11月度その30:北方磁場強度シリーズ ➡ 磁気嵐の程度を示す、K指数とかKp指数とは何だ?
このブログの場合はNICTさんの、
予報 | 電離圏領域 | 宇宙天気予報 に出ているグラフより、
図1:柿岡のK-index
にて柿岡K-indexを使用参照していますので、Kp-indexではなかったです!
が、何が違うのだ?
一度調べた記憶はあるのだけど、よく違いが分からなかった
で、この際、調べておこう、という事です
お付き合い頂ければ幸いです
英文WIki K-index - Wikipedia から引用します
京都大学さんの「Kp指数について」より:
Kp指数は1949年にドイツ・ゲッチンゲン大学の Bartlesによって考案された指数であり、 現在はドイツのGFZ Potsdamによって算出されている。 この指数はサブオーロラ帯 (オーロラが頻繁に見られる領域の少し赤道側) でのUT3時間の地磁気擾乱の振幅を対数的に、 28段階で (静穏な順に 0,0+,1- ... ,9-,9) 表現したものであり、 地磁気の擾乱の程度を表す指数として比較的広く使われるほか、 地磁気静穏日・錯乱日を決定するのにも用いられる。
Kp指数の算出:
Kp指数はサブオーロラ帯にある13ヶ所(現在)の観測所のK指数をもとに作られている。 したがってKp指数の算出法を知るにはまずK指数の算出法を知り、 さらにK指数からKp指数を求める方法を知る必要がある。
ここで:
K指数は各観測所において、UT3時間に地磁気擾乱がどれだけあったかを、 擾乱の大きさをもとに指数化したものである
Kp指数であるが、各観測所で算出されているのはK指数であるが、 K指数の各観測所ごとの地方時や季節ごとのばらつきを補正するために、 K指数から変換テーブルを用いて、 各観測所・UT3時間ごとの28段階の値に変換したのをKs指数と呼び、 ここからKp指数を求めている
と、かなり複雑、です
オーロラ帯とその南側にあるサブオーロラ帯に属する13観測点とは:
図2: 現在Kp指数算出に使われている13観測所
観測所名 | ABBコード | 地理緯度 | 地理経度 | 地磁気緯度 (2015年) |
K=9 |
---|---|---|---|---|---|
Lerwick | LER | 60.133 | 358.817 | 61.67 | 1000nT |
Meanook | MEA | 54.616 | 246.653 | 61.17 | 1500nT |
Sitka | SIT | 57.060 | 224.670 | 60.20 | 1000nT |
Uppsala | UPS | 59.903 | 17.353 | 58.37 | 600nT |
Eskdalemuir | ESK | 55.317 | 356.800 | 57.42 | 750nT |
Ottawa | OTT | 45.403 | 284.448 | 54.88 | 750nT |
Brorfelde | BFE | 55.625 | 11.672 | 55.22 | 600nT |
Wingst | WNG | 53.743 | 9.073 | 53.85 | 500nT |
Hartland | HAD | 51.000 | 355.517 | 53.48 | 500nT |
Niemegk | NGK | 52.072 | 12.675 | 51.64 | 500nT |
Fredericksburg | FRD | 38.200 | 282.630 | 47.66 | 500nT |
Canberra | CNB | -35.315 | 149.363 | -42.04 | 450nT |
Eyerewell | EYR | -43.410 | 172.350 | -46.63 | 500nT |
私はミーノックとオタワとキャンベラくらいしか知りません
問題は、一番右側のK=9を示すnTで、各観測点においてUT3hの観測でK=9を示す地磁気擾乱幅を推定しnT表示しています(KにしろKpにしろ、地磁気擾乱を示す指数です)
が、この地磁気擾乱nT値が同じK値に対して、観測点によって全く異なるのです
この点は英文Wikiも取り上げていて:
最大擾乱RをnTで示す疑似Logスケールの指数であるK指数については、観測点によって異なるRnTを示す
高緯度観測点のK指数は、同じK指数について、低緯度より大きな擾乱RnTが必要となる
例えばGodhavn(グリーンランド)でK=9を出すにはR=1500nTが必要であるのに対し、ホノルル(ハワイ)でK=9とするにはR=300nTで充分なのである
この辺りになって来ると、もう訳が分かりません
が、恐らく、ひとつの磁気嵐が地球を襲ったとして、その磁気嵐が高緯度に与える磁気擾乱HnTと低緯度に与える磁気擾乱LnTは異なる
しかし、同じひとつの磁気嵐なので、高緯度でも低緯度でもこの磁気嵐に対し同じK値を与えたい
で、実際にひとつの磁気嵐が高緯度に与える擾乱HnTと低緯度に与える擾乱LnTでは、HnT > LnTである事が分かっていて、この補正を常時かけてゆきたい、という事だと思います
いや、複雑ですね?
結論として:
1.ドイツGFZポツダムから開示されるKp-indexなるものを、本ブログは参照しておりませんので、特に問題は無い事
2.NICTさんから開示されるK-indexを使用参照しておりますが、まずこれはK指数であってKp指数ではない事、従って柿岡単体での地磁気擾乱を示す指数であるが特に問題のない事
にて進めたい、と考えております
磁気嵐が起きた、として柿岡で例えばK=7が計算設定されたとして、はたしてドイツGFZポツダムはKpを幾つに設定していたのか?が気になっても気にしない事です
柿岡と同じK=7だったんじゃないですか?と思っていればよろしい!
それより磁場強度の測定やElectron FluxやProton Fluxの測定に進み、各観測点の結果を比較し、考察する事です
尚、地磁気データはカナダ地磁気データさん [Digital Data from Canadian Magnetic observatories] からダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロードしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です