6月度その10:磁気嵐シリーズ ➡ 6月8日/9日/10日と3日間に渡りGOES衛星が観測した異様な陽子線束密度の上昇は何なんだ?! ⬅ 地上観測点にコロラド・ボルダーBOUとプエルトリコ・サンファンSJGとベイセントルイスBSLとグアムGUAを追加
地上観測点にコロラド・ボルダーBOUとプエルトリコ・サンファンSJGとベイセントルイスBSLとグアムGUAを追加しました!
最後の所にあります
6月7日9時から18時まで柿岡で観測されたK-index=4群について昨日、
6月度その9:磁気嵐シリーズ ➡ 磁気嵐レポートは、こんな感じになります! - なぜ地球磁極は逆転するのか?
をアップ致しました
その時の図10:G18陽子線束グラフが6月8日にスケールオーバして異様に上昇しておりました
本日はその辺りを、測定日をずらして、詳しく観測してみたいと考えております
お付き合い頂ければ幸いです
柿岡K-indexで現在の最新5日間グラフがこれです、6月8日は含まれています
図1:柿岡K-index 6月8日〜6月12日
GOESが8日に観測した異様な陽子線束上昇時、柿岡K-indexは平穏な緑のQuiet状態が続いていました
GOES衛星の6日間は、6月6日〜6月11日となります
図2:G16/G18北方磁場強度(6日間)
ここでG16とG18は非常に似た波形ですので、G18に絞って提示してゆきます
図3:G18単独の北方地磁気波形 絶対値表示
図4:G18X線量の推移
図5:G18電子線束の推移
図6:G18陽子線束の推移
これです、陽子線束密度の異様な上昇とは!何なんだ、これは?!
これはG16につぃても同様でした
上昇は8日に始まり、9日/10日と続き11日でも収まっていません
8日/9日/10日について:
図5の電子線束は特に変化はありません
図4のX線量については8日と10日に少し大きなピークを観測しています
図3のG18地磁気波形については8日直前と10日に大きなピークを観測しています
アラスカ・フェアバンクスCMOですが、今回は3日間のデータダウンロードのみが可能でした、4日間を指定すると全く動かなくなります
従って今後CMOを含むアメリカ地上観測の準リアルタイム観測は3日間となります
しかし、ベイセントルイスBSLは3日でも動かず2日にて処理しています
7日9時から18時に柿岡で磁気嵐K-index=4群が観測されていますから、CMOでは7日お昼過ぎに大きなダウンシュートを観測しています
その後、8日には大きな凸反動のアップピークが現れています
凸反動アップピークは8日のみで収まっていますが、図8の異様な陽子線束密度の上昇は凸反動アップピークと関係している可能性があります
そもそも磁気嵐時に地上地磁気波形は大きなダウンシュートを起こす前に少しアップします(図7でも観測されています)
そうして磁気嵐のダウンシュートが終えると反動でアップピークが出現するのでしょう
それにしてもアップピーク継続期間はせいぜい1日ですが、、、
図8:BOU地上地磁気波形(3日間)変化分表示
図7のCMOとは波形が異なります、BOUでは毎日LT12時頃にダウンシュートが見られます
この辺りは考察してゆく必要があります
ボルダーBOUはコロラド大学のある街で、コロラド大学は宇宙開発研究で有名な大学です
図9:SJG地上地磁気波形(3日間)変化分表示
何と、図7:CMOや図8:BOUとは全く反対の波形になっています!
これは驚きました!
磁気嵐の時には赤道上空にリングカレントが東から西に流れ、リングカレントが作り出す南から北へ向かう磁力線を弱める方向に地球は反応する、南から北へ向かう磁力線は平時の地球磁力線の方向であるから、平時の磁力線を弱めるように地球は反応するのである
従って地球の磁力線磁場は必ず減衰する、北半球でも南半球でも
⬆ これ、間違ってます!
正しい解の検討が必要です!
ベイセントルイスBSLは3日ではダウンロード出来ず2日としました
図10:BSL地上地磁気波形(2日間)変化分表示
これは面白い波形です!
7日の夜遅くアップピークを形成しているのは、磁気嵐によるダウンシュートの反動でしょうか?
軽々しいコメントは控えた方がよさそうです
BSLの波形も磁気嵐時の地磁気応答解明に重要なヒントを与えてくれているように思えます
図11:GUA地上地磁気波形(3日間)変化分表示
GUAは磁気赤道に最も近い観測点です
リングカレントは地軸赤道上を流れているのか、磁気赤道上かについて推論したいのです
GUA波形はLT12時頃に最大値ピークを観測しています、磁気嵐の影響はほとんど受けていないように見えます
LT12時頃に最大値ピークを迎えるのはGOES衛星と同じです(図3)
磁気嵐の影響はGUAよりG18の方が受けているように見えます
CMOが中央上部に、BOUが中央右側に、SJGが右端、SJGの左側にBSL、一番左側にGUAが見えます
まとめ:
1.磁気嵐発生後、後工程のフェーズで、異様な陽子線束密度の上昇現象をまとめ、報告した
2.磁気嵐の後工程における動作について、もう少し勉強する必要があるだろう
要するに反作用である、磁気嵐時ダウンシュートに対する
それが陽子線束密度の急上昇になって現れるとは?
もしかすると磁気嵐の反作用ではなく、大量に降り注いだ陽子線束の反作用?
3.CMO/BOUの地磁気波形とSJG地磁気波形が180度反対となる説明が付かないのは大問題である!
ここは磁気嵐時に発生するリングカレントについて詳細に検討し、納得のゆく説明解が必要である!
BSL波形も大いに役立つだろう
⬆ これらは各観測点の緯度が関係しているのである
各観測点の緯度は磁力線高度を決定する
リングカレントの流れは高度に依存しているのである
以上、お付き合い頂きまして誠にありがとう御座いました
心より感謝申し上げます m(_ _)m