なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

11月度その16 オゾン全量シリーズ➡西経60°赤道0°(クールーKOU付近)の精度を上げたオゾン全量をグラフ化し黒点数と比較し、KOU磁場強度変化とも比較する!

オゾン全量シリーズなるものを立ち上げます

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

1.全体概要を見る

まず、クールーKOU付近の西経60°(北緯30°、赤道0°、南緯0°)の短いラインに着目し、この3点のオゾン全量の色を目視で拾います

地球全体から見ればホンの僅かな領域(それも線!)ですが、点であるクールーKOUポイントから見れば全体概要なのです

例えば、2022_05で言えば:

図1:2022_05オゾン全量マップ

北緯30°:シアン(280-310)、赤道0°:紫(220-250)、南緯30°:薄いブルー(250-280)

となります

ここで、シアンなり紫なりは値に幅がありますが、この中間点を取ってその色のオゾン全量とします

これを2019年11月から2022年10月までの3年間・36ヶ月分の値を拾います

最新データは9月ですので、10月は9月と同じデータとします

 

こうして36ヶ月の3点におけるオゾン全量推移をグラフ化したものが図2です

図2:西経60°(北緯30°,赤道0°,南緯30°)各点のオゾン全量36ヶ月の推移

グリーンが北緯30°

マジェンダが南緯30°

オレンジが赤道0°、です

NOAA黒点数の推移も加えてあります(右目盛)

 

見て取れる事は:

1.まずオゾン全量は北緯30°>南緯30°>赤道0°、と言えそうです

2.赤道0°は谷間で常にオゾン全量は低い、となります

3.季節変動は、春から夏にかけて北緯30°のオゾン全量は多くなる

  北半球の秋から冬は南緯30°のオゾン全量が増加する

4.変動幅は北緯30°で約60程度、南緯30°で約25程度、赤道0°で約25程度です

5.黒点数に依存した変動をしているかどうか、これからは分かりません

 

 

2.西経60°赤道0°ポイントに絞る

クールーKOUは北緯5.2°,西経52.9°に位置し、KOUに至る磁力線パターンの共役点は南緯15.4°,西経49.8°であって、これであれば北緯0°,西経60°の1点のオゾン全量を調べれば充分です(ちなみにKOUに至る磁力線パターン高度は29.5kmであって、これでオゾン層の影響のみを分析すれば充分なのです)

そこで、西経60°赤道0°オゾン全量の精度を上げます

それには水平方向に3点取って平均すればよろしい、例えば、2021_05のマップを取れば、

図3:2021_05オゾン全量マップ

赤道0°において西経90°,60°,30°の3点を取り平均するのです

西経90°:薄いブルー

西経60°:紫

西経30°:薄いブルー

ですのでこの3点の平均を取れば西経60°の値は薄いブルー側に引っ張られます

 

こうして36ヶ月分のデータを西経90°,60°,30°で取り直し、平均を取って西経60°赤道0°におけるオゾン全量変動と黒点数変動を重ねますと、

図4:

明らかに直近1年は黒点数の増加に比例してオゾン全量が増加している事が分かります

 

 

3.クールーKOUの最大値-最小値変化と西経60°赤道0°のオゾン全量変化を追う

そしてKOUの北方磁場強度変化です、KOUはこの3年間でゆっくり減衰していますがそれは地球磁気双極子の減衰から来る全体の話で、これを取り除く必要があります

KOUの波形を見れば、

図5:KOUの波形

このようにKOUは凹字型波形をしていますので、最大値から最小値を引いた結果の変動がオゾン全量の変動と関係するのか?を調べればよい事になります

 

その結果を以下に示します、マジェンダがKOU最大値-最小値の変化でオレンジが西経60°赤道0°オゾン全量の変化です

図6:

驚きました!

最初の2年間は同相で変化しています!

直近1年の前半6ヶ月は逆相で、再び同相に戻っています

36ヶ月を6ヶ月単位で表現すれば、5/6は同相、1/6が逆相、であったのです

これは、KOUの北方磁場強度の月変化は、オゾン全量の月変化に従う(同相となる)

そして、KOUの北方磁場強度の最大値はオゾン分子の持つ常磁性が原因である、としてよいでしょう(仮定として、です)

1/6の例外(逆相となる)は、可能性として、図4の直近1年の前半6ヶ月の黒点数を見ると異常に増加しており、その増加にオゾン全量は追従できていない事が分かります

従って、図6の直近1年の前半6ヶ月は異常に増加した黒点がオゾン全量以外に作用して、KOUはそれを感じて(作用を受けて)最大値-最小値を増加させた、という可能性があります

私は、磁場強度を増加させる原因はオゾンのみであって、電離圏F/F2は反磁性で減衰させる効果である、と思っていました

が、図6はオゾン以外にも磁場強度を増加させる原因がある可能性を示しています

それは一体何なんでしょう?

直近1年の冬から春にかけてオゾン全量は増加していないのに最大値-最小値が極端に増加する原因は、以下が考えられます

1.オゾン以外にも磁力線を強める常磁性物質がある

2.西経60°赤道0°地点のオゾン全量は、左右の精度は3点測定で高めているが、上下は1点測定であって精度はそれほど高くない

従って図6の2022年春のオゾン全量は低く出ているが、これがもっと高い可能性があり、そうであれば直近1年前半6ヶ月も同相(逆相でなく)である事になる

3.急激に増加する黒点活動が最小値をより下に引き下げる作用をしている

図7:365x3 1ヶ月平均

 

図8:365x3 日単位最大値最小値の表示

2022年春は最小値がより強く下がっており、この結果、最大値-最小値が大きく出る

KOUの24h変動統計によれば、

図8:

KOUのLT20.5時台に下げるという事で、黒点活動が急激に増加すると夜間にアンダーシュートが激しくなる(例えば図5の3日目の真ん中辺り)何らかの原因がある

で、私は2または3が原因だろう、と考えています

 

 

コメントバック

リオ同志(id:ballooon)!

コメントありがとう御座います、感謝です

 

>確かに同相です!!

全くです、驚きました!

現在、左右だけでなく上下方向の精度をもう少し上げるか、と考えています

 

以上です

コメバック終わり

 

 

以上、お付き合い頂きありがとう御座いました

感謝です