なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

8月度その13:地磁気の年周期性を追うシリーズ ➡ 南磁極側オーストラリア・キャンベラの地磁気を調べてみよう!

地磁気の年周期性を追うシリーズ ➡ 南磁極側オーストラリア・キャンベラの地磁気を調べてみよう

 

 地磁気データの一日における最大値と最小値の幅(差)を取り4年に渡りグラフを取ると、年周期性が現れます、これは特に西方成分について顕著です、このシリーズはその謎(原因)を追うものです、まずは茨城・柿岡の地磁気データについて調べています

 

 地磁気データの基本は、気象庁地磁気観測所さんのサイトより:

[地磁気観測所|基礎知識|用語の説明]

地磁気の各要素

で示され、地磁気ベクトルのX方向が北方向成分、Y方向が東方向成分、Z方向が地球中心方向成分となります

各々方向成分の磁場強度(大きさ)は、グラフ上長さで示されます

 

* 柿岡での4年間の地磁気変化を調べて、Wiki [地磁気 - Wikipedia] より、

永年変化:

逆転よりももう少し変動の振幅が小さい、数年から数千年程度の時間スケールの磁場変動のことを永年変化と呼ぶ。

地磁気は年々弱くなっており、ここ 100 年では約 6% 弱くなった。これはあと 1,000 年足らずで地磁気が消滅してしまうほどの減少率であるが、この程度の磁場変動は過去においてもそれほど珍しいものではない

非双極子部分の西方移動

とあって、この「非双極子部分の西方移動」が気になりました

そこで、普段あまり気にした事のない南磁極側を調べておこう、という事で地磁気観測所のあるオーストラリア・キャンベラのデータ [Geomagnetism] 2020/07/31を最終とする4年分(365日x4)をダウンロードしグラフを取りました

 

 まず、キャンベラと南磁極の位置関係です:

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キャンベラは南緯35度18分東経149度07分、という事で東経に属していますが、南磁極は南緯64度32分西経137度52分、という事で西経に属し、かつ、海底でした(2005年調査の位置)、いずれにせよ南磁極はキャンベラの東方に位置している事は間違いありません

Wiki [南磁極 - Wikipedia] より:

南磁極は、南緯64度32分、西経137度52分の位置にあり、毎年約10kmずつ北または北西に移動している。

という事で、Wiki [北磁極 - Wikipedia] によれば:

地球の磁場は正確に南北対称ではないため、北磁極と南磁極は対蹠地(たいしょち:地球あるいは他の天体上で、ある場所とは180°逆に位置する場所である)ではない(磁極同士を直線でつないでも、その直線は地球の中心を通らない)。

なるほど、そうでしたか!

カナダ地質調査部によると、北磁極は継続的に北西へ動いている。

北磁極は20世紀中に 1100 km移動した。その動きは加速しており、1970年には年間 9 kmだったのに対し、2001年から2003年までの平均速度は年間 41 kmであった。

南磁極も北磁極も北西方向に移動してる、現在は、という理解で良さそうです、しかし永久に西方向成分を持って移動する事は有り得ないと思われるので、何時か、何処かで反転するのでしょう

 

 そこでキャンベラです、まず1時間毎の平均値を出して、24時間分の24データで平均を取る「1日当たり時間平均」を取ってみます この辺りは柿沼と揃えてあります

北方向_磁場成分_Xです

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東方向_磁場成分_Yです

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地球中心方向_磁場成分_Zです

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この1年に1回のボトム点は何?で、Zについて調べましたら、

Date : [:"20190101", :"20200101", :"20180101", :"20170101"]
Value: [50737.4493, 50739.2223, 50741.4906, 50745.6872]

何とすべて1月1日で、人工的な影響を受けたデータとしか思えない、こんなグラフを載せるのは止めようか、と思ったのですが、それでも南磁極側のトレンドは知りたいので、グラフ下の部分はカットして表示する事と致しました

 

結果、以下の通り:

北方向_磁場成分_Xです

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南磁極は北または北西に向かって移動しているとの事ですので、キャンベラに近づいて来ており、磁場強度は微増傾向にある、と言えるのでしょう

 

東方向_磁場成分_Yです

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Y成分(東方向磁場強度)は減少傾向にあります、南磁極が北または北西に移動(年間10km)していても、それを超えるスピードで北磁極が西に逃げていれば(年間41km)上図のようにY成分は減少するでしょう

 

地球中心方向_磁場成分_Zです

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Z成分はほとんど変化ありません

 

 1月1日データには驚きましたが、まぁ、納得出来る結果だと思います、やはり地球の反対側データをグラフ化する事に意味はあります

今回は1日24時間の平均を取りましたが、次回は1日内の最大値と最小値の差分を取ってグラフ化してみます

 

お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座います、感謝です m(_ _)m

  

以上です