なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

11月度その19:北方磁場強度シリーズ ➡ 平穏時と磁気嵐とイエローナイフYKCとフォートチャーチヒルFCCと!?

今月に入ってからの平穏時と磁気嵐時の波形とスペクトル解析から、オーロラ帯に属する観測点の24h成分の特異性が際立ってきたように思えます(不動の24h成分!という印象です)

今回はそれをまとめておこう、と思います

代表例はイエローナイフYKCでしょう、対比のためフォートチャーチヒルFCCも取り上げ、まとめます

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

1.YKCとFCCの位置関係と各観測点の波形とスペクトル

図1:位置関係

 

 

磁気嵐時11月20日〜22日の波形とスペクトル

図2−1:YKCとG18波形

 

図2−2:YKCスペクトル

 

以下FCCの波形Y軸スケールをYKCと合わせました、これで目視で比較できます

図3−1:FCCとG16波形

図2−1YKCと図3−1FCCを比較すれば、YKCの方がよりダイナミックに動作している事が分かる

 

図3−2:FCCスペクトル

 

 

2.オタワOTTセットとビクトリアVICセット各観測点の24h/12h/8h成分のグラフをまとめる

まず、磁気嵐時11月20日〜22日3日間の結果をまとめると:

図4−1:オタワOTTセットの24h/12h/8h成分表示

 

オタワOTTセットY軸と合わせてビクトリアVICセットも4.0e+10表示すれば:

図4−2:ビクトリアVICセットの24h/12h/8h成分表示

ビクトリアVICセットのスペクトルはオタワOTTセットに比べ輝線強度は弱い

 

 

一方、平穏時11月8日〜10日3日間はどうであったかと言うと:

図5−1:オタワOTTセット

 

図5−2:ビクトリアVICセット

FCCの24h成分ポイントは下の2.0e+10辺りの空色マークの下に隠れている!

平穏時にFCCの24h成分はオーロラ帯で最も弱いのである!

 

 

比較考察:

YKC、FCCどちらも磁気嵐時に24h成分が最も強いから、24h成分に絞ってスペクトル強度の比較をする

平穏時の比較は:

YKC = 1.1e+10、FCC = 0.2e+10 ➡ YKC/FCC = 5.5倍 

磁気嵐時の比較は:

YKC = 3.5e+10、FCC = 2.0e+10 ➡ YKC/FCC = 1.75倍

という結果になった

まとめると:

1.YKCの24h成分はカナダ北部で最も強い、これは平穏時でも磁気嵐時でも最も強い

一方FCCは平穏時にオーロラ帯で24h成分が最も弱い

2.磁気嵐時でもYKC24h成分は絶対値で最も大であるが、

平穏時から磁気嵐時へのスペクトル強度増加率で言えばFCCの方が大である

3.平穏時から磁気嵐時へのスペクトル強度増加率は:

YKC = 3.5/1.1 = 3.2倍、 FCC = 2.0/0.2 = 10倍、である

 

別の観点から議論しよう、OTTに着目する

磁気嵐時図4−1のOTTと平穏時図5−1のOTTを比較すれば、そのエネルギーはほとんど変わらないのである

ではVICの場合はどうであろうか?

図5−1でY軸を1.5e+10としたのに対し、図5−2でY軸は1.5e+09としてしまっていた(1/10の高さである)

次回から図4も図5もすべて4.0e+10に揃えます!

即ち、平穏時も磁気嵐時もすべて4.0e+10で揃えて眺めてみよう、という事です

 

いずれにせよ、磁気嵐時にオーロラ帯の地磁気強度は躍動する、磁気嵐のエネルギーを吸い取って

11月20日から22日の磁気嵐は、それほど大きなものであったとは思えない

もっと大きな磁気嵐が来たらどうなるか?それは測定してみないと分からない!

 

 

 

尚、地磁気データはカナダ地磁気データさん [Digital Data from Canadian Magnetic observatories] からダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロードしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です