12月度その25:プラズマ流加速メカニズムが分からない、、、 ➡ 「あらせ」⬅ この辺りが最前線?!
前回の記事「12月度その24」をまとめ、
その後、磁気モーメントやラーモア振動数などを調べても、
オーロラ発光に至る高速プラズマ流が生成されない、
結局、プラズマ粒子の加速メカニズムが分からない、
という事が分かった!
ここで、論文というよりは発表記事で分かりやすく、
この辺りが最前線?という記事を見つけましたので、
簡単にご紹介です!
お付き合い頂ければ幸いです m(_ _)m
それはJAXAさん、特集:ジオスペース探査衛星「あらせ」であって、
に全体まとめがあり:
図1:エネルギー階層
図1の説明文として:
ジオスペースに存在するプラズマ粒子分布と、波動粒子相互作用を介したエネルギー階層間結合の模式図(各エネルギー階層の図は、Ebihara and Miyoshi (2011)にもとづく)。6桁以上にわたって異なるエネルギー階層にプラズマ粒子が共存し、波動粒子相互作用を介して、エネルギー階層間の動的な結 合が発生し、放射線帯の消長など、ジオスペースの様々なダイナミクスが作り出されていきます。
とあります、6桁異なる世界を波動が連動させている、という事です
ここではコーラス波動を中心としたエネルギー階層が考えられ、
磁気圏では、プラズマ粒子が地球の磁場に捕捉されながら飛びまわっていて、そこには、ジオスペース最高エネルギー粒子が存在する「放射線帯(Van Allen 帯)」が存在します。太陽風が変化すると、ジオスペースは「宇宙嵐」と呼ばれる擾乱状態になることがあります。このとき、オーロラが数日間にわたって爆発的に輝くなど、ジオスペースの環境が激しく変化します。
ここで、
嵐が起こると、放射線帯は不思議な変化を示します。嵐の始まりとともに、放射線帯電子がすべて消えてしまい、その後、嵐が収まるにつれて電子が再び出現し、そして嵐が起こる前に対して電子の数が100〜1000 倍くらいに増えていきます。
えッ、そうだったのですか?知りませんでした!
消滅する放射線帯電子って、バンアレン外帯の事なんでしょうね?
「あらせ」の成果を一言でいうと、プラズマ波動とプラズマ粒子の相互作用を介したエネルギー階層間結合を実証したことです。
なるほど、図1です!
磁場中の荷電粒子は、(1)磁力線のまわりをまわるサイクロトロン運動、(2)磁力線に沿って往復運動するミラー運動、(3)経度方向をドリフトするドリフト運動に伴って3 つの不変量と呼ばれる量が存在します。
あ、ミラー運動とは、磁力線に沿った方向運動になりますか!
プラズマ中には、コーラスと呼ばれる数百-数キロヘルツVLF(超長波)帯のプラズマ波動が存在します。このコーラスと電子は、サイクロトロン共鳴と呼ばれる過程を通してエネルギー交換を起こします。この過程では、波動が減衰して電子が加速することもあれば、逆に電子が減速して波動が成長することもあります。
ここでは、コーラスに着眼されているようで、
コーラス波動を励起するのは、リングカレント帯の電子ですが、励起したコーラス波動は、よりエネルギーが高い電子を加速します。つまり、粒子と波動の相互作用を介して、低いエネルギー階層から高いエネルギー階層の粒子群へとエネルギーの輸送が行われます。さらに、プラズマ圏の冷たいプラズマは、波動の位相速度を変化させることで、共鳴条件を変えるため、プラズマ圏も重要な役割を果たしています。このような相互作用によって、異なるエネルギー階層の粒子群が相互作用することを「エネルギー階層間結合」と呼びます。
具体的には、コーラス波動に着眼し、プラズマ粒子(ここでは電子に着眼している)の加速、結果としての「オーロラ発光」に至るメカニズムを述べています
例えば同じ、特集:ジオスペース探査衛星「あらせ」に収録されている、
「コーラス波動」による電子の散乱とオーロラ | 宇宙科学研究所
です
そもそも地球近傍の宇宙空間(磁気圏)の電子は地球磁場のローレンツ力によって磁力線に巻き付く旋回(サイクロトロン)運動と磁力線に沿う往復運動を繰り返しており、通常は大気に降りこみません。
そうなんですよね〜
このような電子が往復運動を破って地球大気に降りこむのは、電子が磁力線に巻き付くサイクロトロン運動の速度(v⊥)に比べて、磁力線に沿った速度(v||)の方が十分に大きくなり、臨界点を超えた時です
なるほど〜
何らかの磁場擾乱に伴うローレンツ力によって電子が速度空間内で散乱され、v⊥/v||が臨界点を突破するほど小さくなることで、往復運動が破られます。
散乱、という言葉を使っておられます
電子の磁力線経度方向が分子 / 電子の磁力線平行方向が分母、で平行方向(これ、ミラー変動成分でOKでしょうか?)が平衡を崩すくらい大きくなった時(これを散乱と称している)なので「臨界点を突破するほど小さくなる」と表現しています
実際、次のような観測が出来るのか?
