11月度その27:北方磁場強度シリーズ ➡ 太陽風の初期加速メカニズムを調べる、JAXAさん「あかつき」レポート!
前回「11月度その26」において、太陽風プラズマでは、電子流の方が陽子流より早く地球に到達しているのではないか?という疑問(指摘)を行いました
その護、調べました所、JAXAさん資料に関連すると思われる内容記事がありましたので、ご紹介です
お付き合い頂ければ幸いです
状況と致しましては、
図1:11月23日〜25日の柿岡におけるKインデックス観測
この3日間におけるElectron Fluxは、
図2:23日〜25日のElectron Flux波形、G16
一方Proton波形は、
図3:23日〜25日のProton Flux波形、G16
であって、これは電子流の方が陽子流より早く地球に到達しているのではないか?と思わせる観測でして、調査致しました
結果:
JAXAさんより、以下のレポートがありました
JAXA | 太陽風はどう作られるのか? ~金星探査機「あかつき」が明らかにした太陽風加速~
これによると、
JAXA宇宙科学研究所と東京大学の研究者らは、金星探査機「あかつき」を用いた電波観測などによって、太陽の近くから太陽半径の約20倍離れた場所までの太陽風を調べ、太陽半径の5倍程度離れた距離から太陽風が急激に速度を増していることがわかりました。
という事で、加速メカニズムは、
太陽から離れた場所での太陽風の加速には、太陽風の中を伝わる波をエネルギー源とする加熱が関わっていることも明らかになりました。
波とは、ここでは音波、だそうです
図4:太陽風(コロナ)の速度と温度の太陽からの距離による変化。
太陽表面から太陽10半径〜20半径の位置で、太陽風の速度と温度は急激に上がる、この加速メカニズムが不明であった
金星探査衛星「あかつき」が太陽近くを通過する際、超高安定発振器で生成した周波数の安定した電波を「あかつき」から送信し、この電波が太陽の近くを通過したあと地球に届くのをJAXA臼田宇宙空間観測所で受信しました。
図5:太陽付近を通過するパスと太陽付近を通過しないパス
太陽風の中にはプラズマの細かな濃淡があり、これが太陽風に流されて電波の経路を横切ると、地上で受信する電波の強度が星のまたたきのように揺らぎます。この揺らぎのパターン(スペクトル)を分析すると太陽風の速度がわかるのです。また、受信電波の周波数も同時に揺らいでいて、これを分析するとプラズマの濃淡の空間構造がわかり、音波などプラズマ中を伝搬する圧縮性の波動を検出することができます。
この結果:
1. 太陽風の速度が太陽の近くでは30〜60km/s(時速10〜20万km)とかなり遅いこと
2. 太陽半径の5倍程度の距離から急激に加速して400km/s(時速150万km)に達すること
3. 太陽風の中に低周波の音波(周期1分〜数十分)と思われる周期的な密度変動があること
4. この音波のエネルギーが太陽半径の5〜10倍という距離において最大となること
5. 音波の振幅はかなり大きく、高いエネルギーを持っていること
が分かったそうです
図6:太陽風の速度と音波
まとめ:
JAXAさんの金星探査機「あかつき」レポートは大変役に立ちました、感謝です
尚、地磁気データはカナダ地磁気データさん [Digital Data from Canadian Magnetic observatories] からダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロードしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です