7月度その8:地球磁気圏を取り巻く電流は、こんなにも有るのか(スクショで画像添付!) ➡ 電離層電流は電離圏電子密度で表現? ➡ 地磁気にたどり着く!
地球磁気圏を取り巻く電流は、こんなにも有るのか(スクショで画像添付!) ➡ 電離層電流は電離層電子密度で表現? ➡ 地磁気にたどり着く!
* そもそも、何故、こんな事を考えているのか?と申しますと、地震発生と電離層電流の関係を知りたかったからです、結論は最後に述べております
* 事の発端は、電離層電流という電離層を流れる電流に興味があったのですが、こんなにも電流群があるのか!とビックリした内容をまず述べさせて下さい
コトバンク [磁気圏(じきけん)とは - コトバンク] をアクセスすると、長い文章が出て来て、最後の方に図が載っていまして「地球磁気圏の概念図」なる図が出ているのですが、これがjpegで小さく、ここに拡大コピーしても文字が全く読めません
そこで結果だけ記しますが、詳細な図は直接コトバンクをアクセスして見て下さい(コトバンクの中では拡大出来て文字が読めます)
・ 磁気圏境界面電流
・ 赤道環電流 西向きで地球周回 リングカレントとも言う
・ 沿磁力線電流 夜間部で地球から反太陽側に向けて
・ 時期中性面電流 夜間部で西向き
と、こんなにも有るのか!と驚きます、そしてここには電離層電流は出て来ません、低すぎるのです
あ、スクショで出来ました! これなら読めます
* まず、Wiki [リングカレント - Wikipedia] を引いてみますと:
リングカレントとは、惑星磁気圏の磁場に捕捉された荷電粒子がつくる電流で、赤道環電流とも言う。
とあり、
地球の場合、正電荷を持つイオンは西向きに、負電荷を持つ電子は東向きにドリフトするため、西向きのリングカレントが形成される。この西向きの電流は、中・低緯度域の地磁気を減少させ、磁気嵐の主要因になっていると考えられている。地球のリングカレントは、10-200keV程度のエネルギーのイオンが主に寄与している。イオンの種類は、プロトンの他、α粒子や酸素イオン(O+)も含まれている。
と、「ドリフト」が出てきますが、私の理解ではリングカレントとは、ヴァン・アレン帯そのもので、ヴァン・アレン帯は荷電粒子のドリフトで生成される、とすれば辻褄は合います
* ヴァン・アレン帯は内帯と外帯が有って、赤道面での高さは:
内帯は赤道上高度2,000 - 5,000kmに位置する比較的小さな帯で、陽子が多い。外帯は10,000 - 20,000kmに位置する大きな帯で、電子が多い。
であって、電離層の高さ昼間:60-800km、夜間:90-800km、とはスケールが違います
* そこで、電離層電流を調べると、名古屋大学さんサイトで [大気のてっぺん50のなぜ] より:
高緯度の電離圏では、宇宙空間からプラズマが降り注ぎ、オーロラを起こすと共に強い電離層電流(オーロラジェット電流)を流します。赤道域では電離圏の電子密度が増大しているので、大きい電離層電流が狭い範囲にわたって流れていることがわかっています
オーロラは極地の電離層内における反応ですから、オーロラジェット電流 ⬆ こうなるのでしょう、但し、極地では強いオーロラジェット電流が流れ、赤道域でも狭い範囲に大きな電離層電流が流れている、と2点述べている点は注意です
特に極域のオーロラジェット電流は。磁気嵐の際には非常に強くなります。そして電流の変動にともなって、地上の送電線に誘導電流が流れ、発電所の機械が壊されたりすることもあります。しかし中低緯度の電離層電流は、極域の電流の100分の1程度であり、通常時はそういったことは起こりません。
ここで図が出て来まして、12時に太陽が真上に来た時の電流渦が示されて、
オーロラの活動が低い時の、極域の電離層電流パターンの例。隣り合う電流間に、1万アンペアの電流が流れています。
おそらく北極を上から見た図と思われ、地球は左側(これが東向き)に向かって自転している事になります、「オーロラの活動が低い時」は要注意です、ではオーロラ活動が活発な時はどうなのか?は図には書かれていませんが、磁気嵐などの大規模な電離圏擾乱がある時には、大規模伝搬性電離圏擾乱(LSTID)を引き起こす、と述べられており、かなり複雑な系となるようです、この [大気のてっぺん50のなぜ] は非常に分かりやすく、勉強になりました
* 所で、上の図は重要と思われ、電離層電流はリングカレントのように西向きに流れ地球を周回する赤道環電流の概念ではなく、この図で言えば、右ねじ回転と左ねじ回転の方向に流れる電流の渦が、太陽を南側とした時、常に東側と西側に生成される、という事になります!
では電離層電流のリアルタイム・グラフは?という事なのですが、それが見当たらない! それは電離層電子密度で表現されているのでは?というのが私の判断です
米国の宇宙気象サイトさん [Total Electron Content | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] より:
⬆ これです、赤道部分にある薄い空色部分が電子密度が低く、南北両磁極に近い濃いブルー部分の電子密度が高いのでしょう
この濃い部分・薄い部分で電子は回転しているのでしょうね、北半球と南半球では逆回転になるのかなぁ、などと思いは付きないのですが、想像に頼る部分が多すぎます
* そこで、電離層電流なり電離層電子密度TECを追うのは諦めて、地磁気を追う事にしました、即ち、地磁気変化と地震発生の関係を取ってみよう、という事です
詳しくは、次回に述べますが、K_indexなる地磁気の乱れを表す指標があり、日本では、気象庁さんにより、女満別(北海道)、柿岡(茨城県)、鹿屋(鹿児島県)の3ヶ所で測定されています、柿岡のこの5月の結果を示すと [地磁気観測所|観測資料|K指数日合計(柿岡)]:
と、日単位で表示されますので、地震発生との関係を追うには適しているか、と思います、やりたい事は地震の予測ですので、数日前には兆候が欲しいのです
* 結論:
長々と述べてしまい、大変恐縮です、が、磁気には2種類の根源があり、それは太陽磁場と地球磁場です、地表であれ電離層であれどこであれ、この両者の相互作用の結果がその場の磁場となっている訳です
そこで、太陽風に始まりプラズマシートなりヴァン・アレン帯なりオーロラなり電離層なりを経て、地球磁場の測定で良いか?との結論にたどり着きました
次回より、過去巨大地震と地球磁場の変動との相関をグラフ化して示します
長々とお付き合い賜り、誠にありがとう御座いました
感謝の一言です m(_ _)m