都合よく「コーラス波動」と「電子の散乱」の対応だけを抜き出す形でみいだせるのか?
が心配であったようですが、
実際に観測が始まってみると、電子が往復運動の臨界点を超えて激しく降りこむ事象は頻繁にみられることがすぐにわかり(図1)
⬇ この図です!
図1:(左)地球磁場に沿って北半球の極域に降りこもうとする電子と(右)磁力線に反平行に南半球の極域に降りこもうとする電子の検出位置分布。
縦軸が磁気緯度、横軸が地球からの距離(地球半径で規格化)を示す。色は電子のエネルギーを示す[Kasahara et al., 2019, GRL]。
こうして、観測装置にそうとうの工夫が必要であったようですが、
図2:コーラス波動強度(黄色)と降り込み電子の量(実線)の高い相関(0 . 86)[Kasahara et al., 2018 , Nature]。⬅ 左下のグラフ、です
降りこまない(臨界点を超えない)電子に大きな変動はみられないため、波動との相互作用の直接的な検出のためには降り込み電子を識別するための高角度分解能が必要であった。
こうして、「コーラス波動 ➡ 電子の散乱 ➡ オーロラ発光」のメカニズムが直接的に証明できた、としています
まとめ:なるほど〜、です
1.これ、NOAAが採用している、ジョン・ホプキンス大学提唱の「夜間プラズマシートにて発生する磁気リコネクション起因により地球に還流する高エネルギー陽子流・電子流」とは異なるモデルになるのでしょうか?
2.最近Wikiのオーロラ関連項を眺めていると、オーロラ原因を高エネルギー電子流、としているケースをよく見かけるのですが(陽子流が排除されている)これが原因でしたか!
コーラス波による電子流エネルギーアップ・モデルと「あらせ」による実測と、、、
尚、最初の資料にあったのですが、地球を取り巻く環境として見やすい(但し文字が小さく見にくいのでゴシック化して)アップさせて頂きますと、
地球半径にて6程度までの空間における電子エネルギー密度(一部陽子エネルギー密度)の実測図です
一番右上、放射線帯がバンアレン外帯で、その左側がバンアレン内帯、という事でしょうか?
リングカレントって、一体どこまでと捉えているのでしょうか?
この図で見る限り、プラズマシートまで?
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
難解記事へのコメント誠にありがとう御座います、深く感謝です!
>む、難しいです@@;!
確かに、この記事は難しいです
ですが、ナゾロジーさん記事は、それほど、、、という気が致します
結局、高エネルギーのプラズマ状態にどうやって至るのだ?
という問題でして:
この記事(日本、JAXA、あらせ)と
「12月度その24」記事の概念(米国、NOAA、ジョン・ホプキンス大学)
との違いは何か、をその後、考えています
別の言い方をすれば、「オーロラはどうやって起きるのだ?」という疑問に対する回答姿勢の違いです、即ち考え方の違いでして、それは:
日本 ➡ ボトムアップ
米国 ➡ トップダウン
ですね〜、会社生活をしていて、これは嫌ってほど感じて来たのですが、また遭遇したのかッ? です!
どちらが正しい、などとは申しません!
何しろ、違うのです・・・
以上でした!
コメバック終わり
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座います
感謝です
12月度その24:ひとつ浮かび上がるプラズマ流イメージ、、、 ➡ これがオーロラ起因か?!⬅ モデル追加あり!!
特に前回の記事「12月度その23」を書いていて、浮かび上がったオーロラ起因イメージがあります
簡単にトンチ絵にまとめました(追加も致しました)
ので、、、
お付き合い頂ければ幸いです m(_ _)m
但し、コレってどこまで正しいのか分かりません!
ご注意下さい、間違っている可能性がありますので、、、
でも、そんな事、気にしていたら何も前に進まないのです
間違っていても、一度トンチ絵(要するにモデル)にすれば、
どこが間違っているのかが分かって来る、というものです
図1:夜間プラズマシートより飛来するプラズマ流とオーロラ発光
1.夜間プラズマシートからは陽子流も電子流もどちらも飛来する
2.陽子流も電子流もバンアレン外帯を突き抜けて、
内帯の手前で磁力線にトラップされる
3.陽子流は凍結されて北極方面へ、電子流は南極方面に向かうが、
磁力線の着地点はオーロラ帯であり、
北極向き南極向きプラズマ流がオーロラ発光の起因となる
4.即ち、バンアレン外帯と内帯に挟まれた領域の磁力線から
オーロラ帯は構成されていて、
そこにプラズマシート飛来のプラズマ流が乗る
5.磁気リコネクションにより飛来する電子流と陽子流では、
飛来するスピードが違うだろう、恐らく電子流の方が早い
従って、南極オーロラの方が北極より少し早く出る?
6.磁力線に巻き付いたプラズマ流は南北へ移動するので、
電流は南から北へ向かって流れる
これは、リングカレントとは直交する向きであり、矛盾である
7.従って、リングカレントはオーロラ帯を構成する磁力線の内側
(地球寄り)に存在する必要があり、
ここではバンアレン内帯そのもの、としてみた(EQとしてある)
EQは "=" の意味で、赤道ではない!
8.リングカレントをバンアレン内帯とすると非常に具合がいい!
磁気嵐時にはリングカレントが赤道上空西向きに流れ、
これは、バンアレン内帯と地表との間の磁場磁力線を弱める
しかしオーロラ帯に至る磁力線にしてみれば、これは強化となる!
従って、磁気嵐時にオーロラが多出するのである!
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座います
感謝です
12月度その23:基礎知識を磨きましょう ➡ 磁場中の荷電粒子から、電磁イオンサイクロトロン波まで!
さて、基礎知識をブラッシュアップする時間です
キッカケは、人工衛星「あらせ」が観測した「電磁イオンサイクロトロン波:EMIC」に関する複数の記事が目に付いたからです
オーロラ原因とされています
そこで、この辺りを少し学んでおこうと、、、
お付き合い頂ければ幸いです m(_ _)m
結局は、磁場中における荷電粒子(プラズマ)の立ち振舞に絞られるのですが、まずは、プラズマ物理 - Wikipedia の 磁場中の荷電粒子の運動 より:
プラズマ中では荷電粒子に対する粒子間の個々の衝突の影響は小さく、荷電粒子の運動はまずは外から加えられた電磁場とプラズマ自身のつくり出す電磁場の作用により定まる。従ってプラズマの振舞いの理解には電磁場中での荷電粒子の行動を知ることが基本になる。
旋回運動
一様定常な磁場中では荷電粒子は磁場と速度の双方に垂直な力、ローレンツ力を受けるので、磁場に垂直な方向に円運動する。その際イオンと電子では荷電の符号が逆なので、旋回の向きも逆になる。この運動をサイクロトロン運動ともいう。
このサイクロトロン運動(私はジャイロ運動と称する事が多い)の回転数(振動数)をサイクロトロン振動数、回転の半径を旋回半径と称する
サイクロトロン振動数は、質量の小さい電子の方がイオンのよりもはるかに大きい
旋回半径は、同じ温度ならイオンの方が電子よりはりかに大きい
実際の磁場中のプラズマでこれらの量の大きさを考えると、イオンと電子のいずれもサイクロトロン振動数は非常に大きく、旋回半径は非常に小さいことがわかり、どちらも磁力線に強く巻き付いて運動するという描像がよい近似で成り立つ。とくに電子はイオンよりはるかに小さい半径ではるかに速く旋回している。
ドリフト
磁場 B に垂直な電場 E がかかると、荷電粒子の円軌道の半分では加速されて旋回半径が大きくなって、旋回中心が粒子から遠ざかる。そして反対側へ来ると減速され、旋回半径が小さくなり、旋回中心が粒子に近づく。こうして旋回中心はいつでも減速側に動き、粒子自体も一方向に移動する。この磁場に垂直な旋回中心の移動をドリフトといい、その速度をドリフト速度という。粒子自身も磁場に垂直にはドリフト速度で移動する。
なるほど〜、プラズマは、磁場があれば旋回運動を起こし、旋回運動を起こしたらドリフトする、訳だ!
この場合のドリフト速度 vd は 荷電粒子の種類、速度に依存しないのがその特徴である。
速度とは、荷電粒子の速度であり荷電粒子がいかに高速運動していようとも掛かるドリフト速度には関係ない、という事である
要するに、ドリフトする速度は、その場における電場と磁場の強さだけで決定されるのである
ここの記述はなかなか難しい、是非、直接Wikiをご参照願いたい!
磁気モーメント
磁場中の荷電粒子は磁力線の周りに円軌道を描いて旋回しているので、遠くからはそこに円電流があって、それに伴う磁気モーメントがあるように見える。その磁気モーメントは向きが磁場と逆方向のベクトルであって、
という事で、背景磁場を弱める方向の磁場ベクトルを生成するのである!
従って、電離圏において昼間太陽光により電離が促進されプラズマ密度が上がると、螺旋運動に伴う磁気モーメント生成により磁場強度は弱められるのである
そうして人工衛星「あらせ」の成果です
2021年7月14日発表の:
宇宙空間で電波を生み出すイオンの分布を発見 ─ 科学衛星「あらせ」の観測と解析から ─ | 宇宙科学研究所
より:
宇宙空間に存在する電子とイオンからなるガス「プラズマ」中では、様々な電波が自然発生することが知られています。
で、
名古屋大学宇宙地球環境研究所の小路真史特任助教、三好由純教授、宇宙航空研究開発機構の浅村和史准教授を中心とする国際共同研究グループは、「あらせ」衛星の観測データを使って、電波とイオン間のエネルギー交換とイオンの運動の分布の変化を特定することを可能とする新しいデータ分析手法を開発し、宇宙空間に発生する電波の一種である、電磁イオンサイクロトロン波が発生する際にイオンの運動の分布がどのように変化するかをはじめ明らかにしました。
ここで、
「電磁イオンサイクロトロン波動」は、周波数1ヘルツ程度の電波で、近年、地球を取り巻くように存在する放射線帯の高エネルギー電子の分布を変動させる原因の一つとして注目されています。
であって、EMIC発生の様子を示す図は、
図1:EMIC生成の原理
即ち、磁力線に巻き付いた荷電粒子(ここではイオンだから陽子だろう)は円運動をするから、その際に電磁波を放出する
その電磁波の周波数は1Hz程度との事である
上の図を見ると、EMIC周波数が減衰する場合と一定の場合の巻き付き方があるようだ
上記資料よりは少し古い、2019年12月2日発表の:
オーロラを発生させる高エネルギー電子が大気圏に降り注ぐ仕組みを解明 ~成層圏オゾンの破壊を誘発する原因の謎解きが一歩前進~│研究成果│国立極地研究所
には、オーロラとの相関を示す内容が記載され、
国立極地研究所(所長:中村卓司)の田中良昌特任准教授、西山尚典助教、門倉昭教授を中心とする、金沢大学、名古屋大学宇宙地球環境研究所、東京大学、東北大学、JAXA宇宙科学研究所、電気通信大学などの研究グループは、地上と科学衛星の同時観測により、地球周辺の宇宙空間で生まれる電磁波が原因となって南極、北極の上空の深く、すなわち成層圏近くまで高エネルギーの電子が降り注いできていることを世界で初めて明らかにしました。
図2:オーロラ観測
ここの動画が凄い!
スクリーンショットを上の図2に示します
説明文によれば、
動画1:(上):アイスランドのフッサフェルの全天カメラで観測されたオーロラ。(下)あらせが観測した高周波帯(0.1~10kHz)の電磁波の強度。宇宙空間で電磁波コーラスが観測された4:45~5:32に、地上で脈動オーロラが観測された。(国立極地研究所ホームページ:https://www.nipr.ac.jp/ で公開。)
あらせが観測した1Hz程度の電磁波が、EMICである、という事になるのでしょう
この論文では、高エネルギー電子の降り込みをオーロラ原因としています
オーロラ原因は、降り注ぐ高エネルギー電子なのか高エネルギー陽子なのかミックスなのか、追ってゆく必要があります!
コメントバック
リオ同志(id;ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝なのです
>電磁波コーラス・・コーラスΣ(゜ロ゜;)?なんでしたっけ?
>早朝に鳥の鳴き声みたいなのもコーラスとかって言いませんでしたっけ?
そうです!
>自分の過去記事を読みました!2019年1月のブログでした。
そうです!
私もコーラス波の存在を知ったのが、この同志の記事、でしたから!
>『なんでも、最近の研究成果で、この「コーラス波」という電磁波と、
そうです!
プラズマ物理 - Wikipedia によれば、
外部磁場方向に進む横波は電子およびイオンの旋回運動と結合するのでさらに複雑に振る舞う。
まず、横波は一般に電場ベクトルの方向が円周上に回る2つの円偏波の波に分解され、
イオンの旋回と同方向に回る左円偏波の波と、⬅ 電磁イオンサイクロトロン波
電子と同方向に回る右円偏波の波とに分類される。⬅ コーラス波
と、かなり複雑です
いずれにせよ、電磁イオンサイクロトロン波とコーラス波は対比されるものだったのでした
磁力線と同方向に陽子と電子が移動する事はないだろう、
移動するとすれば互いに逆方向だろう
磁力線にトラップされた(凍結された)陽子は地球北極へ、電子は地球南極へ、移動するで良いのだろうか?
などという事を考えております
以上でした
コメバック終わり
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座います
感謝です
12月度その22:面白いサイトを見つけた! ➡ その名もオーロラ・アラート、オーロラ予測サイトで日本で運営!
面白いサイトを見つけましたので、ご紹介!
その名もオーロラ・アラート、
日本NICTさん運営のサイトです、覗いてみました!
お付き合い頂ければ幸いです m(_ _)m
サイトを開けると、こんな感じの画像が流れます!
図1:現時点で太陽光の当たる領域
現在時刻がJSTで13:30と出て(12月14日)、
図2:現在時刻からマイナス6時間のオーロラ状況とプラス3時間のオーロラ予測
が出ます
現在より1時間前はレベル4,1時間後もレベル4,と出ます
図3:オーロラ予測レベルも出て
レベル4とは、「色とりどりのオーロラが見えるよ」レベルなのです!
図4:現在、12月14日14時30分JSTの柿岡K-indexの図は、
これはUT時刻ですが、K-indexはせいぜい3か2レベルで、これで「色とりどりのオーロラが見えるよ」レベルなのでしょうか?
へぇ〜?、という感じです
どこで見えるとは明記されていないようで、夜の部分というと北半球高緯度は太陽の出ない極夜なので、オーロラ帯に属するフェアバンクス・カレッジCMOでは見える、と解釈してよいのでしょう
予測カレンダーなるものも載っています!
図5:予測カレンダー
驚き、ですね〜
何をもって予測するのでしょうか?
K-indexでしょうね?
月齢が関係あるのでしょうか?
よく分かりません!
これから「柿岡K-index・磁気嵐シリーズ」の際にはこのオーロラ・アラートも載せます
所で、図1の両極域に出ている緑色のラインは何なんだ?という事で、
恐らく、極渦 - Wikipedia 、という事で調べてみると:
極渦(きょくうず、きょくか)とは、北極および南極の上空にできる、大規模な気流の渦のこと。ポーラーサイクロンなどともいう。
だそうで、
両極の地上付近は極高気圧で周辺よりも気圧が高いが、上空に行くと気圧が低くなってきて、対流圏界面を越えるあたりから強い低気圧となる。非常に強い西風の循環でできている。
通常の低気圧と異なって一年中持続するが、季節による強さの変化が大きい。各極の属する半球が冬の時期に最も強まり、夏の時期に最も弱くなる。
という事だそうです
今、北半球の極渦は最も強い時期なのですね
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座います
感謝です
12月度その21:オゾン全量シリーズ ➡ 北半球高緯度カナダのオゾン全量を追う!➡ 観測点を変更する!
カナダ観測点アクセスが過去1年は不可になったので(何かこの1年で不具合でも生じたのでしょうか?)観測点を米国と日本に移しています
観測点の移転はだいたい終えたのですが、まだ関連する記事の変更があります
このオゾン全量シリーズがそうで、イエローナイフYKCとフォートチャーチヒルFCCを意識していたので北緯60°西経60°と90°地点のオゾン全量を観測していましたが、それをフェアバンクス・カレッジCMOを意識して:
北緯60°西経120°と北緯60°西経150°に変更致しました
グラフの取り直し、となります
オゾン全量シリーズと名付けた新しいシリーズを続けています
何しろオゾン全量データのアップが早い!
2ヶ月前のオゾン全量世界マップが気象庁さんから公開されるのですが、12月1日早朝(恐らく午前零時過ぎ)には既に10月オゾン全量世界マップが公開されていました!
これからオゾン全量シリーズを「月始めその1」に持って来る事とします
北半球高緯度においては、オゾン全量が冬場に極めて多くなる
これが冬場にオーロラが多発する一因となっているのだろうか?
これを検証するために、まずは毎月のオゾン全量データを取ろう、という事です
現在、オーロラ帯の真夜中12時頃にオーロラが多発する原因は、夜間に広がるプラズマシートにおける磁気リコネクション・プラズマ爆発によるものである、が結論です
そしてオーロラ帯に属する観測点ではLT午後にマジェンタ最大第1ピークを迎える訳ですが、これはオゾン全量が原因だろう、と思っています
冬場に数値が大となるオゾン全量はオーロラ多発と関係はあるのか?を考察してゆきたい、と考えております
お付き合い頂ければ幸いです
データは気象庁さんの⬇これです 気象庁 | 月平均オゾン全量の世界分布図
オゾンデータは2ヶ月前が最新です
図1:2023年10月の月平均オゾン全量・世界マップ
上図1より北米北部2点に絞って、目視により数値を読み取っています
北米北部2点とは、北緯60°西経120°と北緯60°西経150°の2点です
どちらもフェアバンクス・カレッジCMO観測点を意識して、です
図1の例で、数値を読み取りますと、2点におけるオゾン全量は:
北緯60°西経120°:(310+280)/2 = 295 空色なので
北緯60°西経150°:(310+340)/2 = 325 緑色なので
となります
これを2023年2月から10月までグラフ化し、全体で2年+1ヶ月分を見据えたグラフが、
図2:北米北部2点のオゾン全量の変化
こうなります、Feb_23が開始月でFeb_25が終了月となります
2点間には多少の差が出て、西経150°地点の方がオゾン全量は多目で推移しています
西経150°地点は、7月と8月で底を打ったか?とも見えます
1月は高緯度データが入っていなかったので、2月からとしています
北半球高緯度冬場のオゾン全量は非常に多いのですが、それが春から夏になると急激に減少する様子が分かります
何故、オゾン全量は北半球冬場に多いのでしょうか?そして、こうも綺麗に春から夏にかけて線形減少するのでしょうか?
その辺りを、これからオゾン全量シリーズとして、追ってゆく事になります
そして、これが冬場のオーロラ多発と関係があるのか?の考察です
現時点ではオゾン全量とオーロラ多発にどのような相関があるのかは、全く検討が付きません!
確かにオゾンは常磁性なので、オゾンの存在は磁場強度を増大させプラズマ粒子を加速させる可能性はあります、が、慎重な考察が必要です
以上、お付き合い頂きまして、ありがとう御座いました
感謝です!
12月度その20:父島CBI・シリーズ ➡ 父島CBIの3年間北方磁場強度変動を追い、24hヒストグラムを取り、4日間の波形も取る!⬅ 追記あり!
追記は最後にあります
父島CBIが独自の動作をするので、父島CBIに絞って観測しました
まず確定値の公開ですが、父島CBIの場合は6ヶ月前との事なのですが、現時点で見てみると9月末まで公開されているので、9月末までの3年間としました
3年間の北方磁場強度変化を取り、24ヒストグラムを取りましたが、このヒストグラムが驚くべき結果でした!
