7月度その5:USGS高緯度BRW/CMO地磁気波形とフーリエパワー・スペクトル(7月1/2/3日)
GOES衛星に続いてUSGS観測点です、高緯度のバローBRWとフェアバンクスCMOから行きます
図1:USGS観測点
アラスカにバローBRWとフェアバンクスCMOが見えます、どちらもオーロラ帯に位置しています
図2:観測点の磁気赤道上磁力線高度と地軸赤道上高度
▲が磁気赤道上、▲が地軸赤道上です
BRW:6,100km(磁気赤道)、5,330km(地軸赤道)
CMO:5,100km(磁気赤道)、4,508km(地軸赤道)
図3:柿岡K-index 7月1/2/3日
K-indexは2または3と極めて静穏な7月1/2/3日です
図4:BRW地磁気波形 変化分
振れ幅は最大で±250nTといった所でしょうか
図5:BRW地磁気波形 絶対値
BRW北方地磁気強度は平均で約9,100nT程度です
図6:BRWフーリエパワー・スペクトル
図4、図5の波形で、これだけ24h成分が強く出ますか!
LT18時頃のアップシュート凸が効いている、という事だと思います
振れ幅は±100nTチョットといった所でしょう、BRWより少ないです
平均値は約12,220nT程度で、これはBRW約9,100nTよりかなり大きいです
CMOはBRWより磁気赤道高度も地軸赤道高度も低いので地磁気強度の平均値はBRWより小さく出るかと思っていました、これは以外な結果です!
やはり図7や図8LT18時頃のアップシュート凸が効いているようです、全体として乱れた印象があるのにここまで24hエネルギーが強く出るのは以外です(BRWも)
考察:
1.前月6月に以下の記事で、
6月度その20:北方磁場強度シリーズ ➡ フェアバンクスCMO_LT0時ダウンシュートの謎を追う! - なぜ地球磁極は逆転するのか?
磁気嵐時CMO独特の波形原因を追いました
図10:2024年6月15/16/17日の柿岡K-index
K-index = 5と4が混在する3日間でした
図11:CMO_LT1時頃とLT9時頃に現れる特徴的なダウンシュート凹
この時は特徴的なダウンシュート凹の原因を考察したのですが、フーリエパワー・スペクトルは取りませんでした
磁気嵐時の特徴的なダウンシュート凹の原因考察も重要ですが、静穏時に24hスペクトルこれだけ強く出る図7図8のLT18時頃のアップシュート凸原因の考察も重要です
今後はフーリエパワー・スペクトルまですべて取ります!
2.6月度その20:では以下のサイトより、
大気のてっぺん50のなぜ|32.どうして電離圏には電流が流れているの?
図12:北極域_電離圏における対流電流にて議論を進めています
LT18時頃というと上から見て左側の対流の腹の部分に当ります
さて、ここで地磁気最大値を観測する原因とは?
3.図12左側の対流電流では電流は反時計方向に回り、本ブログが提案した対流電流モデルも反時計方向ですから、
図13:本ブログ提案の北極域_対流電流モデル
どちらのモデルにしてもLT18時頃には電流方向右ネジの磁力線が形成されますので、図12より北緯60度もしくは北緯70度では下降する磁力線が形成され磁場を強める結果となります(アップシュート凸を形成するという事)
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝なのです m(_ _)m