8月度その15:地磁気の年周期性を追うシリーズ ➡ キャンベラの地磁気変動を測定する!
地磁気の年周期性を追うシリーズ ➡ キャンベラの地磁気変動を測定する!
* 地磁気データの一日における最大値と最小値の幅(差分)を取り4年に渡りグラフを取ると、年周期性が現れます(柿岡)、これは特に西方成分について顕著です、このシリーズはその謎(原因)を追うものです、本日は柿岡と同様にキャンベラにおける最大値と最小値の幅(差分)グラフを取ります
* 地磁気データの基本は、気象庁・地磁気観測所さんのサイトより:
で示され、地磁気ベクトルのX方向が北方向成分、Y方向が東方向成分、Z方向が鉛直方向成分となります、各々方向成分の磁場強度(大きさ)は、グラフ上長さで示されます
現在、地磁気測定点は柿岡(茨城)とキャンベラ(豪州)を選んでおり、南磁極(海の底)➡キャンベラ➡柿岡➡北磁極(カナダ北極圏の島)順でGoolge Earthにて位置を示すと:
私は、普通、マップデータは北から示すのですが、ここは地磁気・磁力線の方向に従ってマップを出しました、約束事ですが地磁気はN極から出てS極に至るとされており、南磁極にN極、北磁極に有るのがS極である、事に注意です
ここで各地の経度のみを4捨5入して示すと:
南磁極:東経138°、キャンベラ:東経149°、柿岡:東経140°、北磁極:西経114°、であり、南磁極の東経138°と北磁極の西経114°を結ぶ地磁気磁力線は、左にキャンベラを見て(従ってキャンベラでのY成分は東向きの正)右に柿岡を見る(従って柿岡でのY成分は西向きで負)事となり、極めて狭いレンジを射抜く地磁気磁力線ラインとなっています、このようなラインを選んだのは単なる偶然です
尚、地磁気の永年変化として「非双極子部分の西方移動」なるものがあり、北磁極は西方へ約40km/年、南磁極も西方へ約10km/年で移動している、これが西方移動です(移動の詳細方向と移動距離は常に変化している)
* それでは、キャンベラにおける日単位地磁気最大値マイナス最小値の変動幅(差分)2020/07/31を最終日とする4年間(365日x4)の北方向X成分変動グラフです
次に鉛直方向Z成分のグラフです
最後に東方向_Y成分の変動グラフです
年周期での変動が見て取れますので、ここで拡大表示しますと:
となり。綺麗な年周期性が現れました、変動幅は約80nT程度です
変動幅の最小値は9月20日頃の秋分の日辺り、最大値は少しバラついていますが3月20日の春分の日辺りかな?と思われます、正確にはプログラムを作って測定します
* 結論として、地磁気のY方向最大最小差分成分には、柿岡のみならずキャンベラにも年周期性が現れる事が分かりました
今後は、柿岡・キャンベラ共にY方向の年周期性の原因を探って参ります
尚、現時点で地磁気の変動性については、日変化(太陽原因による昼と夜の繰り返し変動)と「非双極子部分の西方移動」に見られるような永年変化がネット上で解説されていますが、東方向_Y成分の年周期性変動については報告が見当たりません
年周期の変動幅は柿岡で約70nT、キャンベラで約80nTと、日変化幅が約80nTである事を考えると、日変化と同程度の変化を半年かけて行っているという事で、差分を取らないと検出出来ません
従って、これは世界で始めての検出である可能性があります(World First Detection というヤツですね)
* 尚、先日提示した1月1日データは人工的に加工されたデータでは?ついてですが、原因が分かりました(分かった気がしました)
これはマーカです、データ集合を時間軸で見た時、ダラダラとデータが続くので1月1日が分かるようにデータを強制的に加工修正し、マーカとしているのです
日本ではまず考えられないデータ修正であり、面白い、と思いました
お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座います、感謝です m(_ _)m
以上です