ご説明致したく
Kakioka Magnetic Observatory, 2013, Kakioka geomagnetic field 1-minute digital data in IAGA-2002 format [dataset], Kakioka Magnetic Observatory Digital Data Service, doi:10.48682/186bd.3f000
お付き合い頂ければ幸いです m(_ _)m
以下、父島CBIの北方磁場強度X成分_3年間地磁気変動です
図1:父島CBI、2020年10月1日より2023年9月30日
上昇です
図1のデータを24hヒストグラムにて表示すると、
図2:父島CBIの24hヒストグラム
ピークの定義は、カウント平均を2時間以上連続して上回った場合であって、1時間でもカウント平均を下回ればピークを脱出した、と捉えます
第1ピークがマジェンタ(最大値)で第2ピークと第3ピークがシアン(最小値)は、低緯度の特徴なのです
父島CBIは北緯27.1°なのですが、磁気赤道からの緯度では19.24°なので、まぁ低緯度には当りますが、それにしてもこうまで綺麗なマジェンタ第1ピークを付けるとは思っておりませんでした!
父島CBIに至る磁力線の磁気赤道上の高度は、約290kmです
290kmと言うと、昼間であればF2層に入ります
昼間であれば290kmから下60kmまでが電離プラズマ領域ですので(プラズマ領域ではプラズマのジャイロ運動により背景磁場は弱まる)父島CBIではLT12時頃に最小値が出てもおかしくないのです
そこで、波形を見てみる事にしました
期間は、2023年9月27日から30日までの4日間です
図3:父島CBIの波形・2023年9月27日から30日UT
縦オレンジラインが父島CBIのLT00時ですから、その中間がLT12時頃となります
従いまして:
UT30日(UT4日目)はLT12時頃に最大値がある
UT29日(UT3日目)もLT12時頃に最大値がある
UT28日(UT2日目)はLT12時頃に最大値はない!
UT27日(UT1日目)はLT12時頃に最大値がある
と見て良いだろう
すると、4日のうち3日にLT12時頃に最大値があるのだから、図2の結果も納得、という線か?
まとめ:
父島CBIではLT12時頃にその日の最大値が観測される
グアムGUAでは既に観測されている
図4:グアムGUA 2023年12月6日から9日まで4日間波形
但し、観測日付が違うので同じ観測日に揃える必要がある
また、ホノルルHONではどうなのだろう、という疑問(興味)が生ずる
いずれにせよ、観測日時が他とは異なるので、父島CBI関連は独立の記事としてまとめた方が良いだろう
父島CBI・グアムGUA・ホノルルHONと、海洋に囲まれた観測点は特徴ある動作をするのだろうか?
追記:2023/12/12
1.プエルトリコ・サンファンSJGも低緯度だったのを思い出しました
図5:サンファンSJG 2023年12月6日から9日の4日間波形
SJGの磁気赤道に対する緯度は、北緯27.2°ですからギリギリの低緯度でした
磁気赤道上の磁力線高度は520kmです
それでもSJGはLT12時頃に最大値を付けていますから、マジェンタがLT12時頃に第1ピークを付けるでしょう
そう考えますと、磁気赤道緯度が北緯19.24°、磁気赤道上高度が290kmの父島CBIが低緯度特有のパターン(LT12時頃にマジェンタ第1ピークを示す)であっても驚く事ではなかった、か?
しかし、父島CBI・シリーズとして単独でしばらく進めます、理由は、低緯度で3年間の変動やヒストグラムを取れるのは父島CBIしかない事、が挙げられます
2.鹿屋KNYについても3年間の磁場強度変化グラフを取ってみました
観測期間は父島CBIに揃えて2020年10月1日から2023年9月30日です
図6:鹿屋KNY 3年間_磁場強度最大最小値グラフ
図7:鹿屋KNY 24hヒストグラム
鹿屋KNYで、何と第1ピークはシアン(最小値)でした!
鹿屋は北緯31.4°ですが、磁気赤道緯度は22.7°で、磁気赤道上の磁力線高度は425kmで中緯度の特徴を示しています
サンファンSJGの磁力線高度は520kmで、低緯度の特徴です
これは、鹿屋KNYでも4日間波形を取る必要がありそうですね
尚、鹿屋KNYのピーク特性は第1ピークがシアンで2+2です
2+2というのは始めてであったような?
