NOAA)の人口衛星(太陽周回軌道)である。
であって、
地球から太陽方向に約150万km離れた太陽-地球ラグランジュ点L1をリサージュ軌道を描きながら周回する。
L1点の回りを回転する軌道がリサージュ軌道で、これによってL1点で安定するようです
先程のTowrd SunとAway form Sunはこのリサージュ軌道で太陽に向かう時と太陽から遠ざかる時を示しているものと思われます
ラグランジュ・ポイントL1とは、
天体力学における円制限三体問題の5つの平衝解、すなわち天体と天体の重力で釣り合いが取れる「宇宙の中で安定するポイント」である。名はその存在を18世紀後半にオイラーと共に確認したラグランジュにちなむ。
By EnEdC: 図の黄色で示される天体を青色で示される天体が公転しているとき、L1, L2, L3, L4, L5 の点がラグランジュ点。ただし、L1とL2の天体からの距離は、両天体の質量比による。
黄色を太陽、青を地球とした時、
L1 は質量 M 1 と M 2 の 2 物体を結ぶ直線上で 2 体の間に存在する。
であって、
太陽 - 地球系の L1 は太陽の観測を行うのに理想的な場所である。この位置にある物体は決して地球や月に遮られることがないからである。
で、DSCOVERはこのL1ポイントに位置しています、すると、
By NASA/EPIC:地球の表面上を通過する月(2015年7月16日)
こんな画像も取れます!ちなみに月は約38万km上空にあります
L1とL2はM1とM2の質量比で決まり、太陽ー地球の場合はL1が安定点である、ということで安定点であるL1とL2が同時に成立することではない、と理解しました
またL1といえど絶対安定ではなく(要するに三体問題とは太陽と地球以外の第3の天体群による影響を考えるから三体問題で)安定を保つためにL1周囲を運動して微調整する必要があり、これがリサージュ軌道で、リサージュ軌道上で太陽に向かう時がToword Sunだと思います
「思います」というのは詳細を確認した訳ではなく、では詳細まで追うか?というと、もうそこまでは追いません
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です