3月度その14:地球磁極の不思議シリーズ➡南大西洋地磁気異常とは?➡追記あり!
地球磁極の不思議シリーズ➡南大西洋地磁気異常とは?
本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎたからです
そこでナントカ定期更新可能なテーマを見つけたい、と現在四苦八苦しております
まだまだ定期更新可能なテーマが見つかった訳ではありませんが、南大西洋に見られる異常な地磁気減衰についてアップしたい、と考えております
と申しますのも、宇宙の徒然を語るブロガー「まさき りお(id:ballooon)」さんが昨日の記事で:
「南大西洋異常帯」と呼ばれてる磁気の弱いところとかはどうなんでしょうか?
なるコメントとESAのサイト情報を頂きまして、あぁあの南米で地磁気が異様に弱い領域ですね?と思ったのですが、まともに調べた事はなかったので、今回指定されたESAサイト情報から追ってみました
お付き合い頂ければ幸いです
まず基本情報として地球表面の磁場強度マップ2000年です
図1:地表の磁場強度分布図(全磁力2000年)
2000年当時の磁北極と磁南極位置(方位磁石が90°下を向く位置)を緑丸黒縁で示しています
図1を見れば、磁場強度が強い領域は、カナダ東部・バイカル湖北部・南極大陸オーストラリア直下、の3箇所である事が分かります(磁北極直下には存在しない!)、カナダ東部とバイカル湖北部はS極、南極大陸はN極の磁場です
そしてESA(European Space Agency)さんのサイト
[ESA - South Atlantic Anomaly impact radiation] より動画です
ESAは3基の衛星を使い地球磁場を観測しており(これをSWARMと言う)、その観測結果のひとつで、2014年〜2019年の5年間の観測で、放射線異常値を検出した箇所を白ポチで示している
動画は50秒です
最終結果のマップを示せば、
図2:2014年〜2019年SWARM放射線異常値検出累積マップ
となります
考察:
1.南大西洋と南米中央には放射線異常値検出がこの5年間で異様に蓄積されている、これは地磁気による磁気シールドが弱い領域である事を示している
2.北極部と南極部の周囲でも異常値検出が蓄積されているが、これはオーロラ発生領域(オーロラ帯・オーロラベルトと言う)であるように思える、オーロラ帯では放射線異常が観測されやすいのかどうか、今すぐには(私には)分からない
3.それでも、2000年における磁場強度が強い領域(カナダ東部・バイカル湖北部・磁南極位置)での放射線異常は少ないように見える
4.加えて、放射線異常は赤道領域ではほとんど見られない、これは赤道帯では磁気シールドが厚い事を意味しているが、特に赤道帯で地磁気の磁場が強い事はなく、別の原因だろう(太陽風は赤道帯で押しのけられるのかどうか、今すぐ私には分からない)
従って、南米中央は太陽風が強い(放射線が強い)という事は言える、ここで放射線とはアルファ・ベータ・ガンマのどれか?だけれども、ガンマではないだろう
追記:2021/03/16 20:00
ESAさんのサイトを探していたら、[ESA - Magnetic field] なる動画があり、そこから関連するスナップショットと取ると:
左から太陽風が吹き寄せており、地球が磁気シールドにより太陽風をはねのけている図なのですが、やはり北極と南極には太陽風が入り込む領域があります
これはオーロラ帯で、やはりこれが白ポチの原因でした
以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました
感謝です