ただ、もう3年間の24hヒストグラムを取れる観測点は少ないですが、、、
という訳で鹿屋KNYの4日間波形を取ってみました
期間は、図3と合わせて2023年9月27日から9月30日の4日間です
図8:鹿屋KNYの4日間波形
図8の結果と図7を結び付けるのは、チョイ困難です
鹿屋KNYは図7のピーク特性が2+2になったように、低緯度から中緯度へ移る中間状態の観測点、と言えるのではないでしょうか?
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です
12月度その19:3年間北方磁場強度_変動シリーズ ➡ 柿岡KAKとG16とG18の3年間北方磁場強度変動を追い、24hヒストグラムも取る!
観測点を柿岡KAKに絞って、3年間の北方磁場強度変動グラフの再開です
柿岡には暫定値と確定値があるのですが、確定値は1ヶ月後、との事なのですが現時点で検索してみると2023年11月末迄のデータが上がって来ますので、これなら充分使える!という事で3年間の北方磁場強度変動グラフを取りました(24hヒストグラムも、です)
と申しますのも、G16とG18にはアーカイブは無く、現在私が5日置き程度でデータをセーブして繋いでいるのですが(約2年となりました、あと1年です)これって何時まで何の為に続けるの?と思っていました
柿岡KAKからタイムリーな3年間データを取得可能であれば、G16とG18も添えて、3年間の北方地磁気変動グラフの再開です
柿岡KAKのみならず、女満別MMB、鹿屋KNY、父島CBI、東京TOK、も可能なようです(まだ実際にデータを見た訳ではありません)
柿岡KAKがあれば東京TOKはいらないと思えますが、父島CBIは興味あります、あと女満別MMBと鹿屋KNYも加えたい所です!(日本全体がカバー出来ます)
尚、柿岡KAKのデータを使用し外部に公開する際には以下の引用を入れる、との規約です
Kakioka Magnetic Observatory, 2013, Kakioka geomagnetic field 1-minute digital data in IAGA-2002 format [dataset], Kakioka Magnetic Observatory Digital Data Service, doi:10.48682/186bd.3f000
お付き合い頂ければ幸いです m(_ _)m
以下、柿岡KAKの北方磁場強度X成分_3年間地磁気変動です
図1:柿岡KAK、2020年12月1日より2023年11月30日
やはり上昇です!
図1のデータを24hヒストグラムにて表示すると、
図2:柿岡KAKの24hヒストグラム
こうなります
第1ピークがシアン(最小値)で第2ピークと第3ピークがマジェンタ(最大値)は、中緯度の特徴です
ピークの定義は、カウント平均を2時間以上連続して上回った場合であって、1時間でもカウント平均を下回ればピークを脱出した、と捉えます
図3:G16、2020年12月1日より2023年11月30日
これは減衰なのです!
図4:同期間、G16の24hヒストグラム
図5:G18、2020年12月1日より2023年11月30日
これも微減なのです
図6:同期間、G18の24hヒストグラム
まとめ:
まずは柿岡KAKのグラフアップ、という事でした
大したコメントが出来ません
今後も出来るかどうか、怪しいです
ひとつあるのは、図3と図5に現れるG16とG18最小値トレンドです
どちらも減少傾向で、小さなマイナスが出て来ています
ジャスト0.0はデータ取得ミスだろう、という事で除外しました
しかし、小さなマイナス(-2.5とか)小さなプラス(+5.0とか)を「誤データである」と決めつける根拠は全くありません
従って、小さな正負データはそのままプロットしています
この小さな正負データ数が多くなって来ており、G16とG18の経年変化を追う事は重要であるように思われます
柿岡KAKが取れましたので、女満別MMB、鹿屋KNY、父島CBI、も調べてみたい、と考えています
追記:2023/12/12
その後、調べました
まず女満別MMBですが、2年目から3年目の境で大きくデータがジャンプする所があり、使えません、あと2年経過してジャンプが無くなれば使えると思います
鹿屋KNYですが、10月末までのデータが確定値でした、柿岡KAKは11月末までですので、柿岡KAKと同じ記事にはまとめられません
父島CBIは、確定値が9月末までであり独立記事でまとめました、低緯度の特徴が出ていて面白いです
鹿屋KNYと父島CBIを同じ記事にまとめても面白いかもしれません
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です