なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

5月度その7: 地球の不思議地形シリーズ ➡ 太平洋プレートの移動方向チェンジ!

地球の不思議地形シリーズ ➡ 太平洋プレートの移動方向チェンジ!

 

 

太平洋プレートは約4,000万年前に移動方向を北から西へ変えた!

これが、地形形成にどう影響を与えたか?について、本日は追って行きます

まずは、Googleでハワイ島からカムチャッカ半島に至る領域を見てみよう:

f:id:yoshihide-sugiura:20200513163042p:plain

ここで、ハワイ島からカムチャッカ半島に至る海山列が見える

これは [天皇海山群 - Wikipedia] と呼ばれ、現在のハワイ島直下にはホットスポットと呼ばれるマントルと直結したマグマ溜まりがあり、その上部にハワイ島火山があるのだけれども、ハワイ島は太平洋プレートに乗っているのでいずれ西に移動し、ホットスポットは移動せずで、やがて新しいハワイ島火山相当が形成される過程の連続の痕跡なのである

当然、現ハワイ島から遠い海山ほど古いかってのハワイ島相当となる

ここで海山列中央辺りで、海山列は西から北へ方向を変えているのが分かる

これは:

かつて太平洋プレートはに向かって移動していたため、南北に海山群を形成していったが、やがて4000万年ほど前から、移動する向きが西に変わり、東西に海山群が生まれていくことになった

事を示している

実際、Google Earth上でハワイ島から折れ曲がり点までの直線距離を簡単に測ると約3,500kmと出て、10cm/年で移動したとすると、約3,500万年前に西方に向けて移動を開始した事になる

 

北上するインド亜大陸とヒマラヤ造山活動!

ここでJAMSTECさん2015年新聞発表 [スーパーコンピューターでパンゲアの分裂から現在までの大陸移動を再現し、その原動力を解明 -ヒマラヤ山脈はマントルのコールドプルームが作った!-<プレスリリース<海洋研究開発機構 | JAMSTEC] を見てみよう

現在のインド半島インド亜大陸)は、もともとはゴンドワナ大陸の一部であったが、パンゲアの分裂以後、年間最大18センチメートルという高速度で北半球に向かって移動し、約5000万年前から4000万年前の間にユーラシア大陸に衝突した

そして2億年前から現在までの移動マップが示されていて:

図1

精密な地質学的・古地磁気学的データ(Seton et al., 2012, Earth-Sci. Rev.)で推定されているインド亜大陸の高速北進の様子、2億年前(200 Ma)から現在(0 Ma)までのインド亜大陸の輪郭が描かれている

 

これは、一体全体、偶然なのか?必然なのか?

考えてみよう、インド亜大陸が現マダガスカルの辺りから北上を開始したのは2億年前のパンゲア分裂開始直後の事であり、5,000〜4,000万年前にはユーラシアプレートに衝突しヒマラヤ山脈の造山活動を開始した、一方、太平洋プレートはパンゲア分裂時2億年前には北へ向けて移動していたが、4,000万年前に突然方向を変えて西へ移動し始めた

その結果、ヒマラヤ山脈の東西両端には東西へ向かう移動圧力が生成され(先日の東西泥流部)東向き移動圧力が伝達されたユーラシアプレート東端部と、西へ移動する太平洋プレートが、大衝突を開始した

そうして何が起こったのか?

日本海が形成されたのである!

JAMSTECさん連載よみもの2018年 [日本海がどうしてできたか知っていますか?(海洋研究開発機構) | ブルーバックス | 講談社(1/2)] を見てみよう

今からおよそ2000万年前ユーラシア大陸から分裂した日本列島。次第に大陸と日本列島の間で海底が拡大し、日本海が生まれました。

日本海の形成と日本列島の形成は、ほとんど同義語である、JAMSTECさんは続ける:

なぜ、大陸が裂けて日本海ができたのか。その成因については長年議論が続いています。

どのように、日本列島がユーラシアプレートから切り出され、背後に日本海が形成されたのか?は、背弧海盆による動作なのである

が、JAMSTECさんはこの「よみもの」の中で背弧海盆なるキーワードは使っていない、単に「背弧海盆」という言葉でくくられたく無い、独自の考えがあるのだろう

背弧海盆の説明は難しい、分りやすい図が無いのである、簡単に言えば、背弧海盆とは、大陸プレートに沈み込む海底プレートが摩擦で境界面にマグマを形成し、火山を形成しつつ、冷えたマグマはやがてマントル内部へ向けて沈降してゆく際に地殻を引きずり込み海盆を拡大成長させる過程と結果である、と言えます(一例ですが)、即ち、互いに激しくブツカリ合う大陸プレートと海底プレート(結果、海底プレートは沈み込む)の存在が大前提なのである

現在も活動拡大している背弧海盆があり、それを見て理解して頂くのが一番であり、以下Google Earthを見て頂きたい、南西諸島北部にある海盆が沖縄背弧海盆であり、沖縄トラフとも称し、ここではユーラシアプレートフィリピン海プレートの衝突が発生していて:

f:id:yoshihide-sugiura:20200513164348p:plain

[沖縄トラフ - Wikipedia] より

現在も形成中の背弧海盆で、約200万年前ごろから拡大を開始し、現在の沖縄トラフの拡大速度は北部で10mm/年、中部で25-30mm/年程度、南部で35-50mm/年程度と、北から南に向かって増加していく

即ち、南西諸島が日本列島として切り出され、沖縄トラフ日本海として成長した、と対応して考えて頂ければ良い

 

まとめ:

「地球の不思議地形」という意味では、冒頭太平洋プレートの移動方向チェンジ痕跡を残す海底マップである、これは奇跡である、これが無ければ日本列島は存在しなかった、と言ってよい、奇跡と言っても原因はある、だがその原因も偶然だろう、と私には思える

ここで、敢えて「地球の不思議地形」をもう一枚挙げるとしたら、それはやはり北上するインド亜大陸を象徴する絵であろう:

Everest kalapatthar crop.jpg

Photo by Pavel Novak:ネパール側から見たエベレスト

 

 

 

以上です

 黒点数の推移にご興味のある方は「読者」登録されますと、更新時にメッセージが届きますので、たいへん便利かと存じます。

